10月19日の日記。「野村ノート」
2009年10月19日 読書
「野村ノート」を2回通り読み終えました。
ので、まとめをば、記しておきます。
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この本の執筆前に、おそらく編集者は野村監督とこういう話をしたのではないだろうか。
野球の話をベースに、野球だけでなく、一般企業の管理職にも通じる一般論を、野村ノートと実体験を基に書き記して欲しい。と。
もちろんもっと細かく詰めているのだろうが、野村ノートの要所や、野村監督の野球観、人生観の重要点をかいつまんで記すという方向性だろう。
編集者が出来上がった文章を、あとから章や項目に分けているのだと思う。
幾つかの章からなっているが、章のタイトルとその内容が、必ずしも一致しないところもあるから、そのように見えた。
本書の内容は主に二つの話に分かれる。一つは野球における実践的な戦法や考え方である。
例えば打者をA,B,C,Dの4タイプに分けて、バッテリーからすれば打ち取る方法や、打者ならばそれを応用する方法を提示する。
ギャンブルスタート、ギャンブルダブルスチールなどの弱者の戦法や、打者中心・投手中心・状況中心という3通りの配球、変化球やその組み合わせの役割、継投や起用などの用兵術、データを基にした戦い方などである。
そしてこれらの土台になっているのが、もう一つの主要な話題である「無形の力」である。
無形の力とは要するに、人間の内面、心理的な力のことだ。考え方とも言える。
本の中では「知らないよりも知っていた方が良い」「理をもって戦う」「原理原則」「先入観は罪、固定観念は悪」「意識付け」「思考が人生を決定する」という言葉が繰り返し使われる。
冒頭の「はじめに」で書かれている言葉に次のような物がある。
「(前略)この感謝こそが人間が成長していくうえでもっとも大切なものである、というのが私の持論である。そして、そうした成長の集大成がチームとしての発展に繋がっていく」
つまりは、ただ技術的に秀でている、あるいは素質を持っていると言うだけでは一流とは言えないし、尊敬されない。その後の人生においてもその人は可能性を狭めてしまうし、場合によっては集団にとって悪影響を及ぼす人となってしまうことさえあるのだと言う。
不満のない人間などいない。しかしそれを堪える抑制術は人間教育が出来ていないと持ち得ないものだという。それが出来ていなければ、吐き出された不満がチームの歯車に支障を来すことになる。
物事を為すには何事もまず、「人づくり」が重要なのだ。
人づくりにとって重要なのは、人として生きる、ということを教えることだ。人と人の間で生きるのが人間であり、自分を評価するのは他人であると気付かせること。
人生と仕事は切っても切り離せない関係である。仕事を通じて成長と進歩があり、人間形成が為される。逆に言えば人格が仕事を左右することにもなる。
そう言ったことを、いかに「気付かせるか」が大切なのである。
野村監督は自身の経験を基に、いかに「気付かせるか」を記している。
手を代え品を代え言葉を代え、しつこく迫り、時には突き放して伝える。その選手の資質と性格を見極め、どうすればその選手が伸びるかと言うことを考える。
その眼差しは温かい。
そうやって「気付いた」人間が集まり、自分自身で考え、自分の役割を理解した集団となって、ようやく不確定要素やミスを乗り越えて物事を成し得ていけるのである。
監督の指導もまた、自身が学び、悩み、磨き上げてきた人生哲学から来るものである。
才は学より生まれる。
一流の選手となり、一流の人間となるためには、学ばなければならない。悩まなければならない。そして人格を磨き上げることで、初めて人の上に立てる人間となるのである。
ので、まとめをば、記しておきます。
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この本の執筆前に、おそらく編集者は野村監督とこういう話をしたのではないだろうか。
野球の話をベースに、野球だけでなく、一般企業の管理職にも通じる一般論を、野村ノートと実体験を基に書き記して欲しい。と。
もちろんもっと細かく詰めているのだろうが、野村ノートの要所や、野村監督の野球観、人生観の重要点をかいつまんで記すという方向性だろう。
編集者が出来上がった文章を、あとから章や項目に分けているのだと思う。
幾つかの章からなっているが、章のタイトルとその内容が、必ずしも一致しないところもあるから、そのように見えた。
本書の内容は主に二つの話に分かれる。一つは野球における実践的な戦法や考え方である。
例えば打者をA,B,C,Dの4タイプに分けて、バッテリーからすれば打ち取る方法や、打者ならばそれを応用する方法を提示する。
ギャンブルスタート、ギャンブルダブルスチールなどの弱者の戦法や、打者中心・投手中心・状況中心という3通りの配球、変化球やその組み合わせの役割、継投や起用などの用兵術、データを基にした戦い方などである。
そしてこれらの土台になっているのが、もう一つの主要な話題である「無形の力」である。
無形の力とは要するに、人間の内面、心理的な力のことだ。考え方とも言える。
本の中では「知らないよりも知っていた方が良い」「理をもって戦う」「原理原則」「先入観は罪、固定観念は悪」「意識付け」「思考が人生を決定する」という言葉が繰り返し使われる。
冒頭の「はじめに」で書かれている言葉に次のような物がある。
「(前略)この感謝こそが人間が成長していくうえでもっとも大切なものである、というのが私の持論である。そして、そうした成長の集大成がチームとしての発展に繋がっていく」
つまりは、ただ技術的に秀でている、あるいは素質を持っていると言うだけでは一流とは言えないし、尊敬されない。その後の人生においてもその人は可能性を狭めてしまうし、場合によっては集団にとって悪影響を及ぼす人となってしまうことさえあるのだと言う。
不満のない人間などいない。しかしそれを堪える抑制術は人間教育が出来ていないと持ち得ないものだという。それが出来ていなければ、吐き出された不満がチームの歯車に支障を来すことになる。
物事を為すには何事もまず、「人づくり」が重要なのだ。
人づくりにとって重要なのは、人として生きる、ということを教えることだ。人と人の間で生きるのが人間であり、自分を評価するのは他人であると気付かせること。
人生と仕事は切っても切り離せない関係である。仕事を通じて成長と進歩があり、人間形成が為される。逆に言えば人格が仕事を左右することにもなる。
そう言ったことを、いかに「気付かせるか」が大切なのである。
野村監督は自身の経験を基に、いかに「気付かせるか」を記している。
手を代え品を代え言葉を代え、しつこく迫り、時には突き放して伝える。その選手の資質と性格を見極め、どうすればその選手が伸びるかと言うことを考える。
その眼差しは温かい。
そうやって「気付いた」人間が集まり、自分自身で考え、自分の役割を理解した集団となって、ようやく不確定要素やミスを乗り越えて物事を成し得ていけるのである。
監督の指導もまた、自身が学び、悩み、磨き上げてきた人生哲学から来るものである。
才は学より生まれる。
一流の選手となり、一流の人間となるためには、学ばなければならない。悩まなければならない。そして人格を磨き上げることで、初めて人の上に立てる人間となるのである。
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