いつだったか、菅直人が首相に就く前に父と話したことがある。
 父は左の人で(右っぽいことも言うんだけど)、菅直人がお気に入り。
「菅が首相になったら、いいと思うぜ」
 とにこやかに言ったから、
「菅が首相になったら日本は終わりだ」
 と返した。
 その後、菅直人は小沢一郎との恐ろしい二者択一の末に首相として選ばれ、あの日を迎えたわけだ。

 この度、福島原発事故独立検証委員会がまとめた報告書によると、菅直人を始めとした官邸の対応のまずさがあったようだ。

 ついてねーな、と思う。
 あのタイミングで民主党で、あのタイミングで菅直人だ。
 もちろん、全てを否定しているわけではないし、飽くまで一委員会の報告書ではあるけれど、何ともやりきれない。

 政権交代の時に自分は一票たりとも民主党には入れなかった。
 その立場から、少しの期待と、大きな不安を持ってこれまでを見ていた。
 これを単に不幸だとして終わらせたくはない。
 政権交代してからこれまでのことでわかったことも色々あると思う。
 ずっと自民党だったら、わからなかったことだ。
 マスコミも、国民も、痛い目を見て少し冷静になったんじゃないか。
 
 飛び上がる前には身を大きく屈めるものだ。
 日本にとって、それが今であって欲しい。

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