采配

2011年12月22日 読書
 読了したのでブクログに登録して感想を書きました。
http://booklog.jp/users/ore-tana

 落合博満という人の考え方は結構自分としては受け入れやすいものがある。
 野球観も似ている。
 彼は野村克也さんとも話が合うようだ。自分も野村さんの話には頷ける部分が多い。
 個人的に突き詰めて考えていくと、野球というのは「1点も取られなければ負けない」「相手よりも1点多く取っていれば勝ち」という真理がある。
 ノーアウト満塁でも、ホームに人が帰ってこなければ無得点だが、併殺打でも誰かが生還すればそれは1点なのである。そして「一度得た得点はなくならない」のもまた真理である。
 そう言うことを考えると、必然的に守りを重視して、できるだけ得点の可能性の高い方法で(地味でも)点を取っていくというやり方が一番いいように思える。

 ただ問題はその守りである。特に質の高い投手陣をどう育てるのかということが難しいのだ。
 落合監督は中日ドラゴンズで高い成績を残したが、それは幸いにも彼の野球観と一致した戦力が揃っていたという部分もある。
 野村監督などは渡り歩いた球団がことごとく弱小で、投手力の整備から始まった。だから、落合さんの真価が問われるのは、そうした投手力を含めて、戦力の整っていないチームに赴任したときの結果だろう。

 まあ、とは言っても、就任して以降8年間監督を務め、その中で投手の入れ替わりもあったわけだし、世代交代の進まなかった野手でも、今年は若手が目立ち始めていた。
 時間をかければどのチームに行っても、ある程度の結果を残せそうではある。

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