2012年4月7日の日記。12年1~3月に見た映画の簡単な感想。
2012年4月7日 映画・年明けから3月までに見た映画の簡単な感想。
・2月3月は特に、見逃したり見送ったりした映画が多かった。
ちょっと残念。
・タイトル、制作国、上映時間、鑑賞日、鑑賞媒体
(TOHOシネマズ、シネマイ~ラ、テレビ放送)
・ネタバレあり、注意。
------------------------------------------------------
・「聯合艦隊司令長官山本五十六~太平洋戦争70年目の真実~」
(日本・140分・1月1日・TOHO)
→ドラマ。開戦前夜から山本五十六の死までを時系列に描いた作品。
非常に堅実で淡々としていて、BGMで盛り上げたりすることも少なく、面白味はあまりないが、まとまりは良い。
戦闘シーンは、人間がどういった決断を下すかとか、局面がどう転ぶかというような心理描写などについては緊張感があり面白かった印象があるが、航空機などによる戦闘シーンはスローモーで、日本はこういうのが苦手なんだなぁと感じた。
日本のかつての非合理的で派閥的な中における、山本五十六という存在の貴重さを描いている。
・「ワイルド7」
(日本・109分・1月1日・TOHO)
→ドラマ。最初サイボーグ009が原案としてあるのかと思ったが、実際どうなのかわからない。
法で裁けない、もしくは警察の手に余るような連中を懲らしめるための超法規的(というか違法?)部署に属する通称ワイルド7の戦いを描く。と書いたけど、ちょっとそこら辺記憶が曖昧。
日本の作品にしては戦闘シーンがスタイリッシュで過激で、見ていて面白かった。恋愛要素や家族愛もあるが、男向きかなあ。
個人的に非常にもったいない映画だと思った。色々詰め込みすぎている。組織の設定やキャラクターの面々、その過去や、恋愛要素、敵との戦いなど、それぞれはとても興味深く、掘り下げれば面白そうなのだけど、全部ぶっ込んじゃってそれぞれが中途半端になっちゃっている。
シリーズ化も出来るとは思うが、興行次第だろう。最初からシリーズ化が決定されていれば、もっと個別に掘り下げて出来たと思うだけに残念。
西部警察並みに予算を掛けてTVシリーズにしたら面白そうだと思うけど無理だろうなあ昨今じゃ。
・「ペーパーバード~幸せは翼にのって~」
(スペイン・123分・1月6日・e^ra)
→ドラマ。
息子を失った喜劇役者の元に同年代の親のいない少年がやってくる。劇団と一緒に生活する内、次第に絆が深まっていくが、とあるフィルムに母親が映っていると言う。一方、反体制運動に荷担する者を摘発するために、劇団内に内偵が入り込み……。
サスペンスあり、ハートフルな触れ合いがあり、気持ちの良い歌唱があり。
人生の哀しみと、温かさと、素晴らしさを謳った映画。
・「ヒミズ」
(日本・129分・1月14日・TOHO)
→ドラマ。
親から愛されない子供。明らかに普通でないにもかかわらず普通を志向して止まない少年。自分が何者なのかわからない人々。
絶望的な人生の中で目を閉じ、希望を遠ざけ、生死の狭間を彷徨う人間。それを救うのもまた、人の愛しかないのだ。
園子温監督のいつものキャストに、いつもの激情的で過激な演出、演技指導(?)。
この人の作品を見るのは二つめだが、勢いが凄まじくて、見終わった後、何か無性に凄いものを見た気分にさせられる。でも冷静に振り返ったときに、そんなに凄かったか? という気分にもなる。
いずれにしても、面白いことは間違いない。
窪塚洋介は、人間的な問題はあるかもしれないけれど、相変わらず演技は良いなあ。沢尻エリカといい、多少破綻していると良かったりするんだよなあ。
・「リアル・スティール」
(アメリカ・128分・1月14日・TOHO)
→ドラマ。
以前鉄腕アトムがハリウッドでリメイクされる、みたいな話を聞いたことがあって、それから全然どうなったのか情報が入ってこなかった。もしかしたら、これがそうなのか? と思ってしまった。ロボットの名前はアトムだし、劇中日本に好意的な設定やセリフが出てきたりするし。
格闘が生身の人間からロボットに取って代わられた時代。ロボットを操る負け続きの元ボクサーの元に、ほとんど会ったことのない自分の息子が転がり込んでくることに。
最初は邪険に扱っていたが、次第に心が通い合う。そのうちに、試合でも勝ち始め……。
脚本はしっかりしていると思う。息子との絆やサクセスストーリーなど、軸が絞られていて、それぞれがちゃんと融合している。
CGもロボットの重厚感が動きに出ているし、この辺はさすが。
安心して楽しめるエンターテインメント作品。
・「リメンバー・ミー」
(アメリカ・113分・1月20日・e^ra)
→ドラマ。
過去に傷を負った人間の交流を描いた作品。
自分はこの作品を好きなのだが、ウィキペディアを見ると、アメリカではいまいちなのか? でも素晴らしい作品だと思う。
親の責任、家族の愛、心の傷と、それに対する癒し。
確かに最後にああいう展開になる必然性やフォローする伏線があったのかというと、多少疑問にも思えるが。
しかし彼は、奔走した挙げ句に再生を取りまとめ、そして旅立ったのだ。
・「女と銃と荒野の麺屋」
(中国・90分・1月30日・e^ra)
→ドラマ。
麺屋を営む夫と、彼の仕打ちに我慢ならない女、彼女と不倫する男、夫の財産を狙う警察官と、麺屋の従業員。それぞれの思惑と駆け引きで物語が奇妙な方向に転がっていく。
中世を舞台にしたサスペンス。この作品もそれなりだが、これが現代を舞台にしていたらもっとそれなりだったかもしれない。中世を舞台にして、現代を模したファンタジーだから、華がでて、面白味が加わるのだろう。舞台設定はだから成功しているのだと思う。
ただ物語は人間の心情よりは、どちらかというと駆け引きに重点が置かれていて、そういう意味では多少無味乾燥なところがある。だから尚更家や服装などの意匠で装飾する必要があったろう。
・「エンディングノート」
(日本・90分・2月2日・e^ra)
→ドキュメンタリー。
癌と診断された父の「終活」を撮り収めた映画。
普段から父や家族を撮影していた娘が、父の死まで撮影した映像を編集して映画にした作品。これは、非常に素晴らしい。
まず、お父様が非常にユニークでユーモアに溢れていて、死期が迫っているのにそれを感じさせないのだ。また、構成も見やすく、娘自身が入れたナレーションも心地良い。
重いテーマのはずなのに決してシリアスになりすぎない。
しかし一方で、だからこそ、確実に迫る死がもの悲しい。エンディングのハナレグミの歌で涙腺決壊すること請け合い。
死ぬまでの段取りや、家族とのコミュニケーション、自分の人生を振り返ることなど、この映画を通して学んだり再認識させられることは数多い。
テレビで「アナコンダ2」を流す暇があったら、この映画を100回でも放送した方が遙かに有意義だろう。
・「宇宙人ポール」
(アメリカ、イギリス・104分・2月10日・e^ra)
→ドラマ。
SFオタクが宇宙人と遭遇。彼を宇宙に帰すために奔走するロードムービー。
SF好きなら多分ニヤニヤしっぱなしなんだろう。そうでなくてもウィットの効いた会話や下品な品行で笑えること請け合い。ちょっとした恋や成長物語もあるし、まあ全般的にハッピーでいい加減。
面白いよ。下品なのが嫌な人は見ちゃ駄目。
・「ハートブレイカー」
(フランス、モナコ・105分・2月29日・e^ra)
→ドラマ。
いわゆる「別れさせ屋」の主人公が仕事を果たそうとする間に、ターゲットの女性にだんだん惹かれていく、という内容の映画。
ユーモアも多いし、無茶な展開もあるし、ポップ。見やすいと思う。主人公がヒロインに惹かれる理由がはっきりとはわからないが、まあでもなんとなくはわかるからいいか。
ヒロインの女優が、そんなに美女、という感じでは無いけど、そこはかとない魅力を備えている。
エンターテインメントとして十分楽しめる無いようだと思う。
・「第9地区」
(アメリカ、ニュージーランド、南アフリカ共和国・111分・3月16日・TV)
→ドラマ。冒頭を見逃してしまった。
宇宙人が住み着いてしまった地区があり、そこで彼らと折衝? する主人公に問題が起こり、やがて人間の非道さ、残酷さ、利己が明らかになっていく。
まあ、安全保障という観点から、多少やむを得ないのかな、という部分も無いではないが……。
相手の立場に立った人道的な配慮が何事にも必要だよね、というような感じか?
アクションシーンも豊富にあるし、エンターテインメント性は充分にある。物語も最後、もの悲しさを含んでいて、悪くはない映画だった。
・「ブリューゲルの動く絵」
(ポーランド、スウェーデン・96分・3月21日・e^ra)
→ドラマ?
ブリューゲルの絵を元に当時(中世)を再現したり、大勢の人間とCGで絵を再現したりする。
何がしたいのかいまいちわからない映画だった。キリスト教に詳しい人ならば、もう少し楽しめたのだろうか。
セリフもあまりなかったし、ダラダラ感も感じ、楽しめなかった。
・「灼熱の魂」
(カナダ、フランス・131分・3月22日・e^ra)
→ドラマ。
変わり者の母が死に、その遺言が二人の子供に渡される。そこには、あなたたちの兄を捜して手紙を渡しなさい、という内容が含まれていた。聞いたこともない兄の存在に戸惑う二人だったが、手掛かりを求めて探す内に、母の壮絶な過去と、現在に続く因果を知っていく……。
これは凄まじいドラマだった。フランス映画っぽく、過剰な演出はなく、BGMも控え目。過激な場面もあるが、飽くまで淡々としたテンポがベースにある。しかし構成や撮影など映画的な技術はうまくて丁寧で、何よりドラマが巧みなので引き込まれてしまう。
やや冗長な嫌いはあるが、それでも面白かったと言える。
・「大津波のあとに/槌音」
(日本・74分、23分・3月22日・e~ra)
→ドキュメンタリー。
東北地方太平洋沖地震後、現地に入った人間によって撮影された映像記録。
2本立て。それぞれ一人で撮影しているが、前者は完全に記録目的で現地に向かっていて、積極的にインタビューをしていたり、瓦礫の中に分け入っている。
後者は家族に物資を届けた際に、あまりにも衝撃を受けてスマートフォンで撮影している。そのため、映像が少々粗い。またインタビューもしていない。風景だけを映しているが、現地に住んでいた人間なので、かつて撮った映像を交えて編集していて、情緒がある。
昨年見た「無常素描」という震災の記録映画と比べても、こちらの方が色々な人に色々な話を聞いていたり、様々な風景を撮っていたりして、自分はこちらの方が評価できると感じている。
ただし、震災に関してはテレビでも数多く報道されドキュメンタリーが作られている中で、この映画がどの程度の価値があるのか、と問われると、それほど高い評価は出来ないかな、という気もする。
・2月3月は特に、見逃したり見送ったりした映画が多かった。
ちょっと残念。
・タイトル、制作国、上映時間、鑑賞日、鑑賞媒体
(TOHOシネマズ、シネマイ~ラ、テレビ放送)
・ネタバレあり、注意。
------------------------------------------------------
・「聯合艦隊司令長官山本五十六~太平洋戦争70年目の真実~」
(日本・140分・1月1日・TOHO)
→ドラマ。開戦前夜から山本五十六の死までを時系列に描いた作品。
非常に堅実で淡々としていて、BGMで盛り上げたりすることも少なく、面白味はあまりないが、まとまりは良い。
戦闘シーンは、人間がどういった決断を下すかとか、局面がどう転ぶかというような心理描写などについては緊張感があり面白かった印象があるが、航空機などによる戦闘シーンはスローモーで、日本はこういうのが苦手なんだなぁと感じた。
日本のかつての非合理的で派閥的な中における、山本五十六という存在の貴重さを描いている。
・「ワイルド7」
(日本・109分・1月1日・TOHO)
→ドラマ。最初サイボーグ009が原案としてあるのかと思ったが、実際どうなのかわからない。
法で裁けない、もしくは警察の手に余るような連中を懲らしめるための超法規的(というか違法?)部署に属する通称ワイルド7の戦いを描く。と書いたけど、ちょっとそこら辺記憶が曖昧。
日本の作品にしては戦闘シーンがスタイリッシュで過激で、見ていて面白かった。恋愛要素や家族愛もあるが、男向きかなあ。
個人的に非常にもったいない映画だと思った。色々詰め込みすぎている。組織の設定やキャラクターの面々、その過去や、恋愛要素、敵との戦いなど、それぞれはとても興味深く、掘り下げれば面白そうなのだけど、全部ぶっ込んじゃってそれぞれが中途半端になっちゃっている。
シリーズ化も出来るとは思うが、興行次第だろう。最初からシリーズ化が決定されていれば、もっと個別に掘り下げて出来たと思うだけに残念。
西部警察並みに予算を掛けてTVシリーズにしたら面白そうだと思うけど無理だろうなあ昨今じゃ。
・「ペーパーバード~幸せは翼にのって~」
(スペイン・123分・1月6日・e^ra)
→ドラマ。
息子を失った喜劇役者の元に同年代の親のいない少年がやってくる。劇団と一緒に生活する内、次第に絆が深まっていくが、とあるフィルムに母親が映っていると言う。一方、反体制運動に荷担する者を摘発するために、劇団内に内偵が入り込み……。
サスペンスあり、ハートフルな触れ合いがあり、気持ちの良い歌唱があり。
人生の哀しみと、温かさと、素晴らしさを謳った映画。
・「ヒミズ」
(日本・129分・1月14日・TOHO)
→ドラマ。
親から愛されない子供。明らかに普通でないにもかかわらず普通を志向して止まない少年。自分が何者なのかわからない人々。
絶望的な人生の中で目を閉じ、希望を遠ざけ、生死の狭間を彷徨う人間。それを救うのもまた、人の愛しかないのだ。
園子温監督のいつものキャストに、いつもの激情的で過激な演出、演技指導(?)。
この人の作品を見るのは二つめだが、勢いが凄まじくて、見終わった後、何か無性に凄いものを見た気分にさせられる。でも冷静に振り返ったときに、そんなに凄かったか? という気分にもなる。
いずれにしても、面白いことは間違いない。
窪塚洋介は、人間的な問題はあるかもしれないけれど、相変わらず演技は良いなあ。沢尻エリカといい、多少破綻していると良かったりするんだよなあ。
・「リアル・スティール」
(アメリカ・128分・1月14日・TOHO)
→ドラマ。
以前鉄腕アトムがハリウッドでリメイクされる、みたいな話を聞いたことがあって、それから全然どうなったのか情報が入ってこなかった。もしかしたら、これがそうなのか? と思ってしまった。ロボットの名前はアトムだし、劇中日本に好意的な設定やセリフが出てきたりするし。
格闘が生身の人間からロボットに取って代わられた時代。ロボットを操る負け続きの元ボクサーの元に、ほとんど会ったことのない自分の息子が転がり込んでくることに。
最初は邪険に扱っていたが、次第に心が通い合う。そのうちに、試合でも勝ち始め……。
脚本はしっかりしていると思う。息子との絆やサクセスストーリーなど、軸が絞られていて、それぞれがちゃんと融合している。
CGもロボットの重厚感が動きに出ているし、この辺はさすが。
安心して楽しめるエンターテインメント作品。
・「リメンバー・ミー」
(アメリカ・113分・1月20日・e^ra)
→ドラマ。
過去に傷を負った人間の交流を描いた作品。
自分はこの作品を好きなのだが、ウィキペディアを見ると、アメリカではいまいちなのか? でも素晴らしい作品だと思う。
親の責任、家族の愛、心の傷と、それに対する癒し。
確かに最後にああいう展開になる必然性やフォローする伏線があったのかというと、多少疑問にも思えるが。
しかし彼は、奔走した挙げ句に再生を取りまとめ、そして旅立ったのだ。
・「女と銃と荒野の麺屋」
(中国・90分・1月30日・e^ra)
→ドラマ。
麺屋を営む夫と、彼の仕打ちに我慢ならない女、彼女と不倫する男、夫の財産を狙う警察官と、麺屋の従業員。それぞれの思惑と駆け引きで物語が奇妙な方向に転がっていく。
中世を舞台にしたサスペンス。この作品もそれなりだが、これが現代を舞台にしていたらもっとそれなりだったかもしれない。中世を舞台にして、現代を模したファンタジーだから、華がでて、面白味が加わるのだろう。舞台設定はだから成功しているのだと思う。
ただ物語は人間の心情よりは、どちらかというと駆け引きに重点が置かれていて、そういう意味では多少無味乾燥なところがある。だから尚更家や服装などの意匠で装飾する必要があったろう。
・「エンディングノート」
(日本・90分・2月2日・e^ra)
→ドキュメンタリー。
癌と診断された父の「終活」を撮り収めた映画。
普段から父や家族を撮影していた娘が、父の死まで撮影した映像を編集して映画にした作品。これは、非常に素晴らしい。
まず、お父様が非常にユニークでユーモアに溢れていて、死期が迫っているのにそれを感じさせないのだ。また、構成も見やすく、娘自身が入れたナレーションも心地良い。
重いテーマのはずなのに決してシリアスになりすぎない。
しかし一方で、だからこそ、確実に迫る死がもの悲しい。エンディングのハナレグミの歌で涙腺決壊すること請け合い。
死ぬまでの段取りや、家族とのコミュニケーション、自分の人生を振り返ることなど、この映画を通して学んだり再認識させられることは数多い。
テレビで「アナコンダ2」を流す暇があったら、この映画を100回でも放送した方が遙かに有意義だろう。
・「宇宙人ポール」
(アメリカ、イギリス・104分・2月10日・e^ra)
→ドラマ。
SFオタクが宇宙人と遭遇。彼を宇宙に帰すために奔走するロードムービー。
SF好きなら多分ニヤニヤしっぱなしなんだろう。そうでなくてもウィットの効いた会話や下品な品行で笑えること請け合い。ちょっとした恋や成長物語もあるし、まあ全般的にハッピーでいい加減。
面白いよ。下品なのが嫌な人は見ちゃ駄目。
・「ハートブレイカー」
(フランス、モナコ・105分・2月29日・e^ra)
→ドラマ。
いわゆる「別れさせ屋」の主人公が仕事を果たそうとする間に、ターゲットの女性にだんだん惹かれていく、という内容の映画。
ユーモアも多いし、無茶な展開もあるし、ポップ。見やすいと思う。主人公がヒロインに惹かれる理由がはっきりとはわからないが、まあでもなんとなくはわかるからいいか。
ヒロインの女優が、そんなに美女、という感じでは無いけど、そこはかとない魅力を備えている。
エンターテインメントとして十分楽しめる無いようだと思う。
・「第9地区」
(アメリカ、ニュージーランド、南アフリカ共和国・111分・3月16日・TV)
→ドラマ。冒頭を見逃してしまった。
宇宙人が住み着いてしまった地区があり、そこで彼らと折衝? する主人公に問題が起こり、やがて人間の非道さ、残酷さ、利己が明らかになっていく。
まあ、安全保障という観点から、多少やむを得ないのかな、という部分も無いではないが……。
相手の立場に立った人道的な配慮が何事にも必要だよね、というような感じか?
アクションシーンも豊富にあるし、エンターテインメント性は充分にある。物語も最後、もの悲しさを含んでいて、悪くはない映画だった。
・「ブリューゲルの動く絵」
(ポーランド、スウェーデン・96分・3月21日・e^ra)
→ドラマ?
ブリューゲルの絵を元に当時(中世)を再現したり、大勢の人間とCGで絵を再現したりする。
何がしたいのかいまいちわからない映画だった。キリスト教に詳しい人ならば、もう少し楽しめたのだろうか。
セリフもあまりなかったし、ダラダラ感も感じ、楽しめなかった。
・「灼熱の魂」
(カナダ、フランス・131分・3月22日・e^ra)
→ドラマ。
変わり者の母が死に、その遺言が二人の子供に渡される。そこには、あなたたちの兄を捜して手紙を渡しなさい、という内容が含まれていた。聞いたこともない兄の存在に戸惑う二人だったが、手掛かりを求めて探す内に、母の壮絶な過去と、現在に続く因果を知っていく……。
これは凄まじいドラマだった。フランス映画っぽく、過剰な演出はなく、BGMも控え目。過激な場面もあるが、飽くまで淡々としたテンポがベースにある。しかし構成や撮影など映画的な技術はうまくて丁寧で、何よりドラマが巧みなので引き込まれてしまう。
やや冗長な嫌いはあるが、それでも面白かったと言える。
・「大津波のあとに/槌音」
(日本・74分、23分・3月22日・e~ra)
→ドキュメンタリー。
東北地方太平洋沖地震後、現地に入った人間によって撮影された映像記録。
2本立て。それぞれ一人で撮影しているが、前者は完全に記録目的で現地に向かっていて、積極的にインタビューをしていたり、瓦礫の中に分け入っている。
後者は家族に物資を届けた際に、あまりにも衝撃を受けてスマートフォンで撮影している。そのため、映像が少々粗い。またインタビューもしていない。風景だけを映しているが、現地に住んでいた人間なので、かつて撮った映像を交えて編集していて、情緒がある。
昨年見た「無常素描」という震災の記録映画と比べても、こちらの方が色々な人に色々な話を聞いていたり、様々な風景を撮っていたりして、自分はこちらの方が評価できると感じている。
ただし、震災に関してはテレビでも数多く報道されドキュメンタリーが作られている中で、この映画がどの程度の価値があるのか、と問われると、それほど高い評価は出来ないかな、という気もする。
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