ZOO

2006年4月28日 映画
DVD 東映 2005/08/05 ¥3,990

(ネタバレ・有ルマーニ)

バックホーンがエンディング曲を担当すると言うことで特別気にしていた作品。
乙一氏の小説も最近読む機会があって、「さみしさの周波数」の、まだ一番最初の短編しか読んでいないんだけど、もう、素晴らしい。
未来予報という作品なんだけど、それはそれは、フリーターの、人生の敗者的心情を見事に書いていて、まるで俺の気持ちを代弁してい、おっと……ごめんなさい。鬱になりたい人は読んで下さい。
話がそれましたが、乙一氏原作のオムニバス映画です。

わけわからんのから、わかりやすいのまで。
「カザリとヨーコ」の話は切ない。主演の小林涼子だっけ?彼女は末恐ろしいね。
「SEVEN ROOMS」、この話が一番好きかな。一番ではないか?
ハリウッドとか、そこら辺の映画にごろごろしてそうな設定だけどね。
市川由衣嬢の色香が香る。俺よこしま。子役の子は良かったねー。
「SO-far そ・ふぁー」は、神木君につきるでしょ。話としては、どんでん、大どんでん返しみたいな、そんな感じだけど、別にそこはどうでもいい。神木君でしょ。
昔少年愛というものがあったらしいけど、そら、こんな子がいたらそういうことにもなるわな。
「陽だまりの詩」。アニメーション作品。これも設定はありがち。ただ、切なさはぐぐっと込み上げてくる。このオムニバス中、一・二番を争うかなぁ。
「ZOO」。表題作。だけど、一番わけわからんかったなぁ。
じっくり考えてはいないんだけど、ちょっとわかりにくい。
こういうわからんもんを考えて、自分なりの解釈などを提示していければいいんだけどね。
俺はダメ人間だからね。行間読めない人間だし。
最後のバックホーンの歌が、ちょっと音量小さくなったのは残念。
でも、やっぱいい歌だなぁ。
映画で使われると、絶対カットされるよなぁ。最後の方。

全体的に、佳作ぞろいといったところかなぁ。
俺が偉そうに何をいっとるんだ、って感じですが、
まあまあ楽しめました。

あそこの席

2006年4月28日 映画
DVD ジェネオン エンタテインメント 2005/12/02 ¥3,990

(ネタバレ?あるんじゃね?)

原作者の山田悠介と言う人は、とにかくタイトルをつけるのが上手い、と思っていた。
タイトルが良ければ、当然手に取られる確率も高くなるし。
彼の小説に対するアマゾンレビューの評価は、あまり良いとはいえないですが、
彼の作品自体は、以前ちょっとだけ立ち読みした程度なので、一体どんな感じなのかはわからない。
ただ、小学生でも読めるようなやさしい文章だったので、
小説に特別なこだわりがない方には手を出しやすいのかもしれない。

さて、この映像化作品ですが、テレビのスペシャル番組並みのレベルです。
話も、途中までは、まあ、まあ何とか楽しめましたが、最後のほうは、
なんだかなぁ、っていう感じで、失笑しながら見てしまいました。

まあ、若い役者やタレントさんたちに演技の場を提供すると言う意味では、
価値があったのかな?

主演の阪田瑞穂嬢は可愛らしかった。
細田よしひこ少年の演技も見るべきところがあった。
いつも思うのだが、役柄とメイキング時のギャップに驚く。
というのは、全然違うからで。浅香友紀さんが今回そうだった。
さて、個人的に一番気になったのが、小松愛嬢。
愛と書いてめぐみと読むらしい。
なんかこの子どっかで見たことあるよなー、どこだっけなー、
なんて考えてみたが、結局わからなかった。
春○まいと間違えたかな
決して抜群にルックスが良いわけではないのだけど、
気になった。メイキングの時の、「やる気満々」にもやられた。
声はほんとに特徴あるよな。
いいなぁ。
DVD ポニーキャニオン 2005/08/19

がっくり君。
DVD バップ 2006/02/22 ¥5,040

「スウィングガールズ」が徹底して楽しさを追い求めた痛快エンターテイメントならば、
この作品は初々しさや瑞々しさや痛々しさを表現しきった極上青春(ちょい笑)映画だ。

山下敦弘監督独特の空気感や笑いの要素を残しながら、
この作品は青く青く青く、とても広くて寂しげな、
まさに少女たちのバックにしている空そのものなのだ。
この映画を観ていると、あまりの生々しさに当時の映像がひとりでに浮かんできてしまう。
ノスタルジーがフィルムに溶け込んで、
この素晴らしい作品と一緒に、自分の過去まで再生されるのだ。

映画、いっときゃよかったよ……。

(ネタバレあるかもよ)

山本剛史さんの場面には笑った。いいなぁ。あの演技。
あーいう役をやらせたらほんとに最高だよね。
あと、一番笑ったのは偽ラモーンズとピエール瀧(笑
瀧がチラッと、ヨッって(笑
香椎さんとローレライ繋がりだし。
ペ・ドゥナも、いいね。
喋り方や表情や。
韓国女優って、仰々しくコミカルな感じの演技は目を見張るものがあるような気がする。
関根嬢、ちょっと聞き取り辛かったり慣れてない部分もあったけど、
結構良かったよ。
淡々とクールな、でもちょっと感傷的な少女をやりきった。

しかし山下監督って、本当にROCKが好きなんだなぁ。
DVD ビクターエンタテインメント 2006/02/08 ¥3,000
サニー
空、星、海の夜
幾千光年の孤独
砂の旅人
世界樹の下で
涙がこぼれたら
未来
光の結晶
生命線
花びら
アカイヤミ

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朝にバックホーンのプロモ集を見る。
バックホーン=若き日の思い出であり、
あの頃の記憶を脳裏に映しながら鑑賞した。
やっぱり「サニー」はかっこいい。
ベースは平林さんかな?
あれ? 平林でよかったよね、元ベースさんの名前は。
とにかく栄純と将司さんと平林さんがダンスしてるみたいにぴょんぴょんと(笑

「空、星、海の夜」は紀里谷監督によるもの。
体の彩色とか、栄純が首ガンガン振ってるところとか、
オリコンのトップテンチャートしか興味の無い人が見たら、間違いなく引く(笑
でもテメーらわかってねーな。
無難にまとめたものなんかより、ここまで突き抜けてくれてた方がカッコイイ。
気持ち悪さとかっこよさは、紙一重なのかな。
これを見ると、NHKのポップジャムでのライブが思い出される。

当時「世界樹の下で」のプロモを見た友人が、
「なんか解散の話とかしてそうなPVだった」
とかいってて、未見だった俺はとりあえず必死に否定しといたけど、
今回見てみて、確かにその通りだった(笑
言い得て妙。なんかすごい解散の話とかしてそう。
「もう俺たちダメなんじゃね?」的な行き詰まり感が出ていた(笑

「光の結晶」は、間奏における岡峰さんのベースと、栄純のギター。

「生命線」は、バックホーンの楽曲の中でもかなり好きな方。
映像も、結構スピード感があり、凝った映像になっていて、好きだなぁ。

この「花びら」か、「夢の花」のどちらかを将司さんが撮ったはず。
「花びら」は割と上手く出来ていると思う。

「アカイヤミ」は未見。

最初の頃の狂気を含んだ将司さんの顔とダンスはやっぱりいいなぁ。
栄純は昔も今もおっさん面やね(笑
岡峰さんは短髪の方が似合ってるね。
やっぱり途中から四人揃うと、こうじゃなきゃ、と思える。
松田さんはドラムだし、派手なアクションは出来ないけど、注目してしまう。
歌詞やメロディにやはり、ハッとさせられるというか、すごいなぁと思ったりする。
栄純、いろんな本読んだりしてんのかなぁ。
曲の世界観というのが、はっきりとしていて、そこは本当に、素晴らしい。
一つのお話を聴かされるみたいで、頭に映像が浮かぶし、
だから多くのアーティストにも支持されるんだなぁと思う。

ああ、しかし、頭痛い。
DVD ハピネット・ピクチャーズ 2002/08/02 ¥4,935

(ネタバレ、あるかも)
ナンバーガールがインストで参加しているというのと、
宮崎あおいが出ているということで前から見たいと思っていました。
夜中にやってたんですが、大体後半くらいから見ました。

これは勝手な見方をさせてもらえれば、
「不幸な人には不幸が寄って来る」というのの見本的な内容かな、と。
不幸な人、というのは、不幸な考え方を持った人、とも言えます。
後半から見たので少女の家族のバックボーンとかはあまりわかりませんが、
とにかく不幸の連鎖って感じです。
親があれだと、当然その子供もああなるよな、みたいな。
幼少期の環境というのは、子供の精神の形成に関連してきますし、
また、子供にとってその環境を大きく変えることは困難です。
子供だけが道を逸れるならまだしも、
親があれではもうこの先どうしようもないような感じがします。
映画の最後も、ほんとに、不幸一直線!!って感じでしたし。

話の中では、立ち直っていく事ができるような、
きっかけになるようなポイントが幾つかありました。
しかしそのいずれの扉も、脇目で見て、少女は通り過ぎました。
不幸な人には、なぜ自分が不幸なのかを考える前に、
この映画を観て貰いたいと思います。
ああ、不幸は自分自身が作り出しているのか。
と、実感できるのではないでしょうか。(実感した)

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古畑任三郎。
イチローは意外と演技良かった。
どっちかというと、向島(小林隆)さんの演技の方が、
あまりよろしくないように見えてしまった。
内容は、一夜目の方が、圧倒的に面白かった。

一夜目の藤原竜也氏。
なんか、舞台のような仰々しい動作・セリフで、大根のようにも見えてしまいそうになったけれど、でもやっぱり素晴らしい演技をされています。
舞台が多いからなぁ。
内容はとても面白かったです。
DVD ジェネオン エンタテインメント 2005/04/02 ¥4,179

とても素晴らしい。
俳優の演技も、音楽も、撮影(照明?)も、カットも、とても素晴らしいです。
とにかく、観ていて時間が気になるようなことも無く、ほとんど最後まで一気に観れちゃいました。
これは自分にとっては重要な事です。
サントラ、買おうと思います。
DVDも、そのうち買おうと思います。
公開当時から面白そうだとは思っていたんですが、ああ、映画館で観れば良かった。

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本屋で立ち読みをする。
ニュートンのブラックホールに関する本が出ていて、欲しい。
同じくニュートン12月号では、太陽に関する特集。欲しい。
物欲の塊です。
以前から、苦手な数学を一からやり直したいという思いがあって、色々眺めてみました。頭痛がします。
語学に取り組みたいと思って眺めています。
今のところ、英語か、あるいはハングルか。
どちらかにしようと思っています。
どちらにしても、まだ先だとは思いますけど。
DVD ジェネオン エンタテインメント 2005/04/01 ¥4,935

観ました。
ガッカリです。
(ネタバレ有り尾)

経営危機の病院。
備品も底をつき始め、看護士の首を数人切ったものの、
給料の支給は遅れ、院長とは連絡が取れなくなっている。
病院に残った医師たちは皆、キャパシティ以上の労働量を強いられ、
疲弊しきっている。
しかも看護士や医師の中には、能力的に不十分な人間もいるという体たらく。
そんな中、感染症の疑いがある患者を救急チームが運んでくる。
病院の医師・秋葉は、余裕が無いと言って受け入れを拒むが……。

この映画はタイトルの通り、幽霊とか言うよりは、
病院の持つじめじめとした嫌な部分のイメージで全体の雰囲気を作り、
感染症の恐怖を主軸にして流れていく。

一つ言えるのは、退屈はしない。……語弊があるかなぁ。
ハリウッド産のパニックムービーやアクション映画のように、
次から次へと話を展開させたり場面を切り替えるため、
停滞する事が無い。
だがしかし、その内容は、不快極まりない。
言ってみれば、急流でうねりの激しい川に小船か何かで放り込まれて、
あっという間に下流に流されてしまうという感じです。

基本的に、グロさで勝負してます。
いや、それ以外の恐怖描写もあります。
例えば、物を拾おうとして人物がしゃがみ、再び立ち上がる。その流れをカメラが追うんだけど、誰もいなかったところに、立ち上がった時には人がいる、みたいな。
何となく次来るなっていうのがわかるんだけど、わかるから逆に驚きも増してしまうのかも。
しかしそれ以上に、効果音がでかいんだけど。約7割は音でびっくりします。

まあとにかく、この映画の恐怖描写は基本的には「なんだかよくわからないけど気持ち悪い」という雰囲気と、直接視覚で感じさせる気持ち悪さの二本柱です。
ここまでやると、なんかもう、えげつないというか、酷い。

そして構成というか、それ必要あんのか、という部分や人物も見られるし、細かい点においても、経営危機の病院という設定ながら、あまり客に困ってなさそうな感じにも見受けられるしで、小さな部分が気になって気になってしょうがない。

終わりの方もなんだかわけわかんなくなっちゃったしなぁ。
全否定はしない。
面白い部分もあったし、「ダメだよコレ」と思いながらも、一気に見ちゃったし。深夜三時ぐらいまで。
だけど、……期待してたのに、残念だなぁ。

個人的に良かった部分は、一部の役者さんです。
佐藤浩市さんは言うに及ばず、高嶋政伸さんの演技はとても良かったと思う。佐野史郎さんも相変わらず不気味な味を出していた。

でも、なんだかなぁ……。

Lie lie Lie

2005年5月12日 映画
VHS 東映 1998/07/21 ¥3,990

(ネタバレ? あるよ)

すごく面白い。すごく、面白い。
この映画は小学生だっただろうか、中学生頃だったかなぁ。その時に映画館へアニメ映画を見に行ったときに(もしその頃なら、エヴァンゲリオンあたりか?)、冒頭の映画宣伝でやっていたやつでした。
ちょっと前、と言っても一年くらい経つだろうか? 映画批評サイトで偶然このタイトルを見たときに、思い出しまして、レンタルビデオで置いてあるか調べたらあったので、借りました。

もうね。
最高。
この映画、最高。
何でDVDで出てないんだろう。コレは出すべきですよ。

主演は豊川悦司、佐藤浩市、鈴木保奈美。
中島らも原作(永遠も半ばを過ぎて)。
監督は、「12人の優しい日本人」を撮った中原俊

豊川悦司が詐欺師でして、彼がこの物語を引っ掻き回します。
話の要所要所でいろいろな詐欺的行為と言うかそういうのを行っていくんですが、それはあくまでお話に変化を与える、お話を動かしていく要素ですね。
そんな事よりも何よりも、とにかくこの人らの掛け合いが面白い。
セリフの一つ一つが良い。

「こんな仕事クソ喰らえよ。失礼しました、うんこ召し上がれですわ」(鈴木保奈美)

「イタリヤにいたんだ。あの頃は玉ねぎばっかり向いてたなぁ」(豊川悦司)
「そうか、じゃあ今度タンゴ見せてくれ」(佐藤浩市)
「お安い御用だ、オーレイ」(無表情で豊川悦司)

あーダメだ、書いてても伝わんねーわ。
こりゃ見るっきゃないね。
あの間といい、喋り方といい、テンポも良くて、最初っから最後まで飽きずに楽しく見れました。

ラブロマンス的なものもあるけど、ほとんど割かれていません。
なので唐突感がありますが、どうでもいいですそんなの。
あーすげ。嬉しい。
観てよかったー。

ジャズ大名

2005年5月12日 映画
DVD ジェネオン エンタテインメント 2002/02/22 ¥4,935

(ややネタバレあり)

狂った映画でした。
前半から中盤にかけての、軽妙なテンポとギャグが良い。
後半の演奏会部分はやや冗長なような気がしなくも無いです。
音楽自体もごちゃごちゃしていたりして、どうも自分には刺さるものがありませんでした。
でも、あのセンスというか、無茶苦茶なつくりは、笑いました。

CASSHERN

2005年4月18日 映画
DVD 松竹 2004/10/23 ¥4,935

「みんなのいえ」と「キャシャーン」のビデオをレンタルしました。
(ネタバレとか平気で書かれています)

本作はご存知「宇多田」の夫、ミュージッククリップで独自の映像世界を表現して注目を集めた紀里谷氏の監督第一作作品です。

観想を率直に言ってしまうと、面白かったけどつまらなかった。
です。
お酒をその時にあおっていたので、そのせいで正確に見れていないのかもしれないですが、まあでもそんなにくらくらしていたわけでもないですから、自分の感想としてはこれで間違いないと思います。

面白かった点はまず何を差し置いても映像です。
CGしかり、カメラワーク、カット割り、今までありそうでなかなか見る事の無かった映像表現。
特にそれらが存分に堪能できる戦闘シーンは、まず一見の価値ありだとは思います。この部分は、本当に新しい風を感じます。
また、カミナリが突き刺さった時のぶれや、光の結晶のような模様が出てきた時は興奮しました。

CG自体は良いところは良いのですが、全体的にまだ素晴らしく完成度が高いとはいえません。しかし独特の光彩や色使いによって幻想的な雰囲気を醸し出し、そこをカバーしています(宇多田のトラヴェリングからサクラドロップあたりのPVを思い出してもらえればわかりやすいかと)。
そういう点ではリアルさを、と言うよりも、アニメに近いのかもしれません。

さて、内容ですが。

個人的に「生きるとは何か」とか、「人はなぜ争うのか」とか、そう言ったテーマは嫌いではないです。
だけど、ここまでくどすぎるのも好きではないのです。
それはもしかしたら自分がこの作品に爽快なアクションなどのエンターテイメント性を強く求めていたからかもしれませんが、それを差し引いても、もうちょっと上手くやれたような気がしなくも無いのです。
つまり、台詞回しや構成の部分を頑張れば、もう少しテンポも良くなっただろうし、言いたいことをもう少し簡潔に伝える事が出来たと思う。
見ている間中、唐沢氏を始めとして、みんながみんなくどくど言っているような印象が拭えないのです。だんだん、いつ終わるのか気になりだしたくらいでした。

そこへ来て上映時間の長さ。
2時間30分弱、ネガティブな世界観の中、ネガティブな禅問答があちこちで起こって、もうそれだけでぐったりしてしまいます。
見終わったあと、もう一回見たいとは思えませんでした。
(今はどうかと言われれば、多少は変わってきていますが)

自分自身頭は良くないので、最後にまとめて説明されると次々に新しい情報が入ってきて、それだけで「はいっ?はいっ?」となってしまうし、前半に幾つか発生する謎の部分を引っ張られすぎて、わけがわからなくなってきてしまう。
やっぱ酒がまずかったのだろうか。

色々、映像的にはモノクロにしてみたり、かと思えば色鮮やかに飾ってみたり、飽きさせないような感じにはなっているんです。
自分も最初はそういう映像表現に新しさを感じていたんですが、後半に行くにつれてもういいから早くしてくれと思うようになってしまいました。

そして、「相手を受け入れる」という部分に落とし所というか、彼の思いを込めたんだと思います。そうなればいいですね。でも、それが難しいんですよ。
そういう点で、問題提起ではあったとしても、はっきりした解決策の提示には至っていません。そこはしょうがないですね。解決策なんて実際のところ、誰にも出せないのかもしれません。
一人一人がこういう気持ちを持っていけたら素晴らしいですね。
でも、宗教や政治は難しいよ?

やはり編集や脚本と言うのはとても大事です。
紀里谷監督はまだこれが一作目だし、これを足がかりにして、これからより素晴らしい作品を作っていって欲しいと思います。
作品自体の出来と言うより、少なくとも、彼の今後に期待を抱かせるような第一作ではあったと思います。

個人的に役者としての及川光博氏は評価していると言うか、好きでして、今回のを見てますますその思いを固めました。
寺尾氏の、最後に見せる狂気。
麻生嬢の凛とした美しさ。
寺島進さんも好きなんです。
宮迫……。
というか、「みんなのいえ」も「キャシャーン」も、
唐沢さんが主要登場人物ですね。

バックホーンは歌、流れなかったね。
前奏部分を繋いでぐるぐる回していただけだった。
椎名林檎の歌も中途半端に切れてしまった……。
ちょっと残念。

まとまってないけど、以上。

みんなのいえ

2005年4月18日 映画
「キャシャーン」と「みんなのいえ」をレンタルして観てみました。
(ネタバレとか普通にあります)

「みんなのいえ」は三谷さんの映画監督作品としては二作目ですね。

・売れっ子の脚本家とその妻が家を建てようとして、設計を知り合いの先鋭的なデザイナーに頼み、建築は妻のお父さんに頼むことになる。
・しかし父親は昔気質の職人で、若いデザイナーとことあるごとに衝突する。
・その間で右往左往する夫婦。
・問題と衝突を繰り返し、対立したままどんどん完成していってしまう家。
・ギクシャクする現場。
・右往左往する夫婦。
・さてどうなる?

と言う流れ。

前作「ラヂオの時間」を評して、「尻尾まで餡の詰まった鯛焼き」というのがありましたが、今作もそんな感じです。
前作は短時間でぽんぽん小気味良く進む作品だったのに対して、今回のは家を建てるというスパンの長いストーリーでまとまりよく構成されている作品なので、小さなギャグの応酬と言うわけではありません。
だから、何となくそういう点では大判焼きのイメージが浮かびました。すごい観念的ですけど。

さて、全体的な作品としての評価は、とても面白かったです。
派手さはありませんが、良作。
キャシャーンを一緒に借りたから尚更そう思えたのかもしれませんが、全体的にまとまり良く、安定感のある作品です。
野球のピッチャーで例えるなら、「キャシャーン」は剛速球だけどノーコン。速球で三者連続三振など、ワクワクするような見せ場は作りますが、四球を連発したり投球が単調になったりして自滅する感じです。
「みんなのいえ」は、打たせて取る派手さの無いピッチャーですが、コントロール良くカウントを稼いでいって、見事相手を討ち取ります。

主演の田中直樹と八木亜希子はとても良かった。
この映画の、このキャラクターにぴったりはまっていたと、個人的に思います。
田中邦衛さんと唐沢寿明さんも良かった。
田中さんの風を語った時の台詞回しには爆笑した。
唐沢さんも、どこかエキセントリックで、やや癇癪もちな先鋭デザイナーをこなしていた。
豪華なゲストがチョイ役でぽんぽん出てくるあたり、見ていて思わずニヤリとしてしまう。

物凄くテンポが良かったり、緊張を保ったストーリーではなく、全体的のホンワカした感じの雰囲気で進みますし、ストーリーもある種王道的なつくりなので、そこを退屈に思ってしまう人もいると思います。
つまらない映画ではない、でももう一匙何かが足りない、と言う感じではないのでしょうか。
個人的には良かったです。
 

菊次郎の夏

2004年12月31日 映画
DVD バンダイビジュアル 2000/01/25 ¥5,250

(ネタバレとか当然あると思いますよ)。

前々から見たいとは思っていたんだけど、
深夜にやっていたので見ました。

父親が死んで、母親はいない。
おばあちゃんが唯一の近親者で、彼女に育ててもらっている少年。
夏休みで友達がみんな家族と出かける中、少年は母親に会うために家を飛び出す。
行く途中、近所のおじさんが付き添うことになって……。

という始まり。

笑ったなぁ。
しっとりするところもあるんだけど、
全体的には小ネタから強烈なものまで、
笑いが詰まっていた。
特に後半のキャンプを始めたあたりから凄くなってくる。
井出らっきょが。

前半の都会の殺伐とした雰囲気から、
中盤、後半とどんどん自然の世界に足を踏み出していく。
それが菊次郎の、次第に柔らかくなっていく態度(心情)とリンクしているようにも見えた。

行く途中に会った名前も知らないような人たちと、
バカみたいな遊びや、面白そうな話を通して触れ合っていく。
国際映画祭でこのギャグはどうだろうと言うものがふんだんに盛り込まれているわけですが、
つまりそれが、とても長い夏休みの間、何もすることが無い少年にとって、ひと夏の思い出として強く刻み込まれるのだろうと思う。

楽しいことはあっという間に過ぎていって、
いつか終わらなければいけない。
その時のちょっとした寂しさや切ない感情が、
最後に味わえた。

ちょっと笑えて、ちょっとバカバカしくて、ちょっと切ない。 そして、ちょっとだけ優しい。
そんな映画。
DVD アール・アンド・シー・ジャパン 2004/08/25 ¥6,800
「鬼ごっこ」プロローグ
「鬼ごっこ」スタート30分前
「鬼ごっこ」スタート5分前
「鬼ごっこ」残りあと20時間
「鬼ごっこ」残りあと16時間
「鬼ごっこ」残りあと14時間
「鬼ごっこ」残りあと7時間30分
「鬼ごっこ」残りあと2時間30分
「鬼ごっこ」終了後
「100m走対決・完全版」
「あの時は…」
「名作&傑作トーク集」

深夜枠で「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで」という番組がある。
もう長いこと続いていて、自分も記憶が曖昧になるような昔から見ていた気がする。
今回のDVDはその番組の歴史の中で大きなイベントとなった罰ゲームシリーズの第一巻であり、至上稀に見る過酷で、笑いに包まれた記念すべき第一回の「24時間鬼ごっこ」を収録している。

松本 VS 浜田チームので行われた100m走で浜田チームが敗れ、松本が課した罰ゲームはその名も「24時間鬼ごっこ」。
体育館の中で24時間を過ごすのだけど、その間鬼が出現したら鬼ごっこスタート。鬼に捕まれば、鬼の体に刻印されている罰を受けなければいけないというもの。

当時見て、そして今また見直して思うのだけど、これは一種のドキュメントだ。
人間達が特別な環境下、極限状態に置かれたらどうなるかという様を見事に表している。
いつ現れるとも知れない鬼を警戒して、少しの物音にも敏感に反応するほど神経を常時研ぎ澄まし、長い時間ひたすら待ち続ける。
鬼が現れたら全力で四方八方走り回り、捕まると肉体的、精神的にダメージの大きい罰。
蓄積される疲労。チーム内の不協和音。
過激さを増して行く罰の内容に、浜田達はどんどん追い詰められていく。

この人達はお笑い芸人だし、バラエティ番組ということもあって、際どい「軋轢」の部分と「笑い」が同居しているというか紙一重というか。
そうやって笑いの方向に転化できたりするのだけど、場面や人を変えればそこはまさに泥沼の人間ドラマが展開されるであろうということを、ありありと想像することが出来る。
こういう舞台設定を用意した松本やスタッフたちは本当に素晴らしいと思う。
とにかくこの作品は傑作である。

後日談的「あの時は…」は興味深く拝見させてもらった。
過去の名作トーク集も面白かった。
当然なんだけど、当時と今における二人の掛け合いの違いを見ることができた。
浜ちゃんのツッコミ方や合いの手の入れ方。
松っちゃんの話のもって行き方。
相違と同時に、当時から変わらぬ共通点も見受けられて、面白かった。
DVD アミューズビデオ 2002/02/22 ¥3,990

(ネタバレっぽいのとか多分書いてありますよ)
この前BSでやっていたので、いい機会だからと思って観てみた。
観てみて、これがヒットしなかった理由が何となくわかった気がした。
ストーリーや構成の問題ではないか、と。
素人の考えですが。

映像はとてもよく出来ています。
う〜ん、というのはちょっと言い過ぎかもしれない。
表情や動きや、全体の作りとしてはまだ拙い部分も見られます。
そもそもCG技術なんて日進月歩の分野ですから、作ってる期間が長ければ多少ムラも出るのかもしれないし、時間が経ってからこれを見たら評価は下がるのかもしれない。
でもまあ、CGでこれだけのことをやれたんだから、ある程度の評価されるべきラインはクリアしているでしょう。実際、「オオ」と思うような場面も多々ありましたし。

問題なのが、ストーリーだと個人的に思います。
CGというものが力を発揮するのはやはりエンターテイメントのような作品でしょう。ファイナルファンタジーだってエンターテイメント性の強い「ゲーム」が元の出所です。
そこを全編フルCGで映画化するってんだから、やはり観る者の多くがエンターテイメント的な部分も期待してしまうのは当然だと思うわけです(実際皆がそこを期待してたかはわかりませんけどね)。
そういう意味で、今回のはあまりにも哲学的っぽい内容になりすぎたのかな、と。
しかも、ゲームよろしく専門用語がちょこちょこ出てきて、設定自体もそういう方向なので、それを2時間で理解するには少し難しかったかもしれない。
いや、それくらいだったらまた観に来ればいいわけで、そうならなかったのは、もう一回観たいと思わせるような内容じゃなかったから。ストーリーが。あと構成が。
全体を掴めないし、次なんでそうなるのか、そういう行動なのかもわからない。
いや、実は当日野球中継も観てて、ちょこちょこ変えたりしてたんで、それのせいでわかり辛かったのかもしれないのですが、と一応弁解しておきます。でもそれでもどうかと思うのです。

そういった部分も、エンターテイメントの要素が強ければ補えるのかもしれませんが、今回のはそういうわけには行きませんでした。
もちろん戦闘シーンなど、ドキドキハラハラさせられるような部分が無かったかといったらそんなことはないですが、妙に冷めた感じで見れてしまうわけです。
映画館で見てたらまた違ったのかもしれないですけど、どうも迫力に欠けるというか、ぐっと来ない。
しかも敵がファントムって言う幽霊みたいなぼんやりとしてるやつだから、飛行機でかいくぐろうとする場面も観づらくていまいちだし、銃が当たっても効果音がボヨンボヨンいっててカタルシスのようなものが全くない。
というか銃自体の音もなんか気の抜けるような感じだし。

ヒューマンドラマのような部分を書きたいなら、CGじゃなくて実写で出来る。
監督はもしかしたらそれを実写じゃなくて、CGで表現することに意義があると思っているのかもしれない。真意はわからないし、それが価値のあることかどうかも自分の考えは無いので書きませんが、しかしです。
今回のレベルでCG映画を一本作るとなると、莫大なお金がかかるわけです。自腹を切って個人の楽しみで作るなら別ですよ。でもこれはたぶん会社の金とか使ってるんでしょう?
そうなれば当然採算が取れなきゃいけないわけです。いかにして客を寄せるか、リピーターを作るか、その部分をもっと徹底的に考えなければいけないと思います。
哲学的なものをやるなって言ってるわけじゃなく、興行として成立させるためにエンターテイメント性は必要だし、その部分をもっとしっかりと作って欲しかったと思った次第です。
終わった時、
「え?」
って感じだったからねぇ……。
爽快感とか無縁。
ラルクアンシエル、ハイドの英語は大丈夫なのかとか気になっちゃったよ……。

これはもしかしたら監督の資質に関係するのかもしれない。
別の監督が指揮をとっていたらまた違ったものになったのかもしれないですが……。
ゲーム畑の人が突然映画を作っちゃう(しかもン億円も使って)ところの怖さが出たって感じかもしれない。

もう一回よくじっくり観れば、この映画に対する意見とかも固まると思うんですが、なにぶん、あんまりDVDとか借りる性質じゃないんでねぇ……。

ああでも、ファントムに触れた時に人の魂のようなものが抜け出て食われるの。
あれには恐怖を感じました。
ジタバタしてる所とかね。
……まさかあれって、人の体は人形で、その中の魂のようなものが本質だって言いたかったのかも……。
だからCGで人間なのか……。あのぎこちなさも狙ってたりして(笑

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