不都合な真実。

2006年8月30日
環境に対しては意識する部分があり、
少しでも貢献できればと思います。

不都合な真実。
という映画が10月28日より公開されるそうです。

http://www.futsugou.jp/

8月30日の日記

2006年8月30日
天空のエスカフローネ。
10年も前の作品だそうで。
もう10年か。
ってーことは、俺が12歳の時の作品。

当時は癖のある絵や話で、何となく敬遠していたような気がする。
毎週欠かさず、という感じで見てはいなかったし、
結局最後がどうなったのかも、はっきりとしない。

そんな作品なのだけど、なぜだか、印象に残っている。
特に、オープニングの坂本真綾嬢の曲が良い。
菅野よう子さんのあのセンチメンタルなメロディに、
真綾嬢の透明な声が乗っかると、
本当に、切なくなってくる。
心に出来た無数の微細な擦り傷に染み込んできて、
やがて中核にまで浸透してくる感じ。

エスカフローネオープニング。
http://www.youtube.com/watch?v=q_D15gOoUrw

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ハイスクールミステリー学園七不思議。
小学校低学年の頃にやっていたアニメです。
内容は、当時に感じたインパクトを引きずっているとしても、
怖さではかなりのものがあった気がします。
下手なホラーよりずっと怖いと思うのですが、
不思議なことにビデオもDVDも出ていないのです。
需要がないからなのか、それともそれ以外の理由なのか……。
この作品で脇役の声を当てていた三石琴乃さんがラジオで言っていたそうなのだけど、
なんだか、アフレコの時とかに、スタジオの時計が突然壊れたりしたらしく、
そういった方面の理由で出せなかったり……
ってことはないか。さすがに。
でも本当にみたいんだけどなぁ。
DVDで出ないかなぁ。

8月28日の日記

2006年8月28日
もーそろそろ夏もおわっちまうんだね。
暦の上ではおわってんのか?
バイト先の近くに小学校があって、
夏休みでひっそりとした旭光のグラウンドや校舎を見るのが、
実は密かな楽しみだったんだけど。

というか、夏が終わるって事は、もうあれだよ、年の瀬が迫ってるってことかい?
やばいよ。
今年、広島行かずにおわっちまうよ。
宮島の厳島神社に行って、
キョドりながら写真に収めるつもりだったのに。
あー、何とか行きたいなぁ。

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最近Amazonでひとり旅関連の本を探ったり。
しました。
うちのマウスは光学式なんですが、今まで使ってたマウスパッドだと
とにかくカーソルがトリッキーな動きをするので、
もういい加減腹立って光学式対応のマウスパッドを買いましたら、
いやあ快適快適。
なんすかこの滑り具合、全く変な動きをしませんよ?
決定ボタンをクリックしようとした次の瞬間画面の右上端にぶっ飛んで
画面を消してしまう、なんてことがこの先起こらないという安心感。
もっと早く買ってりゃよかったよ。

ああ、そういえば凹んだなぁ。
1000円分のギフト券になる番号が記載されたメールを、
誤って捨てちゃって。
ギャグマンガ日和のアニメの下巻買おうと思ってたのに……。

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今日、小中学校の同級生に声をかけられた。
そういうこともある。
でも、声をかけられるまでわからなかった的な振りをしておいた。
なんだか、自分は、過去に対して積極的ではないようです。
振り返って俺が、友人を全然もたないのは、
過去を取り戻そうとしたり、今を続けようとしたりしなかったからです。
むしろ過去を捨てようとすることに積極的だったし、
過去との関係を時の摩擦で焼き切ってしまおうと思っていたのです。
自分が薄っぺらくてつまらない理由の一つは、
この人間関係の希薄さが大きく起因していると思う。
そして、何らかの突出した趣味をもっていないのも大きい。

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DVD、借りてはいるけど観る時間がなぁ。
一回観るのに二時間ってやっぱりきついよなぁ。
無精で頭の回転が鈍い自分にとっては、
まとまった時間がやっぱりほしいのです。
去年なんかは人手不足で社員並み(時には社員以上)の日数出てたから、
一年働いたのにDVD全然観てないんすよ。割に合わねえ。
最近ようやく観れだしたけど、
映画観るだけに時間使いたくないしなぁ。

今借りてるヤツ。
「ミュンヘン」(営業用の無料サンプル)
「13デイズ」

アニメとかもさ、「かみちゅ!」とか「エウレカセブン」とか、
観たいのに。
DVD ビデオメーカー 2005/05/27 ¥3,990

(ネタバレあり。注意)

モーターサイクル・ダイアリーズと合わせてみました。
モーター〜と比べると、映像的に少々安っぽい感じがする。
ゲバラ役はモーターと一緒で、ガエル・ガルシア・ベルナルさん。

この映画なんだけど、おそらく史実を時間軸になぞったノンフィクション形式の作品です。
カストロの視点で進み、ゲバラは中盤あたりから出てきますが、
タイトルに名前が出るほどの存在感は無かったように思います。
キューバ独立、そしてその後というように、史実を追う形なので、
人間ドラマという部分においては薄くなっています。
個人的には、まあ、キューバ革命の道筋だけでもそれなりに楽しめましたけどね。

物語ですが、アメリカに搾取され、アメリカの傀儡であるキューバ政府を打倒するためカストロが立ち上がります。
作戦が失敗したりして投獄されたりしますが、メキシコでゲバラと合い、
キューバの革命のために共に歩み始めます。
戦いは苦戦を強いられますが、次第に農民達の協力を得たりしながら戦力を増強し、戦線を拡大。各地で勝利を収めていきます。
そしてついに独立を勝ち取るのですが、その後雲行きが怪しくなっていきます。
いつアメリカにつけ込まれて革命がおシャカになるかわからないという恐怖から、次第に政治が独裁色を帯びていきます。
当初は資本主義でも社会主義でもない新しい国にすると打ち出しておきながら、結局社会主義体制になっていきます。
ゲバラはさらに南米の各地で革命を起こすためにキューバを去りますが、67年にアメリカによって射殺されます。
経済的にも行き詰まり、亡命が後を絶たず、カストロと共に戦った主要な人物の末路もあまり明るいものではない、という中、カストロの老いた歩みと憂いに満ちた表情で終わります。

ああやはり、戦いで手に入れた権力というのは、その後の政治の部分でつまずくのだな、というのが、見終えてからの第一の感想です。
特に搾取される層が圧倒的な国というのは、革命や、革命後が難しいのだな、と。

で、Amazonを見てみたらですね、物凄い批判の嵐。
まあ読んでいただければわかると思いますが、今現在のキューバは決してそんなに貧しい暮らしでもないし、作り方が偏っている、らしいのです。
アメリカ制作ですから、イデオロギーの違いもあるのでしょうが、
いやあ、怖い怖い。
これを読まなかったら映画の暗いイメージを鵜呑みにしてましたからね。
危ないところでした。
改めて「モーターサイクル・ダイアリーズ」の大切さを実感しました(笑
で、しかも、元々3時間半近くあるのを、切って切って二時間に収めたというのも、なんだか残念でならない。

ジョニーボーイの「YOU ARE THE GENERATION THAT BOUGHT MORE SHOES AND YOU GET WHAT YOU DESERVE」という曲でも書かれているように、我々は我々が日頃享受している豊かさの中に、実はこうした貧困に苦しんでいる人達の犠牲に近い生活があるのだということを知らなければいけない。
それはとても、見つけにくいのだとは思うけど。

さて、セリフで印象に残ったのは、
「まずは僕の革命、次は君のだ」というカストロの言葉と、
「撃てよ。人が一人死ぬだけだ」というゲバラの最期の言葉。

あと、この作品を観て、キューバ危機にも興味を持ったので、
「13デイズ」も観てみようと思います。
(モーターサイクル・ダイアリーズを観ていると、ゲバラの過去がわかるので、彼に対する理解が多少違ってくると思います。と同時に、敵を銃で撃ち抜いていく姿にちょっとしたショックも覚えます)
DVD アミューズソフトエンタテインメント 2005/05/27 ¥3,990

(ネタバレあり。注意)

チェ・ゲバラ。
キューバ革命において重要な位置に立った彼の、
革命家として生きる事になるバックボーンを描くと同時に、
友人との二人旅を通した素晴らしい青春映画となっている。
とても良質な作品です。

黒沢清監督の「アカルイミライ」という作品で、
少年達がチェ・ゲバラのTシャツを着て闊歩しているシーンが最後にある。
その顔写真がチェ・ゲバラだと知るのは少し経ってからですが。
知ってからは、一体革命家チェ・ゲバラとはどんな人なのか、
という思いはありました。

チェ・ゲバラという人は、作品でも描かれていますが、
とても真面目で正直で、それが時として人になんと言われようと押し通す頑固さ、頑なさになります。
途中でバイクが壊れた影響もあって、ゲバラ達は南米の道行く人達と交流を深くすることになり、その生活の実情などを肌で感じていくことになります。
旅を通してゲバラの中で確実に何かが変化し、革命家としての道を歩ませたのです。

知識としてゲバラのことは全然知りませんが、
この映画だけで判断すれば、確かにとても素晴らしい、
人間としての魅力に溢れた人だと言える。
物事に実際に触れ、目に観て感じることの大切さを思い知らされます。

ロードムービーと言うこともあるし、ゲバラの旅の日記ということもあるし、
取り立てて大事件があるわけではない。
しかし全編を通して変化していく二人や、風景など、
心を揺さぶる何かがあります。
時には静かな景色を歩く二人を見ていると、なぜかこちらが焦燥を覚えたり。

チェ・ゲバラということを抜きにしても、
とても良い映画だと思います。

(ちなみに、「チェ・ゲバラ&カストロ」という作品と合わせて観ました)
(あと、主役二人とも良かったのですが、特にゲバラ役のガエル・ガルシア・ベルナルさんは良かったです)
DVD 角川エンタテインメント 2006/08/11 ¥3,990

(ネタバレあり。注意)

イヤー、好きなんですよ。
ウォレスとグルミット。
大好き。
むかしNHKで過去のシリーズが放送されてまして、
それが面白くて、それ以来ファンなんです。
この作品も無茶苦茶面白かったです。
別にファンだから色眼鏡をかけて……いる部分もちょっとは、
そりゃあありますけど、
でもやっぱり本当に面白かったんですよ。
素晴らしいエンターテインメントでした。
普段洋画は字幕で観るんですけど、
やっぱりこの映画だけは吹き替えでしょう。
ウォレスの声は欽ちゃんのあの声じゃないと。

物語は、巨大野菜コンテストに向けて心血注ぐ町の人達を、ウサギの被害から守るために、ウォレスとグルミットがウサギ捕獲業者となって成果を上げている場面から始まる。
捕獲したウサギが多くなり、収容場所も一杯になりつつある中、
ある時ウォレスは思いつく。そもそも、ウサギが野菜嫌いになれば、
話は早いのではないか。
そこで既に開発していた脳波に影響を与える機械を使うことにしたのだが、
まあ、ウォレスだし、当然トラブルが起こるわけで……。

映画は「ザ・フライ」や「狼男」、「キングコング」などのパロディーを散りばめながら、停滞なく、次々と展開を起こしていく。
上映時間はアニメだし(しかもクレイアニメだし)一時間半ほどですが、
中身は濃密で、極上のエンターテインメントとなっています。
笑ったりハラハラドキドキしたり、少しだけほろりときたり。
ボクは彼らを観ると幸せになれるのです。
ウサギも可愛かった。
グルミットの、表情だけで語る心情が何とも言えず素晴らしい。

楽しい一時を味わいたいのなら、迷わずこれをお勧めします。
DVD ジェネオン エンタテインメント 2000/04/28 ¥4,935

(ネタバレあり。注意)

ようやく観れた。
前々から観たいと思っていたんだよね。
この間ようやく観ました。

学生達三人がドキュメンタリー映画を撮影するために
魔女伝説が残る森へと出かける。
しかし彼らは失踪し、一年後、フィルムだけが発見される。
我々が観ているのは、彼らのフィルムを編集したものである。

という設定。
つまり、この映画は、彼らの所持していたビデオ二つ(カラーとモノクロ)におさめられている、断片的な映像を繋ぎ合わせたものなのです。
初めてキャンプをして夜が明けた朝、登場人物の一人(二人だったっけ?)が、夜中に何か変な、女性の高い笑い声を聞いたと語るシーンがあるように、カメラがオフになっている状態の事はわからない。
あくまでこちらは残されたフィルムを傍観するという立場なのです。
(まあ、どういったシーンをオン状態として映像に組み込むかは制作者次第だし、そこは普通の映画とあまり変わらないか。基本的に重要な部分はほとんど入っていたしね)
この映画は超低予算だし、下手に安っぽいクリーチャーを出したり、メジャー映画のような恐怖演出をしようとすると、かえってチープさを露骨にしてしまう恐れがある。
だから逆に、素人がドキュメンタリーを撮影しようとして、姿の見えない何かに見張られている、追いかけられている、というスタイルを取り、心理的な恐怖に傾けて撮影したのは、成功だったといえる。

物語は最初撮影に向かう三人が合流していくシーンから始まり、
地元の人へのインタビュー、宿泊を経て、森へと入っていく。
撮影を済ませて帰宅するはずだったのが、なかなか森を抜けられない一行は、最初一回だった予定のキャンプを、二回、三回と強いられる。
地図をもって仲間を導いていた女性メンバーは迷っていないと繰り返し、仲間との口論も日を追うごとに激しくなっていく(女性に地図をもたせたのがまず問題だったとも言えるが)。
食糧も尽き、疲れ果て、感情が荒れていくメンバー。
しかも彼らにとって恐怖だったのが、毎夜訪れる、謎の怪奇現象だった……。

この映画はAmazonのレビューを見てもわかるとおり、賛否両論、真っ二つです。
わかります。この映画は向かない人にはほんとに向かない。
しかし自分は楽しめました。

先述したとおり、カメラのオン状態でしかこの物語の出来事を知れない。
しかも、メンバー全員が、謎の失踪をしてしまっているのです。
事件の核心など細部が詳細に説明されませんから、
その部分を想像で補えるかどうかが、この映画の評価の大きな分かれ目になってきます。
恐怖と面白さがイコールで繋がっているのです。

迷って全くどこにいるのかわからない森の中で、
食料もなく、毎夜得体の知れない何かが自分たちに確実に近づいてきて、
影響してくる。
一日中同じ方角を歩き続けても、なぜか夕方には同じ場所に辿り着いてしまう恐怖。
自分なんか、途中からは、メンバーにさえ疑心暗鬼になってしまっていました。
そして最後のクライマックス。
想像力を刺激されて、見終わった後はしばらく動けませんでした。

直接的な、インパクトのある怖さを求めている方には、向かないと思います。

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エミリー・ローズのところでも書きましたが、「午前三時」。
キリストが死んだ時間ともっとも離れた時間で、悪魔が活動を盛んにする。
この映画では夜中に変な声で目が覚めて、「頼む、4時か5時であってくれ」というセリフもむなしく、「畜生、三時だ」「ジーザス!」というやりとりがあって、
早く日の光が出てほしいという闇への恐怖と同時に、
そういったキリスト教圏の背景も感じられて面白かった。
DVD 角川エンタテインメント 2006/02/03 ¥4,935

(ネタバレあり、注意)

テレビで放映されたものを観た。
その限りだと、時間を無駄にしたな、という印象。
途中から眠たくなってきてねー。
神木君くらいしか印象に残りませんでした。
そもそもが子供向け作品だからでしょうが、
しかし子供だって、ただ楽しいだけじゃなくて、
心に訴えかけるような作品を見ると、
その時はよくわからないかも知れないが、
後々に少なくない影響を受けていたりするものです。
この作品は、そういう意味では少し足りないような気がする。

ただし、ものをすぐゴミにすることについて警告している点については、
多少提言もあるが、まあ言っておいてもいいとは思う。
母親の小言と一緒で、耳につくし言い返したくなるけど、
決して的外れじゃないし、問題点を気付かせてくれているという意味で、
必要なのかも知れない。
人間というのは忘れやすいから、そういうことを一々言ってもらった方が、
大人になっても頭の中に残りやすいのかも。
そうして環境に配慮した製品作りや部品の循環が進めば、
まあ、良いことなんじゃないかな。

8月19日の日記

2006年8月19日
日中、「ヨコハマ買い出し紀行」のアルファさんよろしく、
ベランダの日陰に座椅子を置いて空や音を楽しむ。

海の腹のような真っ青な空を見たかったが、薄い水色だった。
蝶々雲が子連れで行き、雲の波が高くある。
パソコンばかり眺めているせいか、空を見上げるだけで目が染みた。
久しぶりにじっくりと目で捉えてみて、改めてその広さを感じる。
「ヨコハマ買い出し紀行」を読みながら、
体を柔らかく抱いていく風に、何とも言えない安心を覚える。

途中何らかの虫が顔に衝突したり、
いつの間にか指に蜂がとまっていたりと、
多少のハプニングはあったが、しかし万事良好だった。
DVD 東映 2006/08/04 ¥3,990

(ネタバレ注意)

「ローレライ」「戦国自衛隊1549」「亡国のイージス」と、
終戦60周年に合わせて制作された戦争物、軍事物の大取りとして満を持しての大和。

個人的にはまあまあでした。
悪くはない。
でも、物凄く良かったわけでもない。
それなりに楽しめました。

ただ、物語大きな流れが、ナレーションによる解説によって進むのが気になります。
そこの部分を登場人物によるものにするだけで、随分と違ったように思うのですが。
特定の人物の視点にしたくはなかったのでしょうか。
「男たちの」大和、だから?
あるいは、客観的な事実として入れたかったのか。

戦争の悲惨さを伝えるのに重要である個人個人の背景は、
無茶苦茶な感動はないが、じんわりくるものがある。
戦闘部分では容赦なく撃ち抜かれる兵士達の鮮血が壁や床に飛び散る。
仲間の飛沫に顔を汚し、怯えながらも弾丸を補充する姿や、
銃創に口を歪めつつ、勇猛に振る舞う戦士達が胸にくる。

戦争が薄れて久しく、「俺だったら上手くやる」みたいな、
戦争をゲーム感覚で考えるような若い人間には、
こういう風に、ほとんど運でしか生き残れない実際の戦場を観ることは、
少なからず影響を与えると思う。
出来れば原爆投下の場面もしっかりと入れてほしかった。
個人的な要望ですが。
戦争はダメだ、ということをよりリアルに掴んだ後、
出来れば戦争前後の知識も養っていただきたい(俺もあんまり知らないけど)。
そこはほんとは、学校で教わらなきゃいけないはずなんだけどね。

セリフで印象に残ったのは、曖昧ですが、死にに行く意味を問われて、
「負けて目覚める。それより他に日本の取るべき道はない。目覚める日本の礎となって散る。本望じゃないか」
という感じのものと、
ミスした者が名乗りを上げず、連帯責任になりそうになったところで挙手した者に、仲間が後から言う言葉、
「責任を取るのは、本人か全員かじゃ」

高校野球の不祥事でよく聞かれる連帯責任だけど、
なるほど、受ける側にそういう意識がなければ、連帯責任としての意味は、あまり無いのかも知れない。
DVD 東宝 2006/08/11 ¥6,300

(ネタバレ注意)

正直なところ、期待はずれだった。
というのも、自分はこの映画に笑わせてもらうことを期待していて、
コメディとして観ていたからだ。
最初の掴みで笑ったし、途中(特に西田敏行さんのところ)でも、いくつかは笑えた。
だけど、待てども暮らせども、全体的にちっとも笑えない。
「ああ、登場人物が多いから、まずは観る方に把握させるのだな」
と、最初の内は思った。
ひたすら待って、そして中盤を過ぎ、後半に入ってからようやく気づいたんです。
この映画は、コメディの匂いを纏ったドラマなのだと。
ドラマをコメディ仕立てにするんじゃない。
あくまでコメディ風味のドラマなのです。
気付いたのがあまりにも遅すぎた。
そのせいもあって、結局この映画は自分にとって全く面白くなかった。

作品の一つの売りとして、多くの登場人物が、同じホテル内で、時間軸を平行して絡み合う作りになっているのだけど、それも自分にとってはあまりプラスの評価にはならなかった。
とにかくキャラクターが多すぎる。
あっちこっちに話が飛ぶのにまずイライラする。
飛んだ先でこれといって笑えることもなく次に飛ぶ、の繰り返し。
ドラマとしてみても、人物が多すぎるせいで一つ一つが浅いように思えるし、
どれを取っても中途半端。

出演人が豪華なのも、それが仇となっている。
出番の少なかったりあまり目立たないポイントのキャラクターが、
存在感のある個性的な役者達によって、(キャラとして)大した事してないのに、きっちり頭に残ってしまうという、全体的な浅さを引き立たせてしまっているように感じました。
(もう自分で何を書いているのかわからなくなってきましたが)

とにかく、自分にとってはあまり面白くはありませんでした。
Amazonでの評価の高さを見ると、なんだかこちらがしっかり観てなかっただけかもと思えてきますが。
あくまで個人的な感想ですので。

アマデウス

2006年8月19日 映画
DVD ワーナー・ホーム・ビデオ 2003/10/03 ¥1,575

(ネタバレッっかもしれないから注意)

超有名作品。
自分はVHSで見ました。
ディレクターズカット版を観る勇気がなかったので(上映時間3時間)、
普通の方にしときました。
でも、見終わった後は、ディレクターズカット版にしとけば良かったと思いました。

モーツァルトの死因は推測で150ほどもあるといわれていますが、
要するにはっきりとしてないわけですね。
まあ、ある程度はっきりと死因がわかっている歴史上の偉人達も、
後に小説とか映画でいじられたりするのであんまり関係ないですが。

作曲家サリエリ。彼が晩年自殺を図り、神父に対して、自分がモーツァルトを殺したのだと話す。
回想形式で進んでいく物語。
モーツァルトに対する嫉妬、羨望、侮蔑、憧憬、理解、プライドという、相反する様々な心情の葛藤に苦しみながら、彼と接していく。
その中で、サリエリはモーツァルトに対して、とある陰謀を抱くようになる。
それはモーツァルトに対してのものだけではなく、神に対しての挑戦だった。

自分はクラシックについての知識はほとんど無いのでいまいちよく知りませんが、
サリエリという作曲家は、当時ではかなり喝采を浴びた名作曲家だったようです。
しかし劇中、年老いたサリエリが若い神父に自分の曲を弾いて聴かせてもさっぱり知らないというように、時代と共に彼や、彼の曲の存在は忘れ去られていきました。
しかし、モーツァルトの曲は生きていたのです。

自分が凡人であるということ、そしてどうしようもなく超えがたい、真の天才という存在。
誓いを立てた自分には凡庸な才能しか与えず、甲高い笑い声を上げる軽薄な人間に溢れんばかりの能力を授けた神。
サリエリの胸は去来する清濁の感情に飲まれる。
特に彼を苦しめたのは、モーツァルトの曲の素晴らしさを、誰よりも深く感じ取り、理解してしまえたことだろう。
一方でモーツァルトを憎み、一方で彼に心酔しているのだ。

二人の接し方、特にサリエリを見ていて思えるのが、その微妙な距離感。
数多くの演奏シーンの心地良さに加え、その心の機微、心理のやりとりが面白かった。
ディレクターズカット版では、追加されたシーンによって、二人の関係をさらに深く観ることが出来るそうで、いつかはゆっくり鑑賞したいと思っています。

あと、サリエリの曲も聴きたくなってしまって、
そっちもいつかCDを購入できたらと思っています。
DVD ハピネット・ピクチャーズ 2002/08/25 ¥3,990

(ネタバレ注意。)

以前フジテレビにて放送された4話のオムニバス作品。
これらの作品は結構完成度が高くて、特に「アサギの呪い」はトラウマになった人も少なくないという。
自分もあれ以来もう一度見たいという欲求に駆られていたのですが、
あったので、借りました。ふぅすっきり。

一話目の「恐怖心理学入門」は、監督が「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」の矢口史靖さんということもあって、全体的にコメディタッチ。
主人公は大学のゼミで、「人は暗示によって幽霊を見るか」という実験に参加。
サクラとなって級友たちに暗示を仕掛けることになるが、次第に自分の周囲で不可解なことが起こり始め……。
なんと言っても最後のあのオチでしょう。二段オチの二段目。
母親は大笑いしていましたが。

二話目の「アサギの呪い」。
三人仲間の内、二人が一人をからかうために今ではもう使われていない旧校舎の一室へ連れ込んだ。
しかし帰ろうとしたときに、扉が開かなくなってしまう。
そこは昔、夏休み直前に扉を閉められたまま忘れられたアサギという女子生徒が、夏休み後にミイラ化して発見された部屋だった。
途方に暮れる三人だが、地下へ続く階段を見つけて、一人がそこから外へ繋がる出口を探そうと言い出す。
見回りの先生が来るまで待とうという二人の制止を聞かず、
強引に二人を誘って地下へ入っていく。
そして仲間の一人が取り憑かれたように「生きては帰れない。アサギのように」と口走り、服を引きずって歩くおぞましいモノに殺されていくという話。

これは大変ショックな話。
怖さを増幅させているのは、話の全体像を詳細に説明しないこと。
旧校舎の地下に何故あんな迷宮のような場所があり、なんのために使用されていたのかとか、あの怪物は何者なのか、とか、そういった背景が説明されていない。
加えて、全員襲われて(しかも親指で目を潰されて)死んでゆくところが、
「なんじゃあこりゃあぁあぁ」
という思いを胸に膨れさせた。
最後のカットも、襲われている少女達とは裏腹な、何気ない朝の登校の一コマという対照的で救いのないものだったのが印象に残る。

第三話「ドロップ」。
まあオムニバスに一つはある感動物語。
昔は何ともなかったけど、見直してみてちょっと胸にきた。
「悩んでいると、周りが見えなくなる」
なるほどねぇ。
どれだけ可能性があっても、分厚い雲に隠れた太陽のように、その輝きを見失ってしまうわけですよ。
ちなみに俺もカーブを投げるけど、どっちかって言うと、このドロップに近いのかもしれない。

第四話「おぞけ」。
これも印象に残っている。気持ち悪い系の話。
あまり周囲と交流を持たない、几帳面で生真面目な中年女性教師が、若手の先生グループとちょっとした交流を持つ。
しかし直後に中年女性教師は病死。
若手グループは葬式へ出席するが、二日目は出ずに遊びに行ってしまう。
そこで話題となっているアトラクションに乗ったときに、気味の悪い映像を見てしまう。
それ以後、グループの人間が一人、また一人と死んでしまったり、行方が知れなくなってしまう。
主人公がネットで異変の理由を調べると、そこには……。

とにかく何が印象に残るかって、最後のあれでしょ。
顔。昔見たときは口が開いて血が出たように覚えているんだけど、
見直してみたら普通に血が出ただけだった。
どっちにしても、気持ち悪いんだけどね。
おぞましい。
DVD ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2006/07/28 ¥3,980

(ネタバレあり。注意)

ジャーヘッドとはアメリカの海兵隊の事で、刈り上げた頭がジャーに似ているから、というのと、空っぽの頭、と言う意味があるらしい。

この映画は戦争映画なんだろうけど、全然戦争映画っぽくない。
実話を元にしているということで、「ロード・オブ・ウォー」のように、興味を刺激されて観ました。

主人公が軍隊に入って訓練を受け、湾岸戦争の実地に派遣され、待てども待てども実戦が起こらず、ようやく始まったかと思ったら味方戦闘機から誤射されたりして、結局一発も撃たずに戦争が終わった、と言う筋書き。

軍隊にいる最中は、主人公の悩みや漠然とした毎日と平行して、俗っぽい兵隊達のアホッぷりがこれでもかと描かれる。
軍隊というのは組織の構造や規則からして、そもそも物事なんかまともに考えられなくするようなところだけど、元々物事なんか考えないような人が多くいると言うことも、決して間違いではないのかもしれない。
何にしてもいろいろな人間が集まるのは間違いなくて、主人公はそういった連中と、一定の距離で接していく。

クリスマスに、禁止されている酒を秘密でみんなに回して馬鹿騒ぎをして(戦地なのに)、結局派手に見つかって罰を受けたり、プライベートな話や女の話で盛り上がったり、修学旅行かよ!
と言うようなノリ。
女と離れて暮らしているせいで、彼女の写真を使って自慰にふけったり、その女が他の男に走ったりして落胆したり、男のアホな部分を集めた映像がいっぱい見られる。
(でも自慰にふけるのはしょうがないだろ。これは)

戦争の部分においては、例えば味方に誤射されたり、避難中と思われる車の群れや人なんかが黒こげで炭みたいになってたり。あちこちの石油を燃やされて空が黒く覆い尽くされ(もったいない)、黒い雨が降ったり。
轟々と、しかし寂々と噴き上がる炎、それに淡く照らされた、波打つ砂肌のコントラストとか。
ようやく狙撃の任務を与えられて撃てるかと思ったら、爆撃するから中止っていわれて、「頼む、一発でいいから撃たせてくれ!!」なんていって上官と揉み合ったり。

興味深いというかなんというか。とにかくまあ、普通の戦争映画とは違った視点で楽しめます。
だから爆発でドーン!!とか、銃弾でダダダダダッ!!とか、
そういうのを期待している人には向かないと思います。
あくまで舞台裏です。戦争に行って、一発も撃たなかった人達の。

(この作品のメッセージ性などに関しては、Amazonでのレビューで素晴らしい内容のものが2,3ありましたので、そちらをお勧めします。「全ては不毛の砂漠の中に」「幼稚な国家」)
(便所の肥溜めに軽油を入れて燃やすシーンは、見てるだけで臭くなる)
DVD ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2006/07/19 ¥4,179

(ネタバレあり。注意)

実話を元にした話だそうです。
個人的にはあまり怖くありませんでした。
エミリー・ローズという女性がある日を境に悪魔に取り憑かれたかのような恐ろしい体験を周囲に話し、医者の治療を受けるが一向に良くならない。
彼女は教区の神父に頼んでみてもらい、悪魔祓いの儀式を受けるが、失敗。
結局その後死亡してしまう。
神父は警察に過失致死罪で起訴されることになるが、敏腕弁護士が弁護を引き受けることに……。
と言う流れ。

映画はエミリー・ローズが死んだ直後からスタートし、女性弁護士をメインにしながら裁判へと展開していく。
裁判を有利に進めるために資料にあたったり人と会ったりしながら、
実際に法廷で検察側と戦っていく。
エミリー・ローズに関する過去の話(映像)は、全て回想、つまり、
人の口から過去を証言するという形で出てくる。

例えば「リング」にしろなんにしろ、ホラー映画というのは大抵、主人公(を中心とした周囲)が当事者として体験する。
それはつまり見ている側にとっても、その心霊・恐怖体験が「真実」であるというほとんど疑いようのない事実として追体験するのであるが、この映画に関して言えば、はっきりとそれが本当であると、断言できない。
エミリー・ローズの狂気の様を見ている人はいても、
本当に彼女は悪魔に取り憑かれていたのか、定かではないのです。

映画が進むにつれ、女弁護士や神父などにも、じわりと悪魔の影が忍び寄っているような描かれ方がされている。
しかしやはり、それも本当に悪魔なのかはわからない。何らかの偶然であったり、あるいは自分の心の弱さなのかもしれない。
この映画は悪魔の存在を(そしてその対極にある存在を)断定しない。
作品の構成の影響も当然あるのでしょうが、こうした部分がこの映画の恐怖を薄めてしまっている理由だと思う。
(全く怖くなかったわけではないです。一応)

ではなぜそういう作りにしたのか。
それはまあ、観てもらって感じてもらうのが一番なんでしょうけど(それを言っちゃあ……苦笑)、
結局最後のエミリー・ローズの手紙に要約されていると思う。
あれがこの作品の全てなのです(その際に、エミリー・ローズの経歴も加味されるべきでしょう)。
この映画のタイトルが「エミリー・ローズ」という訳。
それが、わかると思います。

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(個人的にこの映画で興味深かったこと、というか、興味を惹かれまくったのが、(ワン・ツー・スリー・フォー・ファイブ・シックス)という繰り返し出てくる言葉。この意味を知ったとき、きっとファンタジー大好きな人間は「ワォ!」と感動の声を漏らすと思います)

(あと、確かこの映画だと思ったんですが、「午前3時」の意味するところも初めて知りました。キリスト教圏の、特にホラー映画では、おそらくこの「午前3時」は重要なんでしょうね。後々「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」も観たんですけど、やはり「午前3時」が出てきました)

モリマン怖いよ。

2006年8月14日
山崎vsモリマン。
自分は、ちょっと最近のはあまり笑えない。
どうしても山ちゃんの負け方がわざとっぽく見えてしまって。
もちろん勝ったらダメなんだろうし、
やられる様を笑うのだろうけど。
今でももちろん、笑いの神が降臨したような奇跡的な展開やハプニングには笑うし、
自然なやられっぷりは面白いが、
そこにわざとっぽさが見えてしまうと急激に萎えてしまう。

慣れとは怖いね。
マンネリという怖さ。

スクールデイズ

2006年8月12日 映画
DVD ポニーキャニオン 2006/07/05 ¥4,935

(ネタバレ注意)

売れっ子天才子役として名をはせた主人公は、
「普通の子供に戻りたい」
と言う理由で惜しまれつつ芸能界を引退。
しかし普通の子供に戻った彼を待っていたのは、
イジメなど、全然いいことのない日常だった。
再び芸能界に戻ることを決意した主人公は、
人気学園ドラマのオーディションを受け、合格したのだが……。

主人公は先生役の俳優に尊敬と憧れの念を抱き始め、
ドラマにのめり込んでいく。
主人公のドラマの役はいじめられっ子。
実際の惨めな自分とほとんど変わらない役柄を与えられた彼は、
次第に現実とドラマの世界が強く結びつき始める……。

とにかく、ドラッグムービーでもないのにトリップ具合が凄まじい。
映像表現がぶっ飛んでいる。
なんだこれは。これはなんだ。と言う感じ。
漢字がぺろぺろと立ち上がって歩き出すところには笑った。

こういった通常の実写映画とは一線を画す独特の、
サイケデリックでコミック調な表現を前面に出すのは当然、
作品自体の性質もあるが、主人公の錯乱っぷりが大きい。
それを表現するのに必要なものなのだが、
じゃあなんで主人公はそんな状態になってしまったのだろうか。
母親の言葉を借りるならば、
「作品にのめり込みやすい。ノイローゼになった過去がある」
ということだろう。
しかし、この作品の最後、主人公の呪縛から解き放たれたような、
普通の、全く清々しい笑顔を見てほしい。
彼の顔があの綻びを発揮する前には、決定的な場面が描かれている。
そこを経ての、あの笑顔である。
つまり、彼をそういう性質にしてしまったのは、彼の身の回りの環境、
特に、家庭環境が大きな要因だったのです。

子供の頃も仕事が忙しく学校へはろくに行けず、両親の仲はあまり良くなかった。
学校生活においても家庭においても心の逃げ場が全然無い。
彼はドラマに没入するしかないのです。
そして学園ドラマと現実の学校生活がダブってしまったことによって、
より、そういった部分を助長してしまった。

両親がどうしてああいう状態になったのかは、
自分の低い読解力ではわかりませんでした。
もしかしたらみんな、逃げ場がなかったのかもしれない。

前半から中盤にかけてテンションの高い演出が続くが
話自体は(個人的に)ずいぶん重たくて参りそうになりました。
でも後半からは、ある意味吹っ切れて、そこそこ楽しめました。

と言うことで、全体的にはまあ結構面白かったです。
DVD ジェネオン エンタテインメント 2006/08/04 ¥3,990

(ネタバレ注意)

ウッチャンナンチャン内村光良の初監督作品。
出演者はテレ朝の「内村プロデュース」メンバーをメインにした配役。
全体の空気から内村プロデュースを感じてしまうが、それはメンバーがメンバーだし、内容もコメディタッチなので、どうしようもない。
慣れてしまえば、途中からは全然気にならなくなる。

内村光良はかつて草野球チームピーナッツで、伝説のサードと呼ばれていたスポーツライター。
優勝したピーナッツを描いた「たかが草野球」でデビューするが、今は極度のスランプに陥っていた。
その状況を打開しようと、地元へ戻ってきて、ピーナッツのメンバーと再会していく。
しかし今のピーナッツはかつての栄光には程遠い状態。
そして町には、再開発の計画が持ち上がっていた。

商店街の寂れ方や再開発の話などを見る限り、決して悪い話じゃない。
実際、商店街の中には再開発に賛成する声が多く観られる。
しかし主人公の周囲、ピーナッツの現・元メンバー達は、基本的には再開発に反対している。
これはどういう事かというと、結局、昔の夢・栄光・思い出、そういったものと、現実的な部分における実際的な問題、その狭間の葛藤なのです。
ピーナッツのメンバー自身も、反対だと言いながら心の中では迷っている。
再開発も仕方がない、と言う気持ちがどこかにある。
それでも反対してしまうのは、やはり人間のどうしようもない情の部分でしょう。

商店街のトップを務めているピーナッツの監督が、都市対抗優勝チームと賭け試合をしようと決めたのも、再開発やむなし、と言う気持ちがあったからでしょう。
でも、ただでは引き下がりたくない。
それなら昔の輝かしい思い出であるピーナッツとしてぶつかって、散る。
むろん真剣勝負で勝ちに行く。そして全力で戦ったその試合で負けることによって、きれいさっぱり、心機一転、新しい道へ心おきなく踏み出せると考えたのでしょう。
試合が終わった後、メンバー達は全然悔しそうじゃなかった。
最後まで強く反対していた三村も、試合の目前になった時、覚悟を決めていた。

あの試合でもし勝っていたらその後どうなったのか。
それはわからない。
けれどもしかしたら、やはり再開発の話を受け入れていたのかもしれない。
そんな気も、してしまうのです。

(しかし観ていて思ったのは、ウッチャン野球好きなんだな、と言うこと)
(あと、スランプで悩んでいたときの、メジャーじゃない、メジャーなものを書く、と言うセリフ、最後のスタッフロールでなるほどと笑ってしまいました。ウッチャンらしい笑い)
(それと、テーマ曲の「君の中の少年」は素晴らしいです。歌は下手だけど)

燃ゆるとき

2006年8月12日 映画
DVD 角川エンタテインメント 2006/07/14 ¥4,935

(ネタバレあります)

経済小説という分野で活躍する高杉良さんの映画化二作目(?)ですかね。
確か。
「金融腐食列島・呪縛」は以前観ましたが、専門用語とかいまいちわからなかったですけど、スリリングでとてもワクワクしながら食い入るように鑑賞したのを覚えています。
とくにミドルの社員達の格好良さに惚れ惚れしました。

さて、本作は金融腐食列島と比べても、お金はそれほどかかっていなさそうですし、ストーリーにしても、なんだか中途半端な感じがしました。
でも出演者は豪華なんだよなぁ。

アメリカでカップヌードルを販売しているサンスンは、売り上げに苦しんでいた。もし赤字が続けば、撤退を余儀なくされる。
そこへ中井貴一が派遣され、現地の幹部と議論しながら立て直していく。
しかし、こんどは企業買収の魔の手が……。
と言う展開。

話自体は胸を打つものがあるのだけど、とにかく全体的に中途半端な印象が付いてしまう。
まず会社が立ち直っていく経過なんだけど、企業の外、つまり市場(消費者)の様子がわからないから、いまいち感慨というか、実感に欠ける。
主人公と家族だったり、あるいは同僚達との間の問題があっさり解決されすぎている。
など。
こう、ぽんぽんぽんと話が進んでいくので、なんだか、ひとつひとつが浅く感じてしまう。

だけど、後半に入り、セクハラや企業買収、ユニオンの問題になってきてから、この映画の本質の部分が見えるようになってきて、見終わった後、後味はなかなか良いものとなっている。

今回のような決着の仕方は希だと思うし、もっと世界は恐ろしいところだとは思うんだけど、それでも昨今、ライブドア堀江元社長や村上ファンド問題などで問われた、会社とは誰のものか、とか、何のために働くのか、とか、そういったものに、ある一つの答えを提示している。

いやしかし、中井貴一さんはやっぱり凄い。
DVD ビクターエンタテインメント 2005/03/24 ¥6,090

今まで書けなかったサムライチャンプルーの感想を一気に。
(ネタバレとかあるかもしれないから注意。)

七巻は前後編。
ムゲンの過去に絡んでくる話で、今までや今後の彼の行動や考え方を理解する上で、
ある程度参考になる話。
最後、あそこで斬らなかったのは、斬りたくなかったのか、斬れなかったか、あるいはそういう人生を生きていけという仕打ちだったのか。
彼女の「殺してよ!!」という言葉も、考え方によって色々捉えることの出来る、
何とも言えないモノだった。
ムゲンが死にかけたときの、死の淵の表現も面白かった。
「紅の豚」を思い起こさせた。

八巻。
十五話は忍者の話。女忍者と色情に狂ったムゲンによって、再起をかけた集団がボコボコにされるという話。コメディ色。
くノ一声には日高のりこさん。やっぱりいいなぁ。日高さんの声は。キャラクターにも合ってたしね。
十六話はアイヌの話。これは前後編で、次巻に続く。

九巻。
十七話。アイヌの追われ人の後編。
ちょっとしたことでまた喧嘩になって別れることになった三人(ジンは少し困っていたけど)。そこに謎の男と追っ手とが絡まって、三人は巻き込まれる。
これもシリアスな話。
十八話はギャグ色の強い話。
でも俺はやっぱり笑えなかった。どうもこのアニメの笑いのノリは合わないらしい。

拾巻。
十九話目はキリシタンの話。
これもはちゃめちゃな展開の話なのだけど、やはり少しも笑えなかった……。ザビエル三世の目がいっちゃってるし。
二十話。
これはチャンプルーの中でも印象に残る話だと思う。
この話も前後編なんだけど、いままでが偶然巻き込まれた話なら、
今回のは相手の方から仕掛けてきた話。
とにかく盲目の彼女の強いこと強いこと。今までほとんど敵無し状態だったジンやムゲンが、全然太刀打ちできない。

拾壱巻。
二十一話。また、彼女によって三人がバラバラになりそうになると言う部分も含めて、今までにはない衝撃。
で、その彼女すら恐れるひょっとこの仮面とは一体何者なんだと思わせる。
いよいよ旅も終わりに近づき、話が動き出す。
二十二話。
この話はややオカルトがかったホラー(?)。

拾弐巻。
二十三話。日米野球。時代はいつなのかわからないけど、たぶん史実を無視してるんだろうなぁ(笑
限りなく薄いけど、無くはない話っつーことで。
で、相変わらず無茶苦茶。
さて、二十四話。
ここから次の最終巻まで、三話連話。
ムゲンを狙う三人と、キリシタンを抑えようとする権力、そして三人が集う。
フウが一人で行くことを決意し、ムゲンとジンの前には強力な敵が現れる。

拾参巻。
二十五話、二十六話。
ジンが「神の右手」(だったっけ?)を相手にしている間にフウの元に向かうムゲン。途中狙ってくる三人の一人を斬る。
フウは「ひまわりの匂いのするお侍」のところへ駆けるが、ムゲンを狙う内二人に捉えられる。
ムゲンはフウの元へ駆けつけ、彼女を行かせ、二人と戦う。
極限状況を生きてきたムゲンの生き様を語り、斬るが、爆発に巻き込まれる。
一方のフウはついに「ひまわりの侍」と合う。虫の息の彼とようやく、今まで交わせなかったわだかまりを話す。
しかしジンを斬った「神の右手」によってすぐに別れがくる。
関係者の抹殺を命じられている彼はフウをも追う。逃げるフウ。
再び死の淵にたったムゲンと、傷を負ったジン。
二人もまた、駆けつける。

この作品に関して言えば、本当に最後、ムゲンとジンは斬り合うのかと、はっきりわからなかった。それくらい今までの展開でシビアなものも多かったし。
しかしやはり、二人の間の斬り合う約束は、途中からお互いの生を願うという意味になっていて。
フウも目的を達成するための道連れというよりは途中から仲間としての三人として約束を口にするようになっていったというか。
面白いのは、途中何回も別れることになったのに、結局最終的には目的を果たすまで三人は元通りになったと言うこと。
これをどう捉えるか。
最後、それぞれ別の道を行くことになるのだけど、果たして以後会うことがあったのか、全然会わないまま終わったのか。
何にしても、各々得るものは大きかっただろうなぁ。
あとひとつ、このアニメは、普通の侍ものと比べると、取り上げる題材がユニークだった。
主人公がそもそもアウトローだから、あってるっちゃああってるのかもしれないが。

なんかまとまらないけど、終わり。
(そういえば気になるのが、序盤で出てきた殺し屋。あの人、結局出てこなかったような……?)

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