ジャーヘッド プレミアム・エディション
2006年8月18日 映画
DVD ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2006/07/28 ¥3,980
(ネタバレあり。注意)
ジャーヘッドとはアメリカの海兵隊の事で、刈り上げた頭がジャーに似ているから、というのと、空っぽの頭、と言う意味があるらしい。
この映画は戦争映画なんだろうけど、全然戦争映画っぽくない。
実話を元にしているということで、「ロード・オブ・ウォー」のように、興味を刺激されて観ました。
主人公が軍隊に入って訓練を受け、湾岸戦争の実地に派遣され、待てども待てども実戦が起こらず、ようやく始まったかと思ったら味方戦闘機から誤射されたりして、結局一発も撃たずに戦争が終わった、と言う筋書き。
軍隊にいる最中は、主人公の悩みや漠然とした毎日と平行して、俗っぽい兵隊達のアホッぷりがこれでもかと描かれる。
軍隊というのは組織の構造や規則からして、そもそも物事なんかまともに考えられなくするようなところだけど、元々物事なんか考えないような人が多くいると言うことも、決して間違いではないのかもしれない。
何にしてもいろいろな人間が集まるのは間違いなくて、主人公はそういった連中と、一定の距離で接していく。
クリスマスに、禁止されている酒を秘密でみんなに回して馬鹿騒ぎをして(戦地なのに)、結局派手に見つかって罰を受けたり、プライベートな話や女の話で盛り上がったり、修学旅行かよ!
と言うようなノリ。
女と離れて暮らしているせいで、彼女の写真を使って自慰にふけったり、その女が他の男に走ったりして落胆したり、男のアホな部分を集めた映像がいっぱい見られる。
(でも自慰にふけるのはしょうがないだろ。これは)
戦争の部分においては、例えば味方に誤射されたり、避難中と思われる車の群れや人なんかが黒こげで炭みたいになってたり。あちこちの石油を燃やされて空が黒く覆い尽くされ(もったいない)、黒い雨が降ったり。
轟々と、しかし寂々と噴き上がる炎、それに淡く照らされた、波打つ砂肌のコントラストとか。
ようやく狙撃の任務を与えられて撃てるかと思ったら、爆撃するから中止っていわれて、「頼む、一発でいいから撃たせてくれ!!」なんていって上官と揉み合ったり。
興味深いというかなんというか。とにかくまあ、普通の戦争映画とは違った視点で楽しめます。
だから爆発でドーン!!とか、銃弾でダダダダダッ!!とか、
そういうのを期待している人には向かないと思います。
あくまで舞台裏です。戦争に行って、一発も撃たなかった人達の。
(この作品のメッセージ性などに関しては、Amazonでのレビューで素晴らしい内容のものが2,3ありましたので、そちらをお勧めします。「全ては不毛の砂漠の中に」「幼稚な国家」)
(便所の肥溜めに軽油を入れて燃やすシーンは、見てるだけで臭くなる)
(ネタバレあり。注意)
ジャーヘッドとはアメリカの海兵隊の事で、刈り上げた頭がジャーに似ているから、というのと、空っぽの頭、と言う意味があるらしい。
この映画は戦争映画なんだろうけど、全然戦争映画っぽくない。
実話を元にしているということで、「ロード・オブ・ウォー」のように、興味を刺激されて観ました。
主人公が軍隊に入って訓練を受け、湾岸戦争の実地に派遣され、待てども待てども実戦が起こらず、ようやく始まったかと思ったら味方戦闘機から誤射されたりして、結局一発も撃たずに戦争が終わった、と言う筋書き。
軍隊にいる最中は、主人公の悩みや漠然とした毎日と平行して、俗っぽい兵隊達のアホッぷりがこれでもかと描かれる。
軍隊というのは組織の構造や規則からして、そもそも物事なんかまともに考えられなくするようなところだけど、元々物事なんか考えないような人が多くいると言うことも、決して間違いではないのかもしれない。
何にしてもいろいろな人間が集まるのは間違いなくて、主人公はそういった連中と、一定の距離で接していく。
クリスマスに、禁止されている酒を秘密でみんなに回して馬鹿騒ぎをして(戦地なのに)、結局派手に見つかって罰を受けたり、プライベートな話や女の話で盛り上がったり、修学旅行かよ!
と言うようなノリ。
女と離れて暮らしているせいで、彼女の写真を使って自慰にふけったり、その女が他の男に走ったりして落胆したり、男のアホな部分を集めた映像がいっぱい見られる。
(でも自慰にふけるのはしょうがないだろ。これは)
戦争の部分においては、例えば味方に誤射されたり、避難中と思われる車の群れや人なんかが黒こげで炭みたいになってたり。あちこちの石油を燃やされて空が黒く覆い尽くされ(もったいない)、黒い雨が降ったり。
轟々と、しかし寂々と噴き上がる炎、それに淡く照らされた、波打つ砂肌のコントラストとか。
ようやく狙撃の任務を与えられて撃てるかと思ったら、爆撃するから中止っていわれて、「頼む、一発でいいから撃たせてくれ!!」なんていって上官と揉み合ったり。
興味深いというかなんというか。とにかくまあ、普通の戦争映画とは違った視点で楽しめます。
だから爆発でドーン!!とか、銃弾でダダダダダッ!!とか、
そういうのを期待している人には向かないと思います。
あくまで舞台裏です。戦争に行って、一発も撃たなかった人達の。
(この作品のメッセージ性などに関しては、Amazonでのレビューで素晴らしい内容のものが2,3ありましたので、そちらをお勧めします。「全ては不毛の砂漠の中に」「幼稚な国家」)
(便所の肥溜めに軽油を入れて燃やすシーンは、見てるだけで臭くなる)
エミリー・ローズ デラックス・コレクターズ・エディション
2006年8月18日 映画
DVD ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2006/07/19 ¥4,179
(ネタバレあり。注意)
実話を元にした話だそうです。
個人的にはあまり怖くありませんでした。
エミリー・ローズという女性がある日を境に悪魔に取り憑かれたかのような恐ろしい体験を周囲に話し、医者の治療を受けるが一向に良くならない。
彼女は教区の神父に頼んでみてもらい、悪魔祓いの儀式を受けるが、失敗。
結局その後死亡してしまう。
神父は警察に過失致死罪で起訴されることになるが、敏腕弁護士が弁護を引き受けることに……。
と言う流れ。
映画はエミリー・ローズが死んだ直後からスタートし、女性弁護士をメインにしながら裁判へと展開していく。
裁判を有利に進めるために資料にあたったり人と会ったりしながら、
実際に法廷で検察側と戦っていく。
エミリー・ローズに関する過去の話(映像)は、全て回想、つまり、
人の口から過去を証言するという形で出てくる。
例えば「リング」にしろなんにしろ、ホラー映画というのは大抵、主人公(を中心とした周囲)が当事者として体験する。
それはつまり見ている側にとっても、その心霊・恐怖体験が「真実」であるというほとんど疑いようのない事実として追体験するのであるが、この映画に関して言えば、はっきりとそれが本当であると、断言できない。
エミリー・ローズの狂気の様を見ている人はいても、
本当に彼女は悪魔に取り憑かれていたのか、定かではないのです。
映画が進むにつれ、女弁護士や神父などにも、じわりと悪魔の影が忍び寄っているような描かれ方がされている。
しかしやはり、それも本当に悪魔なのかはわからない。何らかの偶然であったり、あるいは自分の心の弱さなのかもしれない。
この映画は悪魔の存在を(そしてその対極にある存在を)断定しない。
作品の構成の影響も当然あるのでしょうが、こうした部分がこの映画の恐怖を薄めてしまっている理由だと思う。
(全く怖くなかったわけではないです。一応)
ではなぜそういう作りにしたのか。
それはまあ、観てもらって感じてもらうのが一番なんでしょうけど(それを言っちゃあ……苦笑)、
結局最後のエミリー・ローズの手紙に要約されていると思う。
あれがこの作品の全てなのです(その際に、エミリー・ローズの経歴も加味されるべきでしょう)。
この映画のタイトルが「エミリー・ローズ」という訳。
それが、わかると思います。
--------------------------------------
(個人的にこの映画で興味深かったこと、というか、興味を惹かれまくったのが、(ワン・ツー・スリー・フォー・ファイブ・シックス)という繰り返し出てくる言葉。この意味を知ったとき、きっとファンタジー大好きな人間は「ワォ!」と感動の声を漏らすと思います)
(あと、確かこの映画だと思ったんですが、「午前3時」の意味するところも初めて知りました。キリスト教圏の、特にホラー映画では、おそらくこの「午前3時」は重要なんでしょうね。後々「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」も観たんですけど、やはり「午前3時」が出てきました)
(ネタバレあり。注意)
実話を元にした話だそうです。
個人的にはあまり怖くありませんでした。
エミリー・ローズという女性がある日を境に悪魔に取り憑かれたかのような恐ろしい体験を周囲に話し、医者の治療を受けるが一向に良くならない。
彼女は教区の神父に頼んでみてもらい、悪魔祓いの儀式を受けるが、失敗。
結局その後死亡してしまう。
神父は警察に過失致死罪で起訴されることになるが、敏腕弁護士が弁護を引き受けることに……。
と言う流れ。
映画はエミリー・ローズが死んだ直後からスタートし、女性弁護士をメインにしながら裁判へと展開していく。
裁判を有利に進めるために資料にあたったり人と会ったりしながら、
実際に法廷で検察側と戦っていく。
エミリー・ローズに関する過去の話(映像)は、全て回想、つまり、
人の口から過去を証言するという形で出てくる。
例えば「リング」にしろなんにしろ、ホラー映画というのは大抵、主人公(を中心とした周囲)が当事者として体験する。
それはつまり見ている側にとっても、その心霊・恐怖体験が「真実」であるというほとんど疑いようのない事実として追体験するのであるが、この映画に関して言えば、はっきりとそれが本当であると、断言できない。
エミリー・ローズの狂気の様を見ている人はいても、
本当に彼女は悪魔に取り憑かれていたのか、定かではないのです。
映画が進むにつれ、女弁護士や神父などにも、じわりと悪魔の影が忍び寄っているような描かれ方がされている。
しかしやはり、それも本当に悪魔なのかはわからない。何らかの偶然であったり、あるいは自分の心の弱さなのかもしれない。
この映画は悪魔の存在を(そしてその対極にある存在を)断定しない。
作品の構成の影響も当然あるのでしょうが、こうした部分がこの映画の恐怖を薄めてしまっている理由だと思う。
(全く怖くなかったわけではないです。一応)
ではなぜそういう作りにしたのか。
それはまあ、観てもらって感じてもらうのが一番なんでしょうけど(それを言っちゃあ……苦笑)、
結局最後のエミリー・ローズの手紙に要約されていると思う。
あれがこの作品の全てなのです(その際に、エミリー・ローズの経歴も加味されるべきでしょう)。
この映画のタイトルが「エミリー・ローズ」という訳。
それが、わかると思います。
--------------------------------------
(個人的にこの映画で興味深かったこと、というか、興味を惹かれまくったのが、(ワン・ツー・スリー・フォー・ファイブ・シックス)という繰り返し出てくる言葉。この意味を知ったとき、きっとファンタジー大好きな人間は「ワォ!」と感動の声を漏らすと思います)
(あと、確かこの映画だと思ったんですが、「午前3時」の意味するところも初めて知りました。キリスト教圏の、特にホラー映画では、おそらくこの「午前3時」は重要なんでしょうね。後々「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」も観たんですけど、やはり「午前3時」が出てきました)
DVD ポニーキャニオン 2006/07/05 ¥4,935
(ネタバレ注意)
売れっ子天才子役として名をはせた主人公は、
「普通の子供に戻りたい」
と言う理由で惜しまれつつ芸能界を引退。
しかし普通の子供に戻った彼を待っていたのは、
イジメなど、全然いいことのない日常だった。
再び芸能界に戻ることを決意した主人公は、
人気学園ドラマのオーディションを受け、合格したのだが……。
主人公は先生役の俳優に尊敬と憧れの念を抱き始め、
ドラマにのめり込んでいく。
主人公のドラマの役はいじめられっ子。
実際の惨めな自分とほとんど変わらない役柄を与えられた彼は、
次第に現実とドラマの世界が強く結びつき始める……。
とにかく、ドラッグムービーでもないのにトリップ具合が凄まじい。
映像表現がぶっ飛んでいる。
なんだこれは。これはなんだ。と言う感じ。
漢字がぺろぺろと立ち上がって歩き出すところには笑った。
こういった通常の実写映画とは一線を画す独特の、
サイケデリックでコミック調な表現を前面に出すのは当然、
作品自体の性質もあるが、主人公の錯乱っぷりが大きい。
それを表現するのに必要なものなのだが、
じゃあなんで主人公はそんな状態になってしまったのだろうか。
母親の言葉を借りるならば、
「作品にのめり込みやすい。ノイローゼになった過去がある」
ということだろう。
しかし、この作品の最後、主人公の呪縛から解き放たれたような、
普通の、全く清々しい笑顔を見てほしい。
彼の顔があの綻びを発揮する前には、決定的な場面が描かれている。
そこを経ての、あの笑顔である。
つまり、彼をそういう性質にしてしまったのは、彼の身の回りの環境、
特に、家庭環境が大きな要因だったのです。
子供の頃も仕事が忙しく学校へはろくに行けず、両親の仲はあまり良くなかった。
学校生活においても家庭においても心の逃げ場が全然無い。
彼はドラマに没入するしかないのです。
そして学園ドラマと現実の学校生活がダブってしまったことによって、
より、そういった部分を助長してしまった。
両親がどうしてああいう状態になったのかは、
自分の低い読解力ではわかりませんでした。
もしかしたらみんな、逃げ場がなかったのかもしれない。
前半から中盤にかけてテンションの高い演出が続くが
話自体は(個人的に)ずいぶん重たくて参りそうになりました。
でも後半からは、ある意味吹っ切れて、そこそこ楽しめました。
と言うことで、全体的にはまあ結構面白かったです。
(ネタバレ注意)
売れっ子天才子役として名をはせた主人公は、
「普通の子供に戻りたい」
と言う理由で惜しまれつつ芸能界を引退。
しかし普通の子供に戻った彼を待っていたのは、
イジメなど、全然いいことのない日常だった。
再び芸能界に戻ることを決意した主人公は、
人気学園ドラマのオーディションを受け、合格したのだが……。
主人公は先生役の俳優に尊敬と憧れの念を抱き始め、
ドラマにのめり込んでいく。
主人公のドラマの役はいじめられっ子。
実際の惨めな自分とほとんど変わらない役柄を与えられた彼は、
次第に現実とドラマの世界が強く結びつき始める……。
とにかく、ドラッグムービーでもないのにトリップ具合が凄まじい。
映像表現がぶっ飛んでいる。
なんだこれは。これはなんだ。と言う感じ。
漢字がぺろぺろと立ち上がって歩き出すところには笑った。
こういった通常の実写映画とは一線を画す独特の、
サイケデリックでコミック調な表現を前面に出すのは当然、
作品自体の性質もあるが、主人公の錯乱っぷりが大きい。
それを表現するのに必要なものなのだが、
じゃあなんで主人公はそんな状態になってしまったのだろうか。
母親の言葉を借りるならば、
「作品にのめり込みやすい。ノイローゼになった過去がある」
ということだろう。
しかし、この作品の最後、主人公の呪縛から解き放たれたような、
普通の、全く清々しい笑顔を見てほしい。
彼の顔があの綻びを発揮する前には、決定的な場面が描かれている。
そこを経ての、あの笑顔である。
つまり、彼をそういう性質にしてしまったのは、彼の身の回りの環境、
特に、家庭環境が大きな要因だったのです。
子供の頃も仕事が忙しく学校へはろくに行けず、両親の仲はあまり良くなかった。
学校生活においても家庭においても心の逃げ場が全然無い。
彼はドラマに没入するしかないのです。
そして学園ドラマと現実の学校生活がダブってしまったことによって、
より、そういった部分を助長してしまった。
両親がどうしてああいう状態になったのかは、
自分の低い読解力ではわかりませんでした。
もしかしたらみんな、逃げ場がなかったのかもしれない。
前半から中盤にかけてテンションの高い演出が続くが
話自体は(個人的に)ずいぶん重たくて参りそうになりました。
でも後半からは、ある意味吹っ切れて、そこそこ楽しめました。
と言うことで、全体的にはまあ結構面白かったです。
ピーナッツ プレミアム・エディション
2006年8月12日 映画
DVD ジェネオン エンタテインメント 2006/08/04 ¥3,990
(ネタバレ注意)
ウッチャンナンチャン内村光良の初監督作品。
出演者はテレ朝の「内村プロデュース」メンバーをメインにした配役。
全体の空気から内村プロデュースを感じてしまうが、それはメンバーがメンバーだし、内容もコメディタッチなので、どうしようもない。
慣れてしまえば、途中からは全然気にならなくなる。
内村光良はかつて草野球チームピーナッツで、伝説のサードと呼ばれていたスポーツライター。
優勝したピーナッツを描いた「たかが草野球」でデビューするが、今は極度のスランプに陥っていた。
その状況を打開しようと、地元へ戻ってきて、ピーナッツのメンバーと再会していく。
しかし今のピーナッツはかつての栄光には程遠い状態。
そして町には、再開発の計画が持ち上がっていた。
商店街の寂れ方や再開発の話などを見る限り、決して悪い話じゃない。
実際、商店街の中には再開発に賛成する声が多く観られる。
しかし主人公の周囲、ピーナッツの現・元メンバー達は、基本的には再開発に反対している。
これはどういう事かというと、結局、昔の夢・栄光・思い出、そういったものと、現実的な部分における実際的な問題、その狭間の葛藤なのです。
ピーナッツのメンバー自身も、反対だと言いながら心の中では迷っている。
再開発も仕方がない、と言う気持ちがどこかにある。
それでも反対してしまうのは、やはり人間のどうしようもない情の部分でしょう。
商店街のトップを務めているピーナッツの監督が、都市対抗優勝チームと賭け試合をしようと決めたのも、再開発やむなし、と言う気持ちがあったからでしょう。
でも、ただでは引き下がりたくない。
それなら昔の輝かしい思い出であるピーナッツとしてぶつかって、散る。
むろん真剣勝負で勝ちに行く。そして全力で戦ったその試合で負けることによって、きれいさっぱり、心機一転、新しい道へ心おきなく踏み出せると考えたのでしょう。
試合が終わった後、メンバー達は全然悔しそうじゃなかった。
最後まで強く反対していた三村も、試合の目前になった時、覚悟を決めていた。
あの試合でもし勝っていたらその後どうなったのか。
それはわからない。
けれどもしかしたら、やはり再開発の話を受け入れていたのかもしれない。
そんな気も、してしまうのです。
(しかし観ていて思ったのは、ウッチャン野球好きなんだな、と言うこと)
(あと、スランプで悩んでいたときの、メジャーじゃない、メジャーなものを書く、と言うセリフ、最後のスタッフロールでなるほどと笑ってしまいました。ウッチャンらしい笑い)
(それと、テーマ曲の「君の中の少年」は素晴らしいです。歌は下手だけど)
(ネタバレ注意)
ウッチャンナンチャン内村光良の初監督作品。
出演者はテレ朝の「内村プロデュース」メンバーをメインにした配役。
全体の空気から内村プロデュースを感じてしまうが、それはメンバーがメンバーだし、内容もコメディタッチなので、どうしようもない。
慣れてしまえば、途中からは全然気にならなくなる。
内村光良はかつて草野球チームピーナッツで、伝説のサードと呼ばれていたスポーツライター。
優勝したピーナッツを描いた「たかが草野球」でデビューするが、今は極度のスランプに陥っていた。
その状況を打開しようと、地元へ戻ってきて、ピーナッツのメンバーと再会していく。
しかし今のピーナッツはかつての栄光には程遠い状態。
そして町には、再開発の計画が持ち上がっていた。
商店街の寂れ方や再開発の話などを見る限り、決して悪い話じゃない。
実際、商店街の中には再開発に賛成する声が多く観られる。
しかし主人公の周囲、ピーナッツの現・元メンバー達は、基本的には再開発に反対している。
これはどういう事かというと、結局、昔の夢・栄光・思い出、そういったものと、現実的な部分における実際的な問題、その狭間の葛藤なのです。
ピーナッツのメンバー自身も、反対だと言いながら心の中では迷っている。
再開発も仕方がない、と言う気持ちがどこかにある。
それでも反対してしまうのは、やはり人間のどうしようもない情の部分でしょう。
商店街のトップを務めているピーナッツの監督が、都市対抗優勝チームと賭け試合をしようと決めたのも、再開発やむなし、と言う気持ちがあったからでしょう。
でも、ただでは引き下がりたくない。
それなら昔の輝かしい思い出であるピーナッツとしてぶつかって、散る。
むろん真剣勝負で勝ちに行く。そして全力で戦ったその試合で負けることによって、きれいさっぱり、心機一転、新しい道へ心おきなく踏み出せると考えたのでしょう。
試合が終わった後、メンバー達は全然悔しそうじゃなかった。
最後まで強く反対していた三村も、試合の目前になった時、覚悟を決めていた。
あの試合でもし勝っていたらその後どうなったのか。
それはわからない。
けれどもしかしたら、やはり再開発の話を受け入れていたのかもしれない。
そんな気も、してしまうのです。
(しかし観ていて思ったのは、ウッチャン野球好きなんだな、と言うこと)
(あと、スランプで悩んでいたときの、メジャーじゃない、メジャーなものを書く、と言うセリフ、最後のスタッフロールでなるほどと笑ってしまいました。ウッチャンらしい笑い)
(それと、テーマ曲の「君の中の少年」は素晴らしいです。歌は下手だけど)
DVD 角川エンタテインメント 2006/07/14 ¥4,935
(ネタバレあります)
経済小説という分野で活躍する高杉良さんの映画化二作目(?)ですかね。
確か。
「金融腐食列島・呪縛」は以前観ましたが、専門用語とかいまいちわからなかったですけど、スリリングでとてもワクワクしながら食い入るように鑑賞したのを覚えています。
とくにミドルの社員達の格好良さに惚れ惚れしました。
さて、本作は金融腐食列島と比べても、お金はそれほどかかっていなさそうですし、ストーリーにしても、なんだか中途半端な感じがしました。
でも出演者は豪華なんだよなぁ。
アメリカでカップヌードルを販売しているサンスンは、売り上げに苦しんでいた。もし赤字が続けば、撤退を余儀なくされる。
そこへ中井貴一が派遣され、現地の幹部と議論しながら立て直していく。
しかし、こんどは企業買収の魔の手が……。
と言う展開。
話自体は胸を打つものがあるのだけど、とにかく全体的に中途半端な印象が付いてしまう。
まず会社が立ち直っていく経過なんだけど、企業の外、つまり市場(消費者)の様子がわからないから、いまいち感慨というか、実感に欠ける。
主人公と家族だったり、あるいは同僚達との間の問題があっさり解決されすぎている。
など。
こう、ぽんぽんぽんと話が進んでいくので、なんだか、ひとつひとつが浅く感じてしまう。
だけど、後半に入り、セクハラや企業買収、ユニオンの問題になってきてから、この映画の本質の部分が見えるようになってきて、見終わった後、後味はなかなか良いものとなっている。
今回のような決着の仕方は希だと思うし、もっと世界は恐ろしいところだとは思うんだけど、それでも昨今、ライブドア堀江元社長や村上ファンド問題などで問われた、会社とは誰のものか、とか、何のために働くのか、とか、そういったものに、ある一つの答えを提示している。
いやしかし、中井貴一さんはやっぱり凄い。
(ネタバレあります)
経済小説という分野で活躍する高杉良さんの映画化二作目(?)ですかね。
確か。
「金融腐食列島・呪縛」は以前観ましたが、専門用語とかいまいちわからなかったですけど、スリリングでとてもワクワクしながら食い入るように鑑賞したのを覚えています。
とくにミドルの社員達の格好良さに惚れ惚れしました。
さて、本作は金融腐食列島と比べても、お金はそれほどかかっていなさそうですし、ストーリーにしても、なんだか中途半端な感じがしました。
でも出演者は豪華なんだよなぁ。
アメリカでカップヌードルを販売しているサンスンは、売り上げに苦しんでいた。もし赤字が続けば、撤退を余儀なくされる。
そこへ中井貴一が派遣され、現地の幹部と議論しながら立て直していく。
しかし、こんどは企業買収の魔の手が……。
と言う展開。
話自体は胸を打つものがあるのだけど、とにかく全体的に中途半端な印象が付いてしまう。
まず会社が立ち直っていく経過なんだけど、企業の外、つまり市場(消費者)の様子がわからないから、いまいち感慨というか、実感に欠ける。
主人公と家族だったり、あるいは同僚達との間の問題があっさり解決されすぎている。
など。
こう、ぽんぽんぽんと話が進んでいくので、なんだか、ひとつひとつが浅く感じてしまう。
だけど、後半に入り、セクハラや企業買収、ユニオンの問題になってきてから、この映画の本質の部分が見えるようになってきて、見終わった後、後味はなかなか良いものとなっている。
今回のような決着の仕方は希だと思うし、もっと世界は恐ろしいところだとは思うんだけど、それでも昨今、ライブドア堀江元社長や村上ファンド問題などで問われた、会社とは誰のものか、とか、何のために働くのか、とか、そういったものに、ある一つの答えを提示している。
いやしかし、中井貴一さんはやっぱり凄い。
8月のクリスマス スタンダード・エディション
2006年7月6日 映画
DVD キングレコード 2006/03/08 ¥3,990
(私の記憶が確かならば、この先ネタがバレることになります)
超泣いた。
頭痛い。
俺、超泣いた。
この作品は素晴らしい。
韓国映画をリメイクした物らしい。
が、個人的にはもうこっちの日本版で十分満足しているので、
韓国版は相当気が向いた時じゃなければ観ないでしょう。
内容は、写真館を営む主人公と、臨時教師のヒロインとの交流。
これが本筋。これだけ書くと非常にシンプルだけど、
そこに主人公が余命幾ばくもないという状況が加わることで、
一つ一つの行動やセリフの受け止め方が全然違ってくる。
って、当たり前か。
主人公山崎まさよしというのが非常にあっている。
というのも、この作品の主人公は、死という物を最初から受け入れているからだ。
落胆こそしただろうが、彼は静かにその事実を内にしまっている。
そして日々を淡々と過ごしている。
だけどそこにヒロインが現れ、彼女と交流していく事によって、
彼は命に執着を見いだす。
彼女と親しくなるのと反比例して、命は短くなってゆく。
そのもどかしさを観ていると、
本当に泣けてきてしまう。山崎さんの演技が素晴らしい。
この映画は本当にキャスティングがばっちりはまっていたと思う。
個人的な感想ではありますが。
主人公とヒロインがこの二人だったからこそ、俺はここまで泣けたと思うし、
脇を固めた俳優さんたちも素晴らしかった。
親友や父親、妹。
おばあちゃんも良かったな。
本当に、何回言っても尽きないくらい、素晴らしい。
アマゾンの商品紹介ではこんな事がかかれているが、いやいや。
俺は女性との付き合いがどれほどの物で親密な感じに見えるのかはわかりませんが、今回の作品の内容は違っていないと思います。
主人公は、自分はもうすぐ死ぬのに、女性と親密になったら、悲しませるだけだと思っている。でも、彼女のことが気になって、好きで、その気持ちが抑えられない。その葛藤というか、気持ちの抑揚を上手く表していると思う。
ヒロインはおそらくあまり男性と交際したことが無く、異性との恋愛構築技術はまだ幼い部類なのだと思う。だからこそ親しくなりたいという気持ちを初々しく描いている。
日常の描写も好きだった。
主人公が父親のためにDVDプレーヤーの操作マニュアルを書いているところなんか、
本当に、もう泣ける。
今思い出して書いてても、目が潤んじゃうくらい。
親友の粋な計らい。
そういった、彼女との関係外の出来事でも、ことごとく涙を誘われる。
一場面一場面が、「やがて訪れる死」というフィルターを通してみる事で、
その意味に泣けてくる。
しかし、最後は心に光が煌めく。
死とは、ただ消えて無くなることではない。
それはつまり、何かを残すことなのです。影響を与えることなのです。
それを果たして死ぬことの出来る人間になれるかどうか。
およそ1時間40分前後の鑑賞しやすい長さで、一つ一つのシーンは無駄なく楽しめる。
かなりの良作です。
他のDVDを借りたときの、冒頭の作品紹介の時点で面白そうだと思ったけど、
これほどとは。
本当に久々にこれだけ泣いた。
鼻水じゅるじゅる。
頭が割れそう。
昔テレビで広島東洋カープの津田さんを主人公にしたノンフィクションドラマを観て、母親が一緒に観ているにもかかわらず号泣してしまったが、それ以来。
「誰も知らない」とか「生きる」とかでもほろりときたが、
今回の比ではない。
この作品は、買おうと思います。
(私の記憶が確かならば、この先ネタがバレることになります)
超泣いた。
頭痛い。
俺、超泣いた。
この作品は素晴らしい。
韓国映画をリメイクした物らしい。
が、個人的にはもうこっちの日本版で十分満足しているので、
韓国版は相当気が向いた時じゃなければ観ないでしょう。
内容は、写真館を営む主人公と、臨時教師のヒロインとの交流。
これが本筋。これだけ書くと非常にシンプルだけど、
そこに主人公が余命幾ばくもないという状況が加わることで、
一つ一つの行動やセリフの受け止め方が全然違ってくる。
って、当たり前か。
主人公山崎まさよしというのが非常にあっている。
というのも、この作品の主人公は、死という物を最初から受け入れているからだ。
落胆こそしただろうが、彼は静かにその事実を内にしまっている。
そして日々を淡々と過ごしている。
だけどそこにヒロインが現れ、彼女と交流していく事によって、
彼は命に執着を見いだす。
彼女と親しくなるのと反比例して、命は短くなってゆく。
そのもどかしさを観ていると、
本当に泣けてきてしまう。山崎さんの演技が素晴らしい。
この映画は本当にキャスティングがばっちりはまっていたと思う。
個人的な感想ではありますが。
主人公とヒロインがこの二人だったからこそ、俺はここまで泣けたと思うし、
脇を固めた俳優さんたちも素晴らしかった。
親友や父親、妹。
おばあちゃんも良かったな。
本当に、何回言っても尽きないくらい、素晴らしい。
Amazon.co.jp
長崎俊一監督の演出は、ベタベタせず、寿俊と由紀子の交流を清涼感あるタッチで描いているが、逆に見ればこのふたりの愛情の度合いが伝わってこない。単なる友人レベルの交際にしか見えないのだ。その理由のひとつは、寿俊を演じる山崎まさよしの演技にあるのではないか。限られた日々を生きる青年という役柄にも関わらず、山崎の演技からはそうした悲しさや切実な思いが今ひとつ感じられないのだ。山崎まさよしのミュージシャンとしてのイメージに、演出がやや依存しすぎたように感じるのだが。(斉藤守彦)
アマゾンの商品紹介ではこんな事がかかれているが、いやいや。
俺は女性との付き合いがどれほどの物で親密な感じに見えるのかはわかりませんが、今回の作品の内容は違っていないと思います。
主人公は、自分はもうすぐ死ぬのに、女性と親密になったら、悲しませるだけだと思っている。でも、彼女のことが気になって、好きで、その気持ちが抑えられない。その葛藤というか、気持ちの抑揚を上手く表していると思う。
ヒロインはおそらくあまり男性と交際したことが無く、異性との恋愛構築技術はまだ幼い部類なのだと思う。だからこそ親しくなりたいという気持ちを初々しく描いている。
日常の描写も好きだった。
主人公が父親のためにDVDプレーヤーの操作マニュアルを書いているところなんか、
本当に、もう泣ける。
今思い出して書いてても、目が潤んじゃうくらい。
親友の粋な計らい。
そういった、彼女との関係外の出来事でも、ことごとく涙を誘われる。
一場面一場面が、「やがて訪れる死」というフィルターを通してみる事で、
その意味に泣けてくる。
しかし、最後は心に光が煌めく。
死とは、ただ消えて無くなることではない。
それはつまり、何かを残すことなのです。影響を与えることなのです。
それを果たして死ぬことの出来る人間になれるかどうか。
およそ1時間40分前後の鑑賞しやすい長さで、一つ一つのシーンは無駄なく楽しめる。
かなりの良作です。
他のDVDを借りたときの、冒頭の作品紹介の時点で面白そうだと思ったけど、
これほどとは。
本当に久々にこれだけ泣いた。
鼻水じゅるじゅる。
頭が割れそう。
昔テレビで広島東洋カープの津田さんを主人公にしたノンフィクションドラマを観て、母親が一緒に観ているにもかかわらず号泣してしまったが、それ以来。
「誰も知らない」とか「生きる」とかでもほろりときたが、
今回の比ではない。
この作品は、買おうと思います。
樹の海 スペシャル・エディション
2006年6月29日 映画
DVD ハピネット・ピクチャーズ 2006/01/27 ¥3,990
(ネタバレ注意)
自殺をテーマにした、四つのストーリー。
自殺の名所である富士の樹海を主な舞台としている。
同じ時間軸の日本で、四つのストーリーが展開される、
オムニバスなのかな、これ?
それぞれの話の繋がりはあまりない。
各話の象徴的な部分が少しだけ交差するのみ。
主な役者さんはAmazonに載ってたこの方達。
萩原聖人
井川 遥
池内博之
津田寛治
塩見三省
小嶺麗奈
小山田サユリ
田村泰二郎
中村麻美
以前テレビ番組でちょこっとだけ取り上げられていた。
制作者が、自殺の多い現代日本において、何とか自殺を減らしたい、
自殺願望のある人へ訴えたいと言う思いで作った、と語っていた。
その言葉を事前に知っていたからだろうか、
自分には、この映画は生きるという事への希望とか、
可能性、素晴らしさを描いているように見えた。
というより、
元々そういう作りだったのを、より強く意識して観ることが出来た。
と言った方が語弊が少ないのかな。
うろ覚えですがそのテレビで言っていたことなのだけど、
自殺願望の人は、本当は死にたくなかったり、止めていれば助かったのでは、
と言うケースが多いらしい。
また、自殺未遂に終わった人が後々、「あの時死ななくて良かった」と感じているケースが多い事などを挙げている。
それが映画に反映されていて、
自殺をするために樹海に入った人の、生への未練というか、迷いという物が表現されている。
張られたロープや、貼られた紙などに。
また、自殺失敗したときの井川遥によぎる過去の記憶。と、微笑。
会話や一人語りがメインになるから、全体的にとにかく喋る。
もうちょっとうまくセリフを減らせると思うんだけどなぁ。
その部分が若干、説明的というか、そんな感じがしました。
ほとんど二時間ちょうどですけど、もう少し時間を減らして視聴者の負担を減らせたはず。
ただまあ、物語としては、個人的には最後まで結構楽しめました。
さんまさんの座右の銘「生きてるだけで丸儲け」というのは、
自分も結構そう思っている部分がありまして。
生きてるってのはそれだけで価値がある。
死んだらそこでお終い。
生前に何を遺言しても、本人が死ねば結局生きている者の意志が最後には強い。
「モーヴァン」という映画でも、主人公の恋人が小説を書いた後に自殺して、遺言で原稿を出版社に送ってくれと頼んだ。
しかし、執筆者の名前を書き換えられて送られてしまう。
死者はたちまち消えてしまうのです。
生きると言うことは辛く苦しいかもしれないが、しかし諸行無常という言葉が示す通り、世の中は移り変わる。辛さも苦しみも永遠ではない。それは、自分で世界を変え得るということである。
死の後に何が待つかわからないが、簡単に生を手放して良いのだろうか?
140億年の歴史の宇宙の、広大な片隅の、ほんの一瞬である生命の連鎖。
今この希少な命、意識を、自分は出来れば、取られるまで手放したくはないと思っています。
井川遥の時のネクタイは、自分はこんな役目ではない、と言っていたのかもしれません。
まだ生きろ、と。
--------------------------------------
切腹という物が昔あった。
それは、恥や責任からくるものです。
逃げではない。
だからといってむやみやたらに切腹されても困るし、
推奨しているわけではありません。
時代が変わって考え方も変わり、
生き恥を晒すならとか、責任を取って、と言う理由で自らの命を絶つ時から、生き続けてなんとかやりなおそうよ、生きてこれからを彩っていこうよ、と言う方向へ転換されてきている。
それは(安易な)死を周りが許さないという形で、
ある種、死を選ぶのに匹敵する辛さかもしれない。
けど、生きると言うことは強いのです。
逃げで死を選ぶのではなく、生きて死ぬ。
(ネタバレ注意)
自殺をテーマにした、四つのストーリー。
自殺の名所である富士の樹海を主な舞台としている。
同じ時間軸の日本で、四つのストーリーが展開される、
オムニバスなのかな、これ?
それぞれの話の繋がりはあまりない。
各話の象徴的な部分が少しだけ交差するのみ。
主な役者さんはAmazonに載ってたこの方達。
萩原聖人
井川 遥
池内博之
津田寛治
塩見三省
小嶺麗奈
小山田サユリ
田村泰二郎
中村麻美
以前テレビ番組でちょこっとだけ取り上げられていた。
制作者が、自殺の多い現代日本において、何とか自殺を減らしたい、
自殺願望のある人へ訴えたいと言う思いで作った、と語っていた。
その言葉を事前に知っていたからだろうか、
自分には、この映画は生きるという事への希望とか、
可能性、素晴らしさを描いているように見えた。
というより、
元々そういう作りだったのを、より強く意識して観ることが出来た。
と言った方が語弊が少ないのかな。
うろ覚えですがそのテレビで言っていたことなのだけど、
自殺願望の人は、本当は死にたくなかったり、止めていれば助かったのでは、
と言うケースが多いらしい。
また、自殺未遂に終わった人が後々、「あの時死ななくて良かった」と感じているケースが多い事などを挙げている。
それが映画に反映されていて、
自殺をするために樹海に入った人の、生への未練というか、迷いという物が表現されている。
張られたロープや、貼られた紙などに。
また、自殺失敗したときの井川遥によぎる過去の記憶。と、微笑。
会話や一人語りがメインになるから、全体的にとにかく喋る。
もうちょっとうまくセリフを減らせると思うんだけどなぁ。
その部分が若干、説明的というか、そんな感じがしました。
ほとんど二時間ちょうどですけど、もう少し時間を減らして視聴者の負担を減らせたはず。
ただまあ、物語としては、個人的には最後まで結構楽しめました。
さんまさんの座右の銘「生きてるだけで丸儲け」というのは、
自分も結構そう思っている部分がありまして。
生きてるってのはそれだけで価値がある。
死んだらそこでお終い。
生前に何を遺言しても、本人が死ねば結局生きている者の意志が最後には強い。
「モーヴァン」という映画でも、主人公の恋人が小説を書いた後に自殺して、遺言で原稿を出版社に送ってくれと頼んだ。
しかし、執筆者の名前を書き換えられて送られてしまう。
死者はたちまち消えてしまうのです。
生きると言うことは辛く苦しいかもしれないが、しかし諸行無常という言葉が示す通り、世の中は移り変わる。辛さも苦しみも永遠ではない。それは、自分で世界を変え得るということである。
死の後に何が待つかわからないが、簡単に生を手放して良いのだろうか?
140億年の歴史の宇宙の、広大な片隅の、ほんの一瞬である生命の連鎖。
今この希少な命、意識を、自分は出来れば、取られるまで手放したくはないと思っています。
井川遥の時のネクタイは、自分はこんな役目ではない、と言っていたのかもしれません。
まだ生きろ、と。
--------------------------------------
切腹という物が昔あった。
それは、恥や責任からくるものです。
逃げではない。
だからといってむやみやたらに切腹されても困るし、
推奨しているわけではありません。
時代が変わって考え方も変わり、
生き恥を晒すならとか、責任を取って、と言う理由で自らの命を絶つ時から、生き続けてなんとかやりなおそうよ、生きてこれからを彩っていこうよ、と言う方向へ転換されてきている。
それは(安易な)死を周りが許さないという形で、
ある種、死を選ぶのに匹敵する辛さかもしれない。
けど、生きると言うことは強いのです。
逃げで死を選ぶのではなく、生きて死ぬ。
DVD ジェネオン エンタテインメント 2005/12/22 ¥3,990
(ややネタバレあるよ)
日本の下手なアクション映画よりは、出来は随分といい方だと思う。
しかしどうしても個人的にはいまいち迫力や緊迫感に欠けているように感じました。
ノウハウは、ハリウッドに比べたら全然だしね。
だから銃撃戦はそこそこ楽しめたけど、それよりも役者さんの演技の方に目がいってしまいました。
中井貴一さんのあの無表情、氷のような目や、僅かな弛みもない口元など、糊で固めたようなあの表情は素晴らしい。
岸辺一徳さんの語りの調子が好きすぎてにやけてしまう。
原田芳雄さんの半分自棄な総理大臣が愛おしい。
「なんで俺の時なんだ」に、心の中で爆笑。
(別に、そういう総理大臣が好き、と言うわけではなくて)
名前が出てこないけど、脇で頑張っていた役者さん達も良かった。
さて、内容。
自分は頭は良くないので、まくし立てられる情報量について行けないのですが。
戦後、日本の文化、歴史、思想などが次々と消えていき、
一体この国に、何の守るべき物があるのだろうか。
という趣旨の声明と、それに共鳴する半島の工作員によって、イージス艦が占拠され、
強奪したアメリカ製の化学兵器によって交渉が繰り広げられる。
という感じ。
テキトウですいません。
登場人物達の動機がいまいち理解できませんでした。
俺の頭が弱いのでしょうか。
理解できたとしても、日本側テロリストたちの動機などが、薄かったようにも……。
原作付きなのでそちらを読めば深く理解できるのかもしれませんが、
これは映画だし、映画単品で理解できるのが望ましい。
だから、一つの映画作品としてみるならば、不十分だと感じました。
(実は原作の上巻をもっていますが、買って数年。まだ全然読んでません)
国、国民とは何だろう。
文化とは、思想とは。
諸行無常。イデオロギー。そして生命。
移り変わっていくし、その時々に応じた物が出来上がっていく。
今はないと思っていても、実はあるのかもしれない。
そしてそれが今の日本なのかもしれない。
あるいは、やはり昔から受け継がれる思想、考え方の源があって、
今に応じた表現をされているのかもしれない。
全くなくなったかと言えば違和感を感じるし、
しかし普遍的というか、多くの人間にあるのかと言えば不安になる。
新しく変化した今の状態が、
良い物なのか、悪い物なのか、自信を持って発言できないのも事実だ。
ただ確実にそこにあるのは、生命。
(ややネタバレあるよ)
日本の下手なアクション映画よりは、出来は随分といい方だと思う。
しかしどうしても個人的にはいまいち迫力や緊迫感に欠けているように感じました。
ノウハウは、ハリウッドに比べたら全然だしね。
だから銃撃戦はそこそこ楽しめたけど、それよりも役者さんの演技の方に目がいってしまいました。
中井貴一さんのあの無表情、氷のような目や、僅かな弛みもない口元など、糊で固めたようなあの表情は素晴らしい。
岸辺一徳さんの語りの調子が好きすぎてにやけてしまう。
原田芳雄さんの半分自棄な総理大臣が愛おしい。
「なんで俺の時なんだ」に、心の中で爆笑。
(別に、そういう総理大臣が好き、と言うわけではなくて)
名前が出てこないけど、脇で頑張っていた役者さん達も良かった。
さて、内容。
自分は頭は良くないので、まくし立てられる情報量について行けないのですが。
戦後、日本の文化、歴史、思想などが次々と消えていき、
一体この国に、何の守るべき物があるのだろうか。
という趣旨の声明と、それに共鳴する半島の工作員によって、イージス艦が占拠され、
強奪したアメリカ製の化学兵器によって交渉が繰り広げられる。
という感じ。
テキトウですいません。
登場人物達の動機がいまいち理解できませんでした。
俺の頭が弱いのでしょうか。
理解できたとしても、日本側テロリストたちの動機などが、薄かったようにも……。
原作付きなのでそちらを読めば深く理解できるのかもしれませんが、
これは映画だし、映画単品で理解できるのが望ましい。
だから、一つの映画作品としてみるならば、不十分だと感じました。
(実は原作の上巻をもっていますが、買って数年。まだ全然読んでません)
国、国民とは何だろう。
文化とは、思想とは。
諸行無常。イデオロギー。そして生命。
移り変わっていくし、その時々に応じた物が出来上がっていく。
今はないと思っていても、実はあるのかもしれない。
そしてそれが今の日本なのかもしれない。
あるいは、やはり昔から受け継がれる思想、考え方の源があって、
今に応じた表現をされているのかもしれない。
全くなくなったかと言えば違和感を感じるし、
しかし普遍的というか、多くの人間にあるのかと言えば不安になる。
新しく変化した今の状態が、
良い物なのか、悪い物なのか、自信を持って発言できないのも事実だ。
ただ確実にそこにあるのは、生命。
稲川淳二の新・恐怖の百物語 その壱
2006年6月18日 映画
DVD エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ 2006/04/26 ¥3,990
(ネタ、バレッから!!)
心霊的怖さが栄養素として不足してきていましたので借りてみました。
素人さん三人が一話ずつ、稲川さんが二話語っています。
素人さんは仕込みなのか本当に素人なのかわかりませんが、
やはり稲川氏と比べると、随分迫力は劣る。
話の素材自体は悪くないと思うんですが、やはり語り方によるのでしょうか。
決して行きすぎた内容でもなく、リアルと言えばリアルです。
で、稲川さんの二話はやはり別格ですね。
とくに最初のビジネスホテルの話は、そうか! というのもあって、倍、面白かったです。
語り方。あの感情の込め方にしろテンポの変動にしろ素晴らしい。
ただ、このDVDは、一時間弱の内容で、稲川さんの話くらいしか満足できなかったので、ちょっと全体的な評価は低い。
稲川さんオンリーのDVD、今度買っちゃおうかな。
ビジネスホテルの話(うろ覚え)↓
伊豆方面の小さなビジネスホテルを利用したときの話。
稲川氏の利用した部屋だけ変な、西洋の宮殿の安っぽい寝室のようなつくりになっていた。
変だなと思いつつ寝ていると、夜中にシャワーの音が聞こえる。
そのうちすぐ傍の引き出し(?)の閉まる音なども聞こえる。
経験が多い稲川氏は、ああまたか、という感じで受け止めて、
とりあえず汗をかいているから、熱いシャワーを浴びて寝てしまおうと考える。
ユニットバスでシャワーを浴びて洗面所を見ると、鏡がない。
よく見ると、取り外されて、穴を埋められた跡がある。
翌朝髭が剃れなくて不便だし変だなと思いながらも、口の中がネバネバしていたので、とりあえず歯磨きをする。
すると、後ろのドアが独りでに閉まって、狭かったのでドアの縁が背中に当たった。
稲川氏は尻で跳ね返して歯磨きを続けるが、
また閉まって背中に当たる。
どけようとしたところでハタと気がついた。
背中に当たっているのは、ドアではなくて、人の手だった。
声も出ずに心の中で絶叫する。
なんとか勇気を出してまたどけて、一拍おいてから振り返るが、そこには誰もいない。
次の日フロントで気になったので訊いてみる。
あの部屋、造りが違いますね、と言うと、あそこの部屋は先代の女性が使用していた部屋だったらしい。
そこで稲川氏はもしやと思う。
鏡が付いていませんでしたね、と訊くと、フロントの男性は、
あれは先代が外させたんですよ、と言う。
そして稲川氏は気付く。
ドアが当たって反射的に顔を上げれば、目の前の鏡を見ることになる。
すると、鏡に映った、自分の後ろにいる「何か」を見てしまうことになる。
稲川氏の背中に当たった手は、きっと先代の女性ではない。
先代の女性はおそらくその「何か」を見ている。
だから外させたのだ、と。
(ネタ、バレッから!!)
心霊的怖さが栄養素として不足してきていましたので借りてみました。
素人さん三人が一話ずつ、稲川さんが二話語っています。
素人さんは仕込みなのか本当に素人なのかわかりませんが、
やはり稲川氏と比べると、随分迫力は劣る。
話の素材自体は悪くないと思うんですが、やはり語り方によるのでしょうか。
決して行きすぎた内容でもなく、リアルと言えばリアルです。
で、稲川さんの二話はやはり別格ですね。
とくに最初のビジネスホテルの話は、そうか! というのもあって、倍、面白かったです。
語り方。あの感情の込め方にしろテンポの変動にしろ素晴らしい。
ただ、このDVDは、一時間弱の内容で、稲川さんの話くらいしか満足できなかったので、ちょっと全体的な評価は低い。
稲川さんオンリーのDVD、今度買っちゃおうかな。
ビジネスホテルの話(うろ覚え)↓
伊豆方面の小さなビジネスホテルを利用したときの話。
稲川氏の利用した部屋だけ変な、西洋の宮殿の安っぽい寝室のようなつくりになっていた。
変だなと思いつつ寝ていると、夜中にシャワーの音が聞こえる。
そのうちすぐ傍の引き出し(?)の閉まる音なども聞こえる。
経験が多い稲川氏は、ああまたか、という感じで受け止めて、
とりあえず汗をかいているから、熱いシャワーを浴びて寝てしまおうと考える。
ユニットバスでシャワーを浴びて洗面所を見ると、鏡がない。
よく見ると、取り外されて、穴を埋められた跡がある。
翌朝髭が剃れなくて不便だし変だなと思いながらも、口の中がネバネバしていたので、とりあえず歯磨きをする。
すると、後ろのドアが独りでに閉まって、狭かったのでドアの縁が背中に当たった。
稲川氏は尻で跳ね返して歯磨きを続けるが、
また閉まって背中に当たる。
どけようとしたところでハタと気がついた。
背中に当たっているのは、ドアではなくて、人の手だった。
声も出ずに心の中で絶叫する。
なんとか勇気を出してまたどけて、一拍おいてから振り返るが、そこには誰もいない。
次の日フロントで気になったので訊いてみる。
あの部屋、造りが違いますね、と言うと、あそこの部屋は先代の女性が使用していた部屋だったらしい。
そこで稲川氏はもしやと思う。
鏡が付いていませんでしたね、と訊くと、フロントの男性は、
あれは先代が外させたんですよ、と言う。
そして稲川氏は気付く。
ドアが当たって反射的に顔を上げれば、目の前の鏡を見ることになる。
すると、鏡に映った、自分の後ろにいる「何か」を見てしまうことになる。
稲川氏の背中に当たった手は、きっと先代の女性ではない。
先代の女性はおそらくその「何か」を見ている。
だから外させたのだ、と。
DVD ポニーキャニオン 2005/01/19 ¥3,990
(ネタはあがってんだ!バレてるんだよ!)
リンダリンダリンダでペ・ドゥナにやられてしまって、
半分彼女目当てで観ました。
作品自体も好きそうな感じだったんですが、まあまあ。
ペ・ドゥナが良かったなぁ。
あと、子猫のティティが凄い可愛い。
養いたい。
あの子猫を養いたい。
壁紙とかベロベロにされてもいいからさ……。
映画の内容は。
高校の頃仲良しだった五人組。
卒業後は時々集まっては遊んだりするが、社会の厳しさや家庭、自分自身との葛藤を経て、それぞれの道を歩き出していく。
という感じ。
社会に出始めた頃のあの感じを思い出しました。
基本的にテヒとジヨンとヘジュの三人がメインで、
双子姉妹は脇。
内容的は上記のような感じで、青春時代の1ページ。
学生の頃は夢を色々描けたし、学校に行って勉強をして仲間と遊んだりしながらコミュニケーションをとれれば良かった。
ある種のモラトリアム。
でも社会に出れば違う。
時間が無くなる。仕事をしなければいけないし、経済的にもだんだんと自立を迫られる。
それぞれにそれぞれの世界が出来ていく中で、自分はどう進んでいけばいいのか。
そこにとどまるのか、一歩を踏み出すのか。
監督は初めての映画だったらしく、
全体的に繋ぎ方とかが少し拙いような気がしなくもないけど、
雰囲気は出ているし、佳作。良作。
とにかくあの猫が素晴らしかった。
ニー、ニー。
(ネタはあがってんだ!バレてるんだよ!)
リンダリンダリンダでペ・ドゥナにやられてしまって、
半分彼女目当てで観ました。
作品自体も好きそうな感じだったんですが、まあまあ。
ペ・ドゥナが良かったなぁ。
あと、子猫のティティが凄い可愛い。
養いたい。
あの子猫を養いたい。
壁紙とかベロベロにされてもいいからさ……。
映画の内容は。
高校の頃仲良しだった五人組。
卒業後は時々集まっては遊んだりするが、社会の厳しさや家庭、自分自身との葛藤を経て、それぞれの道を歩き出していく。
という感じ。
社会に出始めた頃のあの感じを思い出しました。
基本的にテヒとジヨンとヘジュの三人がメインで、
双子姉妹は脇。
内容的は上記のような感じで、青春時代の1ページ。
学生の頃は夢を色々描けたし、学校に行って勉強をして仲間と遊んだりしながらコミュニケーションをとれれば良かった。
ある種のモラトリアム。
でも社会に出れば違う。
時間が無くなる。仕事をしなければいけないし、経済的にもだんだんと自立を迫られる。
それぞれにそれぞれの世界が出来ていく中で、自分はどう進んでいけばいいのか。
そこにとどまるのか、一歩を踏み出すのか。
監督は初めての映画だったらしく、
全体的に繋ぎ方とかが少し拙いような気がしなくもないけど、
雰囲気は出ているし、佳作。良作。
とにかくあの猫が素晴らしかった。
ニー、ニー。
ロード・オブ・ウォー
2006年6月11日 映画
DVD 日活 2006/06/09 ¥3,990
(ネタバレ付き)
これは、重たいのきた。
映画宣伝ではもっとポップなというか、ユーモアな部分を出した映画かと思ったら、全然。
いや、確かに主人公の視点で軽妙に淡々と描いていくあたりおもしろいけど、
これはズシリとくる。
まあ、単なるエンターテイメントだと思ってたら、借りなかったけどね。
主人公は武器商人として、非常に法律的にぎりぎりな方法や、あるいはもう真っ黒黒助な方法で海外の紛争地などに武器弾薬兵器を売って売って売りまくる。
世界中で罪のない人が自分の売った武器によって殺されようがそんなものは関係ない。
商才があるらしく、彼は次第に財をなしていき、美しい妻と子供にも恵まれる。
だが、しかし途中から、金が増えていくたびに、彼は弟や、(ライバルの)同業者や、親戚、家族や親を失っていく。
自分に深く関わった者の死ですら、彼を止めることは出来ず、結局また、彼は戦場に取引をするため戻っていく。
最後に至っては、もう、多くを失いすぎたからだろうか。
人を食ったようなニコラス・ケイジの演技で、彼の内面はいまいちわからない。
深い葛藤もあまりなく、淡々と進んでいく。
周りの人間が彼の代わりに悩み苦しんでさえいるようだ。
紛争にはアメリカなどが武器を売ったりして噛んでいるというのは聞いたことあるけど、
そういった物の裏側の世界、無間地獄を見た気分。
紛争地の組織名はどれも立派だ。しかし実際は〜
の件はいや、ほんとにその通り。
世界の良心が目覚めるまで争いが無くなることはありません。
(ネタバレ付き)
これは、重たいのきた。
映画宣伝ではもっとポップなというか、ユーモアな部分を出した映画かと思ったら、全然。
いや、確かに主人公の視点で軽妙に淡々と描いていくあたりおもしろいけど、
これはズシリとくる。
まあ、単なるエンターテイメントだと思ってたら、借りなかったけどね。
主人公は武器商人として、非常に法律的にぎりぎりな方法や、あるいはもう真っ黒黒助な方法で海外の紛争地などに武器弾薬兵器を売って売って売りまくる。
世界中で罪のない人が自分の売った武器によって殺されようがそんなものは関係ない。
商才があるらしく、彼は次第に財をなしていき、美しい妻と子供にも恵まれる。
だが、しかし途中から、金が増えていくたびに、彼は弟や、(ライバルの)同業者や、親戚、家族や親を失っていく。
自分に深く関わった者の死ですら、彼を止めることは出来ず、結局また、彼は戦場に取引をするため戻っていく。
最後に至っては、もう、多くを失いすぎたからだろうか。
人を食ったようなニコラス・ケイジの演技で、彼の内面はいまいちわからない。
深い葛藤もあまりなく、淡々と進んでいく。
周りの人間が彼の代わりに悩み苦しんでさえいるようだ。
紛争にはアメリカなどが武器を売ったりして噛んでいるというのは聞いたことあるけど、
そういった物の裏側の世界、無間地獄を見た気分。
紛争地の組織名はどれも立派だ。しかし実際は〜
の件はいや、ほんとにその通り。
世界の良心が目覚めるまで争いが無くなることはありません。
スクール・オブ・ロック スペシャル・コレクターズ・エディション
2006年6月9日 映画
DVD パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン 2004/09/17 ¥4,179
(ネタバレ。えだまめ)
最近重い映画ばかり見て、とても良かったんですが、
結構気分的に沈んじゃいましてねぇ。
でも、この映画のおかげで少しは気持ちが元気になりました。
超お馬鹿でぶっ飛んでるROCK映画。
自分で作ったバンドを追い出され、居候状態の友人宅(ほんとは自分の家)をも追い出されそうになり、金が必要になったデューイは、友人になりすまして補充教員として子供達を教えることに。
と言ってもデタラメで無茶苦茶でROCK狂の彼は、生徒にギターやベースをもたせてしまう……。
主役は、なんか、知る人ぞ知るという感じのROCKバンドをやっているらしいジャック・ブラック。
俺は知りません。
結構無知なのです。
校長先生とか友人役の人とか、結構好きだなぁ。
展開は、まあ、あの、「天使にラブソングを」とか「スウィングガールズ」とか、あの辺の感じ。
ちょっと違うけど。
とにかく主演のジャック・ブラックさんが物凄い。
存在感が。
彼じゃなかったら無理やろ、と言うか、ちんけな映画になっていたに違いない、と言うくらい。
エレファントカシマシのボーカルさん並に、とにかく手が動く。
内から湧き上がる物を体で表現しようとする。
この映画にリアリティとかそういう物は端から考えてはいけないのだけど、
唯一リアルだなと思えるのは、この人だったらこういう事やりかねない、という感じ。
ROCKについて熱く語る部分は、いやあ、元気にさせてもらった。
ありがとうございます。
これからも心の中にROCKを抱いていこうと思います。
この映画では、ROCKは反抗(心)という風に語られていますが、
自分の中では、勝手だけど、ROCKと言う物を必ずしも定義出来る物ではないと考えていまして、
そのROCKと言う器に何を入れるのか、ROCKとは何かを探すのは、
一つの命題ではないかとも考えているのです。
最後のステージでの演奏シーン、カタルシスはスウィングガールズなどに比べたら随分少なかったように感じましたが、
それでも何か、ちょっと泣きそうになってしまいましたよ。
いやあ。
とにかく、スカッと、駆け抜けていく感じ。
真夏の青空の下で、炭酸飲料を飲む感じでした。
(ネタバレ。えだまめ)
最近重い映画ばかり見て、とても良かったんですが、
結構気分的に沈んじゃいましてねぇ。
でも、この映画のおかげで少しは気持ちが元気になりました。
超お馬鹿でぶっ飛んでるROCK映画。
自分で作ったバンドを追い出され、居候状態の友人宅(ほんとは自分の家)をも追い出されそうになり、金が必要になったデューイは、友人になりすまして補充教員として子供達を教えることに。
と言ってもデタラメで無茶苦茶でROCK狂の彼は、生徒にギターやベースをもたせてしまう……。
主役は、なんか、知る人ぞ知るという感じのROCKバンドをやっているらしいジャック・ブラック。
俺は知りません。
結構無知なのです。
校長先生とか友人役の人とか、結構好きだなぁ。
展開は、まあ、あの、「天使にラブソングを」とか「スウィングガールズ」とか、あの辺の感じ。
ちょっと違うけど。
とにかく主演のジャック・ブラックさんが物凄い。
存在感が。
彼じゃなかったら無理やろ、と言うか、ちんけな映画になっていたに違いない、と言うくらい。
エレファントカシマシのボーカルさん並に、とにかく手が動く。
内から湧き上がる物を体で表現しようとする。
この映画にリアリティとかそういう物は端から考えてはいけないのだけど、
唯一リアルだなと思えるのは、この人だったらこういう事やりかねない、という感じ。
ROCKについて熱く語る部分は、いやあ、元気にさせてもらった。
ありがとうございます。
これからも心の中にROCKを抱いていこうと思います。
この映画では、ROCKは反抗(心)という風に語られていますが、
自分の中では、勝手だけど、ROCKと言う物を必ずしも定義出来る物ではないと考えていまして、
そのROCKと言う器に何を入れるのか、ROCKとは何かを探すのは、
一つの命題ではないかとも考えているのです。
最後のステージでの演奏シーン、カタルシスはスウィングガールズなどに比べたら随分少なかったように感じましたが、
それでも何か、ちょっと泣きそうになってしまいましたよ。
いやあ。
とにかく、スカッと、駆け抜けていく感じ。
真夏の青空の下で、炭酸飲料を飲む感じでした。
DVD バンダイビジュアル 2005/03/11 ¥3,990
素晴らしい映画です。なので、何も書くことが出来ません。
素晴らしい映画です。
無駄な画が一つもありません。
是非、観てください。
-----------------------
「誰も知らない」や「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」など、
実話を元に、多くを脚色や想像で補った映画というのがある。
新聞の一面のほんの片隅に、簡単な事件の事実だけが書かれていて、
次の日には誰の記憶からも消え去ってしまうような事、
そういった背景には、もしかしたら、こういった出来事が起こっていたかもしれないのです。
物語は、其処此処に散らばっています。
星空が物語りでもあるように。
(誰も知らない、リチャード・ニクソン〜と、自分の中のネガティブな面、ナイーブな面をえぐるような映画を最近続けて観てしまいまして、とても心に重く垂れています。これを、プラスにしていかなければ)
素晴らしい映画です。なので、何も書くことが出来ません。
素晴らしい映画です。
無駄な画が一つもありません。
是非、観てください。
-----------------------
「誰も知らない」や「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」など、
実話を元に、多くを脚色や想像で補った映画というのがある。
新聞の一面のほんの片隅に、簡単な事件の事実だけが書かれていて、
次の日には誰の記憶からも消え去ってしまうような事、
そういった背景には、もしかしたら、こういった出来事が起こっていたかもしれないのです。
物語は、其処此処に散らばっています。
星空が物語りでもあるように。
(誰も知らない、リチャード・ニクソン〜と、自分の中のネガティブな面、ナイーブな面をえぐるような映画を最近続けて観てしまいまして、とても心に重く垂れています。これを、プラスにしていかなければ)
リチャード・ニクソン暗殺を企てた男
2006年5月27日 映画
DVD ポニーキャニオン 2006/01/27 ¥3,990
(ネタをバラしますよー)
救いがない。
これを見終わると、自殺をしたくなる事請け合いです。
まず政治的な色合いは全然ありません。
とにかく、この孤独で、理念はあるが周りが見えていなくて、精神的に成熟していない男が、その自身の融通の利かなさによって破滅していく人生。
客に嘘をついて金儲けをするのが嫌だ、もっとフェアに商売をしたい。
と言う考えの主人公は、当然ながら仕事の成績も良くなく、職についてもすぐに辞め、また別の職についてすぐ辞めるという生活を送っていた。
妻子と別居をしていて、彼は家庭を何とか再生したい。
しかし自我が強く、自己主張ばかりで、口だけ。不用意な言葉で相手を不快にさせたりして、家族の心は離れていく。
親友ともやはり同じ要領で上手くいかない。
経済的に上手くいかない状況を何とか打破しようとしても、空回り。
親類さえも遠くに行ってしまい、いよいよ孤独は極まっていく。
彼の主張はある意味では正しいのかもしれない。
でも結局、丸い穴に四角いネジが入らないように、その世界で生きていくならば、その仕組みの中で生きていくしかないわけです。
勝手に自分ひとりだけで生きていくならばまだしも、他人と関係しているのなら、尚更です。生活のためにも。
最後に賭けた事業への融資が降りず、彼は国民を裏切った大統領に恨みを向けていく。
でも、でもでもでも。
彼は嘘や欺きを嫌いますが、彼自身、人に対して嘘をつきます。何回も。
結局は、彼自身の資質の問題なのです。
いやー、しかし、これはずしりと心に重く落ちる映画だ。
(ネタをバラしますよー)
救いがない。
これを見終わると、自殺をしたくなる事請け合いです。
まず政治的な色合いは全然ありません。
とにかく、この孤独で、理念はあるが周りが見えていなくて、精神的に成熟していない男が、その自身の融通の利かなさによって破滅していく人生。
客に嘘をついて金儲けをするのが嫌だ、もっとフェアに商売をしたい。
と言う考えの主人公は、当然ながら仕事の成績も良くなく、職についてもすぐに辞め、また別の職についてすぐ辞めるという生活を送っていた。
妻子と別居をしていて、彼は家庭を何とか再生したい。
しかし自我が強く、自己主張ばかりで、口だけ。不用意な言葉で相手を不快にさせたりして、家族の心は離れていく。
親友ともやはり同じ要領で上手くいかない。
経済的に上手くいかない状況を何とか打破しようとしても、空回り。
親類さえも遠くに行ってしまい、いよいよ孤独は極まっていく。
彼の主張はある意味では正しいのかもしれない。
でも結局、丸い穴に四角いネジが入らないように、その世界で生きていくならば、その仕組みの中で生きていくしかないわけです。
勝手に自分ひとりだけで生きていくならばまだしも、他人と関係しているのなら、尚更です。生活のためにも。
最後に賭けた事業への融資が降りず、彼は国民を裏切った大統領に恨みを向けていく。
でも、でもでもでも。
彼は嘘や欺きを嫌いますが、彼自身、人に対して嘘をつきます。何回も。
結局は、彼自身の資質の問題なのです。
いやー、しかし、これはずしりと心に重く落ちる映画だ。
レイクサイド マーダーケース
2006年5月27日 映画
DVD ポニーキャニオン 2005/07/29
(いったんネタバレでーす)(タモリ風味)
東野圭吾氏の小説が原作。
監督は「ユリイカ」などで評価を得ている青山真治氏。
役者が凄い。
役所広司、柄本明、豊川悦司、薬師丸ひろ子、杉田かおる他。
杉田かおるの演技は、実は初めて見るかも。
内容は、サスペンスミステリー?
湖畔の別荘で勉強合宿のために集まった三組の親子と、家庭教師。
そこにやってきた主人公の愛人が殺される。
犯行を自白する妻、受験への影響を恐れて隠蔽しようとする親たち。
主人公は反対しながらも荷担するが……。
と言う展開。
全体的に薄気味悪い部分がちょこちょこあるし、最後なんかは背筋がぞくっとするけれど、それでも割とあっさり観ることが出来た。
なんというか、一般的な謎解き物とはやや趣向が違う。
誰が何のためにやったのか、という部分が焦点になってくる。
そこの部分は見る人を飽きさせないための、引っ張る綱と言うか、そんな感じ。
背景には、お受験(あるいはお受験に代表される教育方針)、親子関係、個人としての子供。
あと何か引っかかる部分があるんだけど、とりあえずそんなところだと思う。
最後の方で柄本の妻だったか杉田かおるだったかが言った言葉に集約されていると思う。
それの極端な結果、一例として、今回の一件を描いていると思う。
自分にはまだちょっと実感、共感の湧きにくい事ではありますが、
収束の仕方ではある程度納得できます。上手い具合に収まったかな、と。
しかし、親のあり方、それは甘さだけではないからね。
というのも、結局子供も一個人なわけです。
理解できない、と言っていましたが、それはつまり、全く独立した思考を持っている、ということです。
小学生でも中学生でも、実際こちらが思っている以上にいろいろなことを考えていますし、そうなってくると、一人の人間として責任が問われてくるわけです。
その認識をどう与えるか、というのが、難しいところではありますが。
役者さんはもうみんな素晴らしい方々なので観ていてよだれが出るくらい良かったです。
特に、映画宣伝では役所さんが凄かったのですが、役所さんと並んで柄本さんの存在感が突出していました。
二人の会話のシーンは、とても良かった。良い意味でゾクゾクする。
(いったんネタバレでーす)(タモリ風味)
東野圭吾氏の小説が原作。
監督は「ユリイカ」などで評価を得ている青山真治氏。
役者が凄い。
役所広司、柄本明、豊川悦司、薬師丸ひろ子、杉田かおる他。
杉田かおるの演技は、実は初めて見るかも。
内容は、サスペンスミステリー?
湖畔の別荘で勉強合宿のために集まった三組の親子と、家庭教師。
そこにやってきた主人公の愛人が殺される。
犯行を自白する妻、受験への影響を恐れて隠蔽しようとする親たち。
主人公は反対しながらも荷担するが……。
と言う展開。
全体的に薄気味悪い部分がちょこちょこあるし、最後なんかは背筋がぞくっとするけれど、それでも割とあっさり観ることが出来た。
なんというか、一般的な謎解き物とはやや趣向が違う。
誰が何のためにやったのか、という部分が焦点になってくる。
そこの部分は見る人を飽きさせないための、引っ張る綱と言うか、そんな感じ。
背景には、お受験(あるいはお受験に代表される教育方針)、親子関係、個人としての子供。
あと何か引っかかる部分があるんだけど、とりあえずそんなところだと思う。
最後の方で柄本の妻だったか杉田かおるだったかが言った言葉に集約されていると思う。
それの極端な結果、一例として、今回の一件を描いていると思う。
自分にはまだちょっと実感、共感の湧きにくい事ではありますが、
収束の仕方ではある程度納得できます。上手い具合に収まったかな、と。
しかし、親のあり方、それは甘さだけではないからね。
というのも、結局子供も一個人なわけです。
理解できない、と言っていましたが、それはつまり、全く独立した思考を持っている、ということです。
小学生でも中学生でも、実際こちらが思っている以上にいろいろなことを考えていますし、そうなってくると、一人の人間として責任が問われてくるわけです。
その認識をどう与えるか、というのが、難しいところではありますが。
役者さんはもうみんな素晴らしい方々なので観ていてよだれが出るくらい良かったです。
特に、映画宣伝では役所さんが凄かったのですが、役所さんと並んで柄本さんの存在感が突出していました。
二人の会話のシーンは、とても良かった。良い意味でゾクゾクする。
DVD バンダイビジュアル 2006/04/07
(ネタはバラすためにあるんだよ)
何だこれはわけがわからん。
と言うのが正直な感想。
キャッチコピーで、
「全てを見るまでは何も語れない」
「全てを見終わると何も語れない」
と言うのがあるんだけどその通りで、
見ている途中が一番、ああじゃないか、こうじゃないかと推測できる。
外れるんだけどね。
物語には二人のたけしが出てきて、
一人は芸能人として成功しているたけし、
もう一人は成功していないたけし。
物語は途中から冴えないたけし主体になっていって、
内容もだんだんと現実感のない展開になってくる。
夢なのか妄想なのか真実なのか。
様々なシーンが交錯して混迷を極めていく。
と言う感じ。
個人的にはもうわけわからんし、独断と偏見で勝手な事を言わせてもらいます。
これはアホ映画です。
最終的にこれは夢オチのような、あるいはそれに近いような事なのではと思います。
夢というのは、起きている時に見たこと(特に印象に残っていること)などが、脈絡無く織り交ざって変なストーリーを作ります。さらに寝ている最中でも、外的要因(つつかれたり、音がしたり)によって変化が生じます。
この映画は、そういった夢の中の不自然さやへんてこさ、不条理さなどなどを映像にした、と言う感じではないでしょうか。そしてそのアホな感じで笑わせよう、とか。
(もっと言えば、戸惑っているこちらの反応を楽しもう、とか)
北野監督は以前の作品でもちょこちょこしょうもないギャグとかを入れて受けを狙っている方なので、意外とそんなものなのかも。
ちゃんとしたストーリーのある映画を観たい人には何じゃコリャとなりますね。
でも思わず笑ってしまう場面も多かったし(コンビニで告白される場面が強烈だった笑)、
いろいろ考えながら観れたので、決して嫌いではないです。
不思議な映画やねぇ。
(ネタはバラすためにあるんだよ)
何だこれはわけがわからん。
と言うのが正直な感想。
キャッチコピーで、
「全てを見るまでは何も語れない」
「全てを見終わると何も語れない」
と言うのがあるんだけどその通りで、
見ている途中が一番、ああじゃないか、こうじゃないかと推測できる。
外れるんだけどね。
物語には二人のたけしが出てきて、
一人は芸能人として成功しているたけし、
もう一人は成功していないたけし。
物語は途中から冴えないたけし主体になっていって、
内容もだんだんと現実感のない展開になってくる。
夢なのか妄想なのか真実なのか。
様々なシーンが交錯して混迷を極めていく。
と言う感じ。
個人的にはもうわけわからんし、独断と偏見で勝手な事を言わせてもらいます。
これはアホ映画です。
最終的にこれは夢オチのような、あるいはそれに近いような事なのではと思います。
夢というのは、起きている時に見たこと(特に印象に残っていること)などが、脈絡無く織り交ざって変なストーリーを作ります。さらに寝ている最中でも、外的要因(つつかれたり、音がしたり)によって変化が生じます。
この映画は、そういった夢の中の不自然さやへんてこさ、不条理さなどなどを映像にした、と言う感じではないでしょうか。そしてそのアホな感じで笑わせよう、とか。
(もっと言えば、戸惑っているこちらの反応を楽しもう、とか)
北野監督は以前の作品でもちょこちょこしょうもないギャグとかを入れて受けを狙っている方なので、意外とそんなものなのかも。
ちゃんとしたストーリーのある映画を観たい人には何じゃコリャとなりますね。
でも思わず笑ってしまう場面も多かったし(コンビニで告白される場面が強烈だった笑)、
いろいろ考えながら観れたので、決して嫌いではないです。
不思議な映画やねぇ。
DVD 東宝 2003/03/21
(ネタバレとか、ありますから)
長い。
と、天下の黒澤明作品に言ってみる。
後半の葬式の場面がとにかく長い。
もちろん、回想形式にすることに効果があるのかもしれないのですが、
酔っ払いの「でも、だから」問答が果てしなく続くのが、
どうにも耐えられなかったです。
でもまあしかし、気になったのはその辺りくらい。
「命短し恋せよ乙女」(ゴンドラの唄、と言うんですね。知りませんでした)を歌う件が二回ありますが、
その両方共目がウルッとしてしまいました。
人間、期限を切られると、やり遂げようと焦り、熱が入ります。
ましてや命の期限が切られたら。
しかし何を成すべきか、目的などわからない人もいるでしょう。
でもそれはなんでもいいんですよね。
例えば、陶芸で家族の茶碗を作る、それだけでもいいのです。
もちろん、物でなくても。
何をしたか、そして何を残したか、ということなのです。
人は明確な期限や危機感がないと、意外と日々を惰性で過ごしやすい。
意識の大きな変化は、環境や自身に関する大きな変化がなければ起こりにくい。
人は簡単に歳を取ります。
そして、あっという間に死にます。
あなたはいつ死ぬでしょう。
明日に死なない保証などあるでしょうか?
本当ならば、毎日が情熱に溢れ、目的を成し遂げようとするべきなのです。
しかし、人は日常に埋もれます。
一瞬の感化は、あっさりと忘れ去られます。
まずまずの、あるいはなあなあの日々を積み重ねて、そうして人は死んでいきます。
時々考えることがあります。
自分がもしいきなり余命半年とか、一年とか言われたとしたら、
一体何をするだろうと。
半年とか一年では、やりたいことが多くて、結局何も選べないのではないか、とか。
あるいは、成すことに意味を見出せないのでは、とか。
しかし、この映画を観て、今自分に何ができるか、
日々の積み重ねで、一つ一つ何かを成していこうと思いました。
(余談ですが、頭の悪そうな若者は今も昔も同じだな、と思いました)
(あと、小説家の役者さんが、なんか見覚えあるんですよね。誰だっけなぁ……)
(ネタバレとか、ありますから)
長い。
と、天下の黒澤明作品に言ってみる。
後半の葬式の場面がとにかく長い。
もちろん、回想形式にすることに効果があるのかもしれないのですが、
酔っ払いの「でも、だから」問答が果てしなく続くのが、
どうにも耐えられなかったです。
でもまあしかし、気になったのはその辺りくらい。
「命短し恋せよ乙女」(ゴンドラの唄、と言うんですね。知りませんでした)を歌う件が二回ありますが、
その両方共目がウルッとしてしまいました。
人間、期限を切られると、やり遂げようと焦り、熱が入ります。
ましてや命の期限が切られたら。
しかし何を成すべきか、目的などわからない人もいるでしょう。
でもそれはなんでもいいんですよね。
例えば、陶芸で家族の茶碗を作る、それだけでもいいのです。
もちろん、物でなくても。
何をしたか、そして何を残したか、ということなのです。
人は明確な期限や危機感がないと、意外と日々を惰性で過ごしやすい。
意識の大きな変化は、環境や自身に関する大きな変化がなければ起こりにくい。
人は簡単に歳を取ります。
そして、あっという間に死にます。
あなたはいつ死ぬでしょう。
明日に死なない保証などあるでしょうか?
本当ならば、毎日が情熱に溢れ、目的を成し遂げようとするべきなのです。
しかし、人は日常に埋もれます。
一瞬の感化は、あっさりと忘れ去られます。
まずまずの、あるいはなあなあの日々を積み重ねて、そうして人は死んでいきます。
時々考えることがあります。
自分がもしいきなり余命半年とか、一年とか言われたとしたら、
一体何をするだろうと。
半年とか一年では、やりたいことが多くて、結局何も選べないのではないか、とか。
あるいは、成すことに意味を見出せないのでは、とか。
しかし、この映画を観て、今自分に何ができるか、
日々の積み重ねで、一つ一つ何かを成していこうと思いました。
(余談ですが、頭の悪そうな若者は今も昔も同じだな、と思いました)
(あと、小説家の役者さんが、なんか見覚えあるんですよね。誰だっけなぁ……)
DVD ジェネオン エンタテインメント 2003/08/22
(ネタ、バレ雄)
ただ淡々と刑務所の生活を描写する、その中での主人公の心理や思い考えが表白されていく映画。
原作者の体験記らしいね。
刑務所の過酷さを描くというよりは、どこかコミカルな雰囲気を描いていて、
人によっては刑務所に行ってみても良いかも、などと思ってしまいそう。
それというのも、主人公の飄々(ひょうひょう)としていて、
じっと冷静に物事を観察している視点がそうさせるのだろう。
刑務所の中の人間も、個性的で面白い。
シャバの世界でそんなこと言ったら普通に怖い人だろう、
というのが、刑務所の中ではなんだか滑稽と言うか、可笑しくなってしまう。
この映画の中では、ご飯を食べる、というシーンが結構ある。戦場のピアニストも飯ばっか食ってる映画だったけど、この映画も食事にありつくシーンが印象に残る。
しかも、出てくる食べ物は安物ばっかなんだけど、それがまたおいしそうなんだ。
たまに出て来る小豆餡とかバターのなんとおいしそうなことか。囚人さんもみんな凄くおいしそうに食べていて。
色々なものが制限され、当然食事も制限される中で、豪華さやおいしさの基準が低まっていくわけです。舌がそれに慣れてくれば、ちょっとしたものでも、人間満足できるのです。
さてまあ、自分は結局これを観ていて、やっぱり務所暮らしは嫌だな、と思いました。
ただでさえ集団生活が嫌だし、体育会系の規律に縛られた生活とか無理っぽいのに、
これを数ヶ月、数年(慣れればわからんけどね)続けるということを考えると、滅入る。
これを観て、なるべく入らないように気をつけようと思いました。
ただし、この生活が合う人や、この生活よりもひどい環境にいた人なんかには、天国だろうね。
毎日質素とはいえ、おいしいご飯が食べられて、気が合うかどうかはわからんけど、
コミュニケーションできる相手がいて、それなりに労働、運動して。
お布団で寝られるし、二日置きとはいえ、お風呂にも入れる。
役者さんは、野郎ばっかですが、もうみんな素晴らしいです。
山崎努さん大好きです。
(出てないけど)緒方拳さんも好きで、緒方さんが陽なら、山崎さんは陰という感じがします。
笑顔とか、内面から闇が滲み出るような、ただの笑顔じゃあない。
香川照之さんやら大杉漣さん、木下ほうかさんとか、長江さんとか、好きだなぁ。
椎名桔平さんの件も面白かった。
ただ、みんな坊主で同じ服着てるので、自分の場合、一部見分け辛かったです。
楽しめることは楽しめるけれども、そんな、物凄い傑作、というわけではない。と思います。
ストーリー性を求めている方からしたら、なんか拍子抜けするというか、
時には退屈もしてしまうでしょう。
(ネタ、バレ雄)
ただ淡々と刑務所の生活を描写する、その中での主人公の心理や思い考えが表白されていく映画。
原作者の体験記らしいね。
刑務所の過酷さを描くというよりは、どこかコミカルな雰囲気を描いていて、
人によっては刑務所に行ってみても良いかも、などと思ってしまいそう。
それというのも、主人公の飄々(ひょうひょう)としていて、
じっと冷静に物事を観察している視点がそうさせるのだろう。
刑務所の中の人間も、個性的で面白い。
シャバの世界でそんなこと言ったら普通に怖い人だろう、
というのが、刑務所の中ではなんだか滑稽と言うか、可笑しくなってしまう。
この映画の中では、ご飯を食べる、というシーンが結構ある。戦場のピアニストも飯ばっか食ってる映画だったけど、この映画も食事にありつくシーンが印象に残る。
しかも、出てくる食べ物は安物ばっかなんだけど、それがまたおいしそうなんだ。
たまに出て来る小豆餡とかバターのなんとおいしそうなことか。囚人さんもみんな凄くおいしそうに食べていて。
色々なものが制限され、当然食事も制限される中で、豪華さやおいしさの基準が低まっていくわけです。舌がそれに慣れてくれば、ちょっとしたものでも、人間満足できるのです。
さてまあ、自分は結局これを観ていて、やっぱり務所暮らしは嫌だな、と思いました。
ただでさえ集団生活が嫌だし、体育会系の規律に縛られた生活とか無理っぽいのに、
これを数ヶ月、数年(慣れればわからんけどね)続けるということを考えると、滅入る。
これを観て、なるべく入らないように気をつけようと思いました。
ただし、この生活が合う人や、この生活よりもひどい環境にいた人なんかには、天国だろうね。
毎日質素とはいえ、おいしいご飯が食べられて、気が合うかどうかはわからんけど、
コミュニケーションできる相手がいて、それなりに労働、運動して。
お布団で寝られるし、二日置きとはいえ、お風呂にも入れる。
役者さんは、野郎ばっかですが、もうみんな素晴らしいです。
山崎努さん大好きです。
(出てないけど)緒方拳さんも好きで、緒方さんが陽なら、山崎さんは陰という感じがします。
笑顔とか、内面から闇が滲み出るような、ただの笑顔じゃあない。
香川照之さんやら大杉漣さん、木下ほうかさんとか、長江さんとか、好きだなぁ。
椎名桔平さんの件も面白かった。
ただ、みんな坊主で同じ服着てるので、自分の場合、一部見分け辛かったです。
楽しめることは楽しめるけれども、そんな、物凄い傑作、というわけではない。と思います。
ストーリー性を求めている方からしたら、なんか拍子抜けするというか、
時には退屈もしてしまうでしょう。
パッチギ ! スタンダード・エディション
2006年5月12日 映画
DVD ハピネット・ピクチャーズ 2005/07/29 ¥3,990
(ネタバレ注意)
傑作です。
この間テレビで放送されたゲロッパを途中まで見ましたけど、
登場人物達の掛け合いで笑わせるのはほんとにうまいというか、面白い。
若い役者たちの勢いある演技でギラギラしていて、重たいテーマを勢いよくぐんぐん引っ張っています。
最後まで見ていて思うのは、やっぱり若い人間、新たな世代が、複雑でこじれた関係をプラスにしていくということ。もちろんそれは単純な親交ではなく、重たいものを抱えているわけですけど。
歴史認識に関しては少々異議があったりもする。こちらを正当化するわけではないけど。
こちらの無知も悪いが、相手の頑なさもまた問題だとみていて思う。
だいたい南北分断なんてソ連とアメリカの問題だろと、無責任に言ってみる。
なぜここまで複雑になるかといえば、あちらの国の歴史歪曲も一役買っている。
まあとにかく、良い映画ですよ。
愛だね、愛。
(ネタバレ注意)
傑作です。
この間テレビで放送されたゲロッパを途中まで見ましたけど、
登場人物達の掛け合いで笑わせるのはほんとにうまいというか、面白い。
若い役者たちの勢いある演技でギラギラしていて、重たいテーマを勢いよくぐんぐん引っ張っています。
最後まで見ていて思うのは、やっぱり若い人間、新たな世代が、複雑でこじれた関係をプラスにしていくということ。もちろんそれは単純な親交ではなく、重たいものを抱えているわけですけど。
歴史認識に関しては少々異議があったりもする。こちらを正当化するわけではないけど。
こちらの無知も悪いが、相手の頑なさもまた問題だとみていて思う。
だいたい南北分断なんてソ連とアメリカの問題だろと、無責任に言ってみる。
なぜここまで複雑になるかといえば、あちらの国の歴史歪曲も一役買っている。
まあとにかく、良い映画ですよ。
愛だね、愛。
DVD バップ 2004/12/22 ¥5,040
(ね、ね、ね、ネタバレは、あ、あるんだな。お、お、おにぎりが大好きなんだな)
ぶっ飛んだ映画を観たいなぁと思って借りた映画。
確かに内容はぶっ飛んでいます。というかアホです。
この映画はアホ映画です。
愛とか友情とか織り交ぜてますが、コンビニ弁当の漬物ぐらいに超脇役です。
いや、友情の部分はポテトサラダくらいはあるかな。
映像的にはアニメやCGを混ぜた感じになっていて、面白い。と思います。
CGの技術や製作工程がハリウッドに比べたら格段に低いらしい日本にとって、
まともにリアリティを売りにしたCGは(金をかけれる作品以外は)苦しすぎるので、
キャシャーンとか下妻物語とか、ああいう感じの、ややアニメ寄りな、
幻想っぽさでごまかしたCGで責めたほうが良いのかな、と思います。
(ローレライは残念でしたが)
ストーリーの細部の説明はありません、要所要所で、重要なポイントを提示して、
後は自分で補ってくれ、という具合。
まあストーリーはかなり単純なんで、それで十分でしょ、と言う感じ。
最初は良いと思うんだけど、後半失速した感じ?
失速、というんだろうか、冗長?
いや、なんだろうな……。
敵が、四天王がいて、執事がいて、頭がいる、と。
この、敵の多さなのかなぁ。友情とか愛とか、語る部分もあるから、
ぎゅうぎゅうになっちゃって、一つ一つがなんか、だれるのかなぁ。
映像自体はカラフルで、実験的なシーンもあって、そこそこ楽しめると思います。
役者ですけど、豪華です。
ただ、主演の佐藤江梨子(サトエリ)の演技がどうにも好きになれなかった。
彼女がこういう演技を要求されていたのか、あるいは演技の基本がこれなのか、
どっちなのかわからないけど、今回のサトエリの、鼻に掛かったしゃべり方とか、
変にコミカルなところとか、うけつけなかったなぁ。
ただ、恥ずかしさを感じる感覚がないのか、開けっぴろげなかっこをしていても彼女は全然自然で、それのおかげで逆にこちらもいやらしさを感じることなく自然に見れたのは良かったですが。
刑事役の市川実日子さんは良かったなぁ。
村上淳さんの軽くて人を食ったような感じも良かった。
四天王の一人の、口から光弾を発射する女の人の喋り方というか声というか、
は、あまり好きになれなかった。
うーん、全体的な評価としては、やっぱりなんかちょっとなぁ。
やっぱり後半、特に最後の部分で損しているような気がする。
まあとにかく、あんまり深刻に見るような作品ではない、
と思います。
(ね、ね、ね、ネタバレは、あ、あるんだな。
ぶっ飛んだ映画を観たいなぁと思って借りた映画。
確かに内容はぶっ飛んでいます。というかアホです。
この映画はアホ映画です。
愛とか友情とか織り交ぜてますが、コンビニ弁当の漬物ぐらいに超脇役です。
いや、友情の部分はポテトサラダくらいはあるかな。
映像的にはアニメやCGを混ぜた感じになっていて、面白い。と思います。
CGの技術や製作工程がハリウッドに比べたら格段に低いらしい日本にとって、
まともにリアリティを売りにしたCGは(金をかけれる作品以外は)苦しすぎるので、
キャシャーンとか下妻物語とか、ああいう感じの、ややアニメ寄りな、
幻想っぽさでごまかしたCGで責めたほうが良いのかな、と思います。
(ローレライは残念でしたが)
ストーリーの細部の説明はありません、要所要所で、重要なポイントを提示して、
後は自分で補ってくれ、という具合。
まあストーリーはかなり単純なんで、それで十分でしょ、と言う感じ。
最初は良いと思うんだけど、後半失速した感じ?
失速、というんだろうか、冗長?
いや、なんだろうな……。
敵が、四天王がいて、執事がいて、頭がいる、と。
この、敵の多さなのかなぁ。友情とか愛とか、語る部分もあるから、
ぎゅうぎゅうになっちゃって、一つ一つがなんか、だれるのかなぁ。
映像自体はカラフルで、実験的なシーンもあって、そこそこ楽しめると思います。
役者ですけど、豪華です。
ただ、主演の佐藤江梨子(サトエリ)の演技がどうにも好きになれなかった。
彼女がこういう演技を要求されていたのか、あるいは演技の基本がこれなのか、
どっちなのかわからないけど、今回のサトエリの、鼻に掛かったしゃべり方とか、
変にコミカルなところとか、うけつけなかったなぁ。
ただ、恥ずかしさを感じる感覚がないのか、開けっぴろげなかっこをしていても彼女は全然自然で、それのおかげで逆にこちらもいやらしさを感じることなく自然に見れたのは良かったですが。
刑事役の市川実日子さんは良かったなぁ。
村上淳さんの軽くて人を食ったような感じも良かった。
四天王の一人の、口から光弾を発射する女の人の喋り方というか声というか、
は、あまり好きになれなかった。
うーん、全体的な評価としては、やっぱりなんかちょっとなぁ。
やっぱり後半、特に最後の部分で損しているような気がする。
まあとにかく、あんまり深刻に見るような作品ではない、
と思います。