14日のカンブリア宮殿のゲストは洋食チェーンサイゼリヤの会長・正垣泰彦氏。

 サイゼリヤの印象として、「安かろう悪かろう」という勝手なイメージを抱いていた自分としては、少々驚きを受けた。
 原材料の品質に対する追求・要求を徹底的にしているという点は、まさに自分の偏見が打ち砕かれた瞬間だった。
 また安さを追求するためのコスト削減も、理論物理学を専攻していたという事実と、あの語り口、そして実際の効率化された仕組みを見せられることによって納得できる。
 村上龍氏が驚いていたことは、飛行機にしろ新幹線にしろ、エコノミーや普通車を使用していると言う点だった。
 泰彦氏はそういったことに拘っていない様子だった。また、自分が楽を出来る分を、安さや賃金に反映できればいいといっていた。そう言った特級シートに乗って、眠ってしまっていたら詰まらないと。
 ここから覗えることは、氏の合理的な性格と、他者に対する奉仕の精神。他者中心の考え方だ。
 やはり成功した企業の幹部に見られることに、他者の悦びが自分の悦びとなる人がいるということだ。どうすれば人が喜ぶのか、それを実現するためにはどうすればよいのか、そう言ったことを追求する考え方。
 また、彼の場合は論理的な思考力がそれを助ける道具となっている。
 論理的、合理的というと非人情的な語感があるかもしれないが、実際は使いよう。これは何に対しても有効だと思う。
 母親に贈られた言葉を大切にするなど、素直でもある。これは大切なことではないだろうか。

 派遣労働者300人を止め、30人を手厚く保護したパートとして再雇用したというが、やはり派遣を止めるとどうしても数を減らさなくてはならない。
 この点は、派遣完全撤廃を謳う政党は、どうクリアするのだろうか。

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