ウォレスとグルミット4本立て。
2010年1月22日 映画 1月5日に「ウォレスとグルミット」を観てきたので、感想を。
ネタバレ注意。
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・作品紹介
上映は下記の通り。
・チーズ・ホリデー(1989)
・ペンギンに気をつけろ(1993)
・危機一髪(1995)
・ベーカリー街の悪夢(2008)
の4本立て。メインは最近作(?)のベーカリー街の悪夢。それ以外はリマスターされているとかいないとか。
「チーズ・ホリデー」は旅行先を決めあぐねているウォレスが、ウルトラC的発想で行き先を定めて旅立つ話。そこでのちょっとしたハラハラや交流を描く。
「ペンギンに気をつけろ」は、金に困ったウォレスが自宅の一室を貸し出すと言うところから話が展開していく。ちょっと危険な臭いの漂うペンギンとのあれこれ。
「危機一髪」は、ウォレスが新規事業を始めて、その仕事先で出会った女性と番犬との交流とサスペンスとアクションの物語。羊のショーンも出て来る。
「ベーカリー街の悪夢」は、ウォレスが新規事業のパン屋を始めていて、その時に出会った女性とのラブとサスペンスの話。
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・切り口
ベーカリー街の悪夢は母国のクリスマスあたりにTVで放映されて視聴率が50%弱を記録したのだとか。
過去の劇場版などでも、有名な映画をモチーフにしたりパロディだったり、オマージュだったり、と言う物はあった。この映画も元の作品は自分は知らないんだけど、そのような作りらしい。
なので元ネタを知っている人はその共通点や相違などを観て楽しめるかも知れない。そうでない人でも全然楽しめると思う。
話自体はわかりやすい筋なので、あとは「これがクレイアニメなのか」と驚愕したり、「どうやって作ったんだこれ」と眼をぱちくりしながら観たり、グルミットを始めとしたキャラクター達の造形、振る舞いに表情を柔らかくして観たりすればよいのでは。
ウォレスの声優は今まで萩本欽一さんだったのが、この4本立てでは全部津川雅彦さんが起用されている。
演技自体は4本通して観ると、まだ固まっていないのかバラツキがあるように感じたが、悪くはない。津川さんっぽいメリハリや区切りがあって、どこか硬さのある声質。しかし欽ちゃんっぽい、ダメでなよっとした喋りになっていて、そこは本人が意識しているのか、演技指導があったのか、自然とそうなったのかは定かではない。
こうして作品を飛び飛びで4本続けて観ると、やはりその変遷が覗える。
最初期の頃の作品も素晴らしいことに代わりはないのだけど、今と比べるとやはり明らかに違う。動きがぎこちなかったり、ウォレスやグルミットの造形、色など。
また、話としても、最近の物はエンターテインメント性がとても強く、ハリウッド的娯楽作品のごとくわかりやすい。息をも尽かせぬ展開で楽しませてくれるが、例えばチーズ・ホリデーなんかでは、話としては地味だし、設定も突飛で説明不足だし、「それ意味あんのか」というカットやシーンが結構多かったりして、洗練されていない当時の、アルカイックな雰囲気が出ていた。
野暮ったさや色調の暗さ、ちょっと不気味な感じなど、曇り空の多いイギリスっぽさが漂っているとも言える。
全体的にユーモアを基調としながら、シリアスな空気をまとった物が多かったのも印象に残った。
ペンギンに気をつけろあたりはもうアクションシーンを含めたクレイアニメの技術に大きな飛躍が観られ、話としてもサスペンスや人情などを含めて広がりが出てきていた。
危機一髪ではもうかなり安定していて、方向は定まったと言える。
ウォレスとグルミットはあくまで大衆的なのだ。ニック・パークの感性に感じる物があっても、それはスパイス。
一時のスリルと、ユーモアと、サスペンスと可愛さを提供し、人々の心を洗浄する。そんなシリーズなのだろう。
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・個人的な感想
ジブリと関係したことによるものなのだろうか? 個人的には今まで欽ちゃんの声で親しんでいたし、自分としても欽ちゃんのウォレスが好きだったから、この辺はちょっと複雑。
ただもちろん津川さんも素晴らしい俳優さんなのだ。もし自分が欽ちゃんのウォレスを知らなかったら、おそらく抵抗無く受け入れていたと思う。
日本のジブリのような、あるいは宮崎駿のような存在なのかも知れないニック・パーク監督には、今後も良作を期待して止まない。
ネタバレ注意。
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・作品紹介
上映は下記の通り。
・チーズ・ホリデー(1989)
・ペンギンに気をつけろ(1993)
・危機一髪(1995)
・ベーカリー街の悪夢(2008)
の4本立て。メインは最近作(?)のベーカリー街の悪夢。それ以外はリマスターされているとかいないとか。
「チーズ・ホリデー」は旅行先を決めあぐねているウォレスが、ウルトラC的発想で行き先を定めて旅立つ話。そこでのちょっとしたハラハラや交流を描く。
「ペンギンに気をつけろ」は、金に困ったウォレスが自宅の一室を貸し出すと言うところから話が展開していく。ちょっと危険な臭いの漂うペンギンとのあれこれ。
「危機一髪」は、ウォレスが新規事業を始めて、その仕事先で出会った女性と番犬との交流とサスペンスとアクションの物語。羊のショーンも出て来る。
「ベーカリー街の悪夢」は、ウォレスが新規事業のパン屋を始めていて、その時に出会った女性とのラブとサスペンスの話。
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・切り口
ベーカリー街の悪夢は母国のクリスマスあたりにTVで放映されて視聴率が50%弱を記録したのだとか。
過去の劇場版などでも、有名な映画をモチーフにしたりパロディだったり、オマージュだったり、と言う物はあった。この映画も元の作品は自分は知らないんだけど、そのような作りらしい。
なので元ネタを知っている人はその共通点や相違などを観て楽しめるかも知れない。そうでない人でも全然楽しめると思う。
話自体はわかりやすい筋なので、あとは「これがクレイアニメなのか」と驚愕したり、「どうやって作ったんだこれ」と眼をぱちくりしながら観たり、グルミットを始めとしたキャラクター達の造形、振る舞いに表情を柔らかくして観たりすればよいのでは。
ウォレスの声優は今まで萩本欽一さんだったのが、この4本立てでは全部津川雅彦さんが起用されている。
演技自体は4本通して観ると、まだ固まっていないのかバラツキがあるように感じたが、悪くはない。津川さんっぽいメリハリや区切りがあって、どこか硬さのある声質。しかし欽ちゃんっぽい、ダメでなよっとした喋りになっていて、そこは本人が意識しているのか、演技指導があったのか、自然とそうなったのかは定かではない。
こうして作品を飛び飛びで4本続けて観ると、やはりその変遷が覗える。
最初期の頃の作品も素晴らしいことに代わりはないのだけど、今と比べるとやはり明らかに違う。動きがぎこちなかったり、ウォレスやグルミットの造形、色など。
また、話としても、最近の物はエンターテインメント性がとても強く、ハリウッド的娯楽作品のごとくわかりやすい。息をも尽かせぬ展開で楽しませてくれるが、例えばチーズ・ホリデーなんかでは、話としては地味だし、設定も突飛で説明不足だし、「それ意味あんのか」というカットやシーンが結構多かったりして、洗練されていない当時の、アルカイックな雰囲気が出ていた。
野暮ったさや色調の暗さ、ちょっと不気味な感じなど、曇り空の多いイギリスっぽさが漂っているとも言える。
全体的にユーモアを基調としながら、シリアスな空気をまとった物が多かったのも印象に残った。
ペンギンに気をつけろあたりはもうアクションシーンを含めたクレイアニメの技術に大きな飛躍が観られ、話としてもサスペンスや人情などを含めて広がりが出てきていた。
危機一髪ではもうかなり安定していて、方向は定まったと言える。
ウォレスとグルミットはあくまで大衆的なのだ。ニック・パークの感性に感じる物があっても、それはスパイス。
一時のスリルと、ユーモアと、サスペンスと可愛さを提供し、人々の心を洗浄する。そんなシリーズなのだろう。
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・個人的な感想
ジブリと関係したことによるものなのだろうか? 個人的には今まで欽ちゃんの声で親しんでいたし、自分としても欽ちゃんのウォレスが好きだったから、この辺はちょっと複雑。
ただもちろん津川さんも素晴らしい俳優さんなのだ。もし自分が欽ちゃんのウォレスを知らなかったら、おそらく抵抗無く受け入れていたと思う。
日本のジブリのような、あるいは宮崎駿のような存在なのかも知れないニック・パーク監督には、今後も良作を期待して止まない。
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