齋藤孝さんの「身体感覚を取り戻す~腰・ハラ文化の再生~」という本を買いました。身体的には非常に貧弱な自分ですので、以前から齋藤孝さんの身体論には興味があったのですが、氏の身体を扱った著作については初めて買いました。
今年は出来れば月に最低一冊は本を読みたいなあと思っていましたが現在の所それは出来てないですね。3月からそれをノルマにしようかなあ……。最低一冊、出来れば三冊。無理っぽいけど。
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中日ドラゴンズについて。
埼玉西武ライオンズからFA宣言をした和田を補強したことにより、野手の全ポジションがほぼ固定メンバーとなった昨季のドラゴンズ。投手陣から岡本は抜けましたが、ほとんどメンバーは流出せず、実力者を揃えていたので、おそらく優勝争いをするのだろうと考えていました。
ところが蓋を開けてみると意外にも苦戦を強いられることとなりました。確かにAクラスには入っているし、一時優勝争いもしました。しかし巨人、阪神とは溝を開けられ、広島との争いで危うくBクラスに落ちる危機もありました。
そんな不本意なシーズンを終え、このオフにはエースの川上、打の主軸であるタイロン・ウッズと中村紀洋がチームを去るという事態に陥り、チームの変革を迫られることになりました。
果たして今年のドラゴンズは一体どのようなチームになり、どの程度の結果を残すことが出来るのでしょうか。正直なところ、この中日ドラゴンズの順位を予想するのは12球団の中でも指折りで難しいと思えます。
下位球団は着々と力を蓄えて来ていますし、上位球団もチーム力の向上に手を緩める気配はありません。共通しているのは、土台はほぼ昨年の延長上であるということです。しかし中日ドラゴンズはその中にあって劇的に布陣の変化を求められる状況にあります。そういう意味で、この中日ドラゴンズの浮沈がセ・リーグの順位全体を変化させる、台風の目になるのかもしれません。
昨年の成績を踏まえ、今年のドラゴンズを予想してみたいと思います。
(あくまで一他球団ファンから見た域を出ませんのであしからず)
投手に関して。
中日ドラゴンズというと自分の場合まず投手王国、堅守、というイメージが最初に浮かびます。実際投手の層は厚いですし、落合監督も守り勝つ野球というのを主体として語っていたりもしました。ですが個人的に昨年に関して言えばその手堅いイメージが若干薄まっていたように思います。
まず防御率は6球団中3位ですし、守備率は4位でした。故障がちの野手や主要な投手の離脱という面もあったと思います。しかし外野手が特にそうですが、あまり守備のうまくない選手も多く、そこで投手が足を引っ張られてしまっていた面もあると思います。その上に得点は最下位となっていますから、昨年苦しい戦いを強いられたのも納得できます。
それでも何とか3位に収まったのは投手の層の厚さや谷繁という存在があったからでしょう。四球(6位中日336、5位巨人351)や暴投(6位中日24、5位広島36)の数が他チームに比べて格段に少ない点がそれを物語っています。主力がいまいち機能しなかった中でこれだけの数字を残せているのですからある意味では上出来だったかもしれません。
先発投手について。
川上・中田・朝倉・チェン・山本昌・吉見・小笠原・佐藤充・清水昭・川井
昨年先発を務めたと思われる主な投手は上記の通りでしょうか。昨年は怪我や不調などが重なり、規定投球回に到達した投手がいなかったと言うことです。
今年は名実共にエースと呼べる人材であった川上がここから抜けます。現在、中日ドラゴンズも、(個人的な規準では)今の所エース不在となっている状況です。
投手王国といわれてきている中日ですが、確かに中継ぎは豊富なものの、毎年先発投手にいまいち物足りなさを感じていました。それでも優勝争いをしてきたのはやり繰りのうまさや戦い方のうまさ、中継ぎの豊富さがあったからなのでしょう。
しかし今回は次代のエースが育ちきらないまま大黒柱である川上が抜け、先発ローテのメンツを見ても、実績的に手放しで安心できる投手が不足しています。
怪我の状況などいまいちわからないのですが、予想してみます。
先発(確定)・山本昌
先発(不安)・中田、朝倉、チェン、吉見
先発(対抗)(未知数)・小笠原、川井、浅尾、清水昭
先発(穴)・新人、佐藤充、山井、外国人選手?
やはりこのチーム、層は厚い。数はいるのですが、実績的に安心できるのは山本昌だけなのです。中田や朝倉は実力を発揮すれば一年を通してローテーションを守れる力はあるのですが、抜群の成績というわけではありません。実績としては不安定ですし、朝倉などは昨年怪我に悩まされました。経験し、結果を残してきた彼ら二人がチームの芯とならなければいけないわけですし、しっかりした数字を残せばローテーションにも芯が出来るので、重要です。
吉見やチェンは昨年初めて結果を出した選手ですので、今年どの程度出来るのか未知数です。特にドラゴンズの場合、佐藤充や山井など、ブレイクしそうでしきれない投手が特に先発で多いチームですから、今年彼らがすんなり勝っていけるかはまだ慎重にならなければいけないところです。
山井は怪我がちで、小笠原は今ひとつピリッとしないですから、彼らはローテの5番手6番手候補でしょう。川井が先発ローテ候補のようで、まずまずの結果を残しているようです。
今年から浅尾が先発に転向するようです。中継ぎで結果を残しましたが、果たして先発でどこまで通用するのかはわかりません。個人的には、そのまま中継ぎにいた方がと感じているのですが。清水も昨年まずまずの成績を残しましたが、今年どうなるかはわかりません。
力はあるのでしょうが、経験や実績的に今一歩と感じる選手が多いので、彼らがどれだけ力を伸ばせるのかというのが大きな問題です。今までは川上という絶対的なエースがいましたが、彼が抜けてしまった現状、先発のメンツとしてはやや頼りないと言わざるを得ません。
ただし、中継ぎは安定しているので、5,6回まで試合を作れば合格という点では、その不足は補われていると思います。
中継ぎについて。
・抑え
→岩瀬(左)
・セットアッパー
→鈴木(右)、高橋(左)
・勝ちリリーフ
→平井(右)
先程中継ぎは安定していると書きましたが、こうしてみてみると実は中継ぎも思っていたほど強力とは言えないようです。近年先発にしろ中継ぎにしろ若返りの波が押し寄せているドラゴンズですが、その過渡期と言えるのかもしれません。岩瀬もここ最近、多少安定感を欠く投球が続いていますし、鈴木や高橋をセットアッパーと呼ぶに相応しいのか、多少疑問が残ります。仮に彼らがそうだとしても、怪我をした場合、彼らに匹敵する実績を残している選手が見あたりません。そういう意味で、自分は浅尾が絶対的なセットアッパーとして残るべきだと考えているわけです。
ただし現状層が薄いように見えるドラゴンズリリーフ陣ですが、元々質の高い選手が多いだけに、短いイニングでの登板ならば、今まで大した数字を残していなかった選手がスッと出てきていつの間にかそこに収まる可能性も充分有り得ます。あるいは、先発枠に残れなかった選手、外国人投手などがロングリリーフを含め中継ぎに加わるのかもしれません。そこは多少楽観しても良いのかもしれませんが、ただ昨年までの成績を鑑みた場合、現状不足気味かな、と感じるのです。個人的には是非、中里投手に頑張って貰いたいです。期待しています。
投手事情に関して言えば、上位争いをする上で最低限度の戦力は有していると言えます。ですが、不確定要素が大きいのです。一皮剥けない選手を含め、不足している感は否めません。川上が抜けた今年、それまでやり繰りで補えていた分を果たして埋めることが出来るのか、非常に予測が困難です。良く言えば、難しい世代交代の渦中にあって上位争いが出来ているのです。現在物足りなく見えるのは、芽が出て幹が太くなり、背を伸ばしている最中の樹木を以前の巨木と比較しているからに過ぎないのかもしれません。
つまり、今年、それまで留まっていた能力が飛躍的に伸び、大木へと成長する可能性があるわけです。そうすれば上位を狙えるはずです。それが出来なければ今年は中位、または下位を争う苦しいシーズンとなるでしょう。
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09年3月3日追記
中日ドラゴンズの野手を評価してみたいと思います。
まず昨シーズンのベストオーダーを、朧気ですが記してみたいと思います。
1.遊・井端
2.二・荒木
3.中・森野
4.一・ウッズ
5.左・和田
6.三・中村紀
7.右・イビョンギュ
8.捕・谷繁
9.投手
実績のあるメンバーが揃い、各ポジションがほぼ固定された昨年のドラゴンズの野手ですが、結果的にはあまり機能したとは言えませんでした。上のオーダーを見ても、随分と怖い打線という印象は昨年と変わりません。故障などもあったと思いますが、他には一体何が問題だったのでしょうか。
まず数字としては、チーム打率が6球団中唯一の5分台で最下位でした。打点も得点も5位、6位と低調でした。盗塁数も5位、犠打は4位でした。変わりに二塁打が2位、本塁打が4位広島と40本差の140で3位。四球が2位でした。
メンバーを見ればわかるように、基本的に走力のある選手達ではありません。先発で足を期待できるのは荒木、井端くらいでしょう。また一方で、犠打を絡めるような面子でもありません。やはり基本的にはヒット、長打を中心に得点をしていく構成でしょう。こういったメンバーの場合あまりベンチの指示がどうこうと言うよりも、出ている選手に任せるような采配になりがちです(実際どうだったかはわかりません)。
かつてのダイエーホークスのような城島、井口、小久保、松中、バルデスのような超強力打線は、試合に際しては細かい指示はいらないとは思いますし、細かい野球をやらせることは逆効果の場合もあります。黙って見ていても結果をある程度出してくれると思うのです。タイプ的には同じような昨年のドラゴンズの打線が機能しなかったのは、なぜでしょうか。
一つには故障などで荒木や井端など、選手の離脱があったということがあります。二つめにはウッズ、中村紀洋など思った成績を上げられなかったと言うことでしょう。二年目で期待されたイビョンギュも結局昨年とあまり変わらず低調な成績でした。3つめに、これが意外と重要なのではないかと自分は感じているのですが、若手の突き上げがない、ということが要因としてあるのではないでしょうか。
上のメンバーで言ってみれば、実は全ての選手が昨年の時点で30代だったのです。昨年ドラゴンズの順位を予想した時点でも平均年齢が上がった旨を軽く記しましたが、それほど問題があるとは思っていませんでした。しかし昔から優勝するには若手とベテランの融合が重要と言うことは言われてきていることですし、実際優勝してきたチームというのは若手や働き盛りの中堅に著しい伸長があった傾向があります。
その点昨年のドラゴンズは若手の付け入る隙がほとんど無かったように思います。多少不調でも実績のある選手は簡単には外せませんから、例年になく若手や中堅の出場は限られました。
しかし、いざ問題のある主力を見限ろうにも、彼らに替わる選手があまりいません。今までは余裕のあるポジションに入ったり、主力の控えとして下支えをしてきた選手達は、あくまでサブプレーヤーとしての限定的な働きはまずまずでも、主力となりきるほどの力はありませんでした。
どのチームでも、主力に怪我が出たり不振があったりすれば苦しいものです。問題はそれを控えの選手でどの程度カバーできるかです。ドラゴンズは、その点で若手を伸ばし切れていませんでした。和田、中村、イビョンギュ。そう言った即戦力を獲得することはチーム力向上のため、優勝争いをするために必要なことでしたが、逆に言えば自前の若手をその空いたポジションに入れることが出来なかった点は反省材料でしょう。
将来を見据えた選手の育成を出来ていなかった、ということです。チームの中核となり、チームを引っ張るのは、やはり自前の若い選手なのです。この点は昨年のドラゴンズを見ていて非常に勉強になりました。
ベテラン主体のチームというのは安定した戦いが出来ます。一方で加速力に欠くところがあります。若手主体のチームというのは加速力、突破力はあるのですが、不安定です。
若手、中堅、ベテラン、生え抜き、移籍組、主力、控え、あらゆる相互作用が化学反応を生み、優勝の原動力となります。
今年のドラゴンズは、中村紀洋、タイロン・ウッズという強打の主力を欠くことになりますが、これは必ずしもマイナスなことばかりではありません。チームが新しく生まれ変わる一つのきっかけになるからです。
1.遊・荒木
2.二・井端
3.三・森野
4.一・ブランコ
5.左・和田
6.中・藤井
7.右・イビョンギュ
8.捕・谷繁
9.投手
今年のオーダーを予想してみたのですが、正直わかりません。
主力は年齢も上がってきて怪我と無縁というわけには行かないと思いますし、昨年までの成績などからも、おそらく控えの選手との交代も多くなると思います。
オープン戦を見てみて、新外国人のブランコは、ツボにはまれば砲弾のような破壊力のある打球をかっ飛ばしますが、最初のうちは率の面で多少苦戦するのではないかと思います。
イビョンギュは過去二年間期待を裏切っていますし、契約もおそらく今年が最終年でしょうから、早いうちから結果を出さなければスタメンを剥奪される可能性は充分あります。
谷繁も、小田や小山などの若手と併用されるでしょう。荒木、井端も体調面に心配がありますし、デラロサなどとの併用になるのでしょう。
成績として安心できるのはおそらく森野だけなのでしょう。和田は毎年安定して成績を残していますが、年齢は今年37になるので安心は出来ません。
センターに藤井を入れました。彼は昨年ファームでも結果を出しているようですし、今のところオープン戦でもよく打っています。彼が定着するかはわかりませんが、その他にも堂上兄弟や平田、中村公治、谷哲也、西川、新井、岩崎恭平など、若手には面白い素材が一杯います。
今年は是非、主力の状態に応じて(そうでなくとも)積極的に、将来のドラゴンズを担う若手を起用して欲しいと思います。彼らが試合の中で伸びていくようならば、おそらく昨年にはなかった若手の突き上げによる推進力で、上位を争うことが出来るのではないでしょうか。
いきなりポジションを奪うというのは無理でしょう。しかし、それでも井上や英智などのようにバッティングや守備など、得意分野で力を発揮することは出来ます。そう言った戦力全てを動員するやり繰り野球は、落合監督は苦手ではないはずです。就任当時もそう言う野球で優勝しました。
今年のドラゴンズは非常に荒削りと言えます。昨年までの完成した形とは見劣りする面もあるでしょう。ですが、それは発展の余地を残していると言うことです。完成された物は安定していてそれはそれで素晴らしいのですが、反面詰まらなくもあります。一方で未完成の物は今後新たな可能性を思い描かせてくれるという点で非常に魅力的です。
近年常勝軍団として常に上位争いをしていたドラゴンズですが、単純に戦力だけを見ると今年は少し苦しい戦いを強いられることになりそうです。しかし昔新しかった家も月日と共に古くなりますし、補強して、それでも保たなければ壊して立て直すしかありません。
今まで築いた常勝の形を一旦崩し、将来強いチームとして上位に長く君臨するために、今年は変革を求められる年になるのでしょう。落合監督も、今までは既成のの選手を主体として起用してきました。新しく、自らの手で中核となる選手を育てることが出来るのかが注目されます。
今年のドラゴンズはそういった意味で非常に未知なのです。選手の育成に手間取れば下位に沈むでしょう。一方で、上位に食い込む余地もあります。可能性の幅が広いのです。そういった意味で台風の目となるチームと自分は考えます。
ただし、単純に戦力を見てみた場合、おそらくAクラスの当落線上にいるのではないかと予想しています。
今年は出来れば月に最低一冊は本を読みたいなあと思っていましたが現在の所それは出来てないですね。3月からそれをノルマにしようかなあ……。最低一冊、出来れば三冊。無理っぽいけど。
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中日ドラゴンズについて。
埼玉西武ライオンズからFA宣言をした和田を補強したことにより、野手の全ポジションがほぼ固定メンバーとなった昨季のドラゴンズ。投手陣から岡本は抜けましたが、ほとんどメンバーは流出せず、実力者を揃えていたので、おそらく優勝争いをするのだろうと考えていました。
ところが蓋を開けてみると意外にも苦戦を強いられることとなりました。確かにAクラスには入っているし、一時優勝争いもしました。しかし巨人、阪神とは溝を開けられ、広島との争いで危うくBクラスに落ちる危機もありました。
そんな不本意なシーズンを終え、このオフにはエースの川上、打の主軸であるタイロン・ウッズと中村紀洋がチームを去るという事態に陥り、チームの変革を迫られることになりました。
果たして今年のドラゴンズは一体どのようなチームになり、どの程度の結果を残すことが出来るのでしょうか。正直なところ、この中日ドラゴンズの順位を予想するのは12球団の中でも指折りで難しいと思えます。
下位球団は着々と力を蓄えて来ていますし、上位球団もチーム力の向上に手を緩める気配はありません。共通しているのは、土台はほぼ昨年の延長上であるということです。しかし中日ドラゴンズはその中にあって劇的に布陣の変化を求められる状況にあります。そういう意味で、この中日ドラゴンズの浮沈がセ・リーグの順位全体を変化させる、台風の目になるのかもしれません。
昨年の成績を踏まえ、今年のドラゴンズを予想してみたいと思います。
(あくまで一他球団ファンから見た域を出ませんのであしからず)
投手に関して。
中日ドラゴンズというと自分の場合まず投手王国、堅守、というイメージが最初に浮かびます。実際投手の層は厚いですし、落合監督も守り勝つ野球というのを主体として語っていたりもしました。ですが個人的に昨年に関して言えばその手堅いイメージが若干薄まっていたように思います。
まず防御率は6球団中3位ですし、守備率は4位でした。故障がちの野手や主要な投手の離脱という面もあったと思います。しかし外野手が特にそうですが、あまり守備のうまくない選手も多く、そこで投手が足を引っ張られてしまっていた面もあると思います。その上に得点は最下位となっていますから、昨年苦しい戦いを強いられたのも納得できます。
それでも何とか3位に収まったのは投手の層の厚さや谷繁という存在があったからでしょう。四球(6位中日336、5位巨人351)や暴投(6位中日24、5位広島36)の数が他チームに比べて格段に少ない点がそれを物語っています。主力がいまいち機能しなかった中でこれだけの数字を残せているのですからある意味では上出来だったかもしれません。
先発投手について。
川上・中田・朝倉・チェン・山本昌・吉見・小笠原・佐藤充・清水昭・川井
昨年先発を務めたと思われる主な投手は上記の通りでしょうか。昨年は怪我や不調などが重なり、規定投球回に到達した投手がいなかったと言うことです。
今年は名実共にエースと呼べる人材であった川上がここから抜けます。現在、中日ドラゴンズも、(個人的な規準では)今の所エース不在となっている状況です。
投手王国といわれてきている中日ですが、確かに中継ぎは豊富なものの、毎年先発投手にいまいち物足りなさを感じていました。それでも優勝争いをしてきたのはやり繰りのうまさや戦い方のうまさ、中継ぎの豊富さがあったからなのでしょう。
しかし今回は次代のエースが育ちきらないまま大黒柱である川上が抜け、先発ローテのメンツを見ても、実績的に手放しで安心できる投手が不足しています。
怪我の状況などいまいちわからないのですが、予想してみます。
先発(確定)・山本昌
先発(不安)・中田、朝倉、チェン、吉見
先発(対抗)(未知数)・小笠原、川井、浅尾、清水昭
先発(穴)・新人、佐藤充、山井、外国人選手?
やはりこのチーム、層は厚い。数はいるのですが、実績的に安心できるのは山本昌だけなのです。中田や朝倉は実力を発揮すれば一年を通してローテーションを守れる力はあるのですが、抜群の成績というわけではありません。実績としては不安定ですし、朝倉などは昨年怪我に悩まされました。経験し、結果を残してきた彼ら二人がチームの芯とならなければいけないわけですし、しっかりした数字を残せばローテーションにも芯が出来るので、重要です。
吉見やチェンは昨年初めて結果を出した選手ですので、今年どの程度出来るのか未知数です。特にドラゴンズの場合、佐藤充や山井など、ブレイクしそうでしきれない投手が特に先発で多いチームですから、今年彼らがすんなり勝っていけるかはまだ慎重にならなければいけないところです。
山井は怪我がちで、小笠原は今ひとつピリッとしないですから、彼らはローテの5番手6番手候補でしょう。川井が先発ローテ候補のようで、まずまずの結果を残しているようです。
今年から浅尾が先発に転向するようです。中継ぎで結果を残しましたが、果たして先発でどこまで通用するのかはわかりません。個人的には、そのまま中継ぎにいた方がと感じているのですが。清水も昨年まずまずの成績を残しましたが、今年どうなるかはわかりません。
力はあるのでしょうが、経験や実績的に今一歩と感じる選手が多いので、彼らがどれだけ力を伸ばせるのかというのが大きな問題です。今までは川上という絶対的なエースがいましたが、彼が抜けてしまった現状、先発のメンツとしてはやや頼りないと言わざるを得ません。
ただし、中継ぎは安定しているので、5,6回まで試合を作れば合格という点では、その不足は補われていると思います。
中継ぎについて。
・抑え
→岩瀬(左)
・セットアッパー
→鈴木(右)、高橋(左)
・勝ちリリーフ
→平井(右)
先程中継ぎは安定していると書きましたが、こうしてみてみると実は中継ぎも思っていたほど強力とは言えないようです。近年先発にしろ中継ぎにしろ若返りの波が押し寄せているドラゴンズですが、その過渡期と言えるのかもしれません。岩瀬もここ最近、多少安定感を欠く投球が続いていますし、鈴木や高橋をセットアッパーと呼ぶに相応しいのか、多少疑問が残ります。仮に彼らがそうだとしても、怪我をした場合、彼らに匹敵する実績を残している選手が見あたりません。そういう意味で、自分は浅尾が絶対的なセットアッパーとして残るべきだと考えているわけです。
ただし現状層が薄いように見えるドラゴンズリリーフ陣ですが、元々質の高い選手が多いだけに、短いイニングでの登板ならば、今まで大した数字を残していなかった選手がスッと出てきていつの間にかそこに収まる可能性も充分有り得ます。あるいは、先発枠に残れなかった選手、外国人投手などがロングリリーフを含め中継ぎに加わるのかもしれません。そこは多少楽観しても良いのかもしれませんが、ただ昨年までの成績を鑑みた場合、現状不足気味かな、と感じるのです。個人的には是非、中里投手に頑張って貰いたいです。期待しています。
投手事情に関して言えば、上位争いをする上で最低限度の戦力は有していると言えます。ですが、不確定要素が大きいのです。一皮剥けない選手を含め、不足している感は否めません。川上が抜けた今年、それまでやり繰りで補えていた分を果たして埋めることが出来るのか、非常に予測が困難です。良く言えば、難しい世代交代の渦中にあって上位争いが出来ているのです。現在物足りなく見えるのは、芽が出て幹が太くなり、背を伸ばしている最中の樹木を以前の巨木と比較しているからに過ぎないのかもしれません。
つまり、今年、それまで留まっていた能力が飛躍的に伸び、大木へと成長する可能性があるわけです。そうすれば上位を狙えるはずです。それが出来なければ今年は中位、または下位を争う苦しいシーズンとなるでしょう。
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09年3月3日追記
中日ドラゴンズの野手を評価してみたいと思います。
まず昨シーズンのベストオーダーを、朧気ですが記してみたいと思います。
1.遊・井端
2.二・荒木
3.中・森野
4.一・ウッズ
5.左・和田
6.三・中村紀
7.右・イビョンギュ
8.捕・谷繁
9.投手
実績のあるメンバーが揃い、各ポジションがほぼ固定された昨年のドラゴンズの野手ですが、結果的にはあまり機能したとは言えませんでした。上のオーダーを見ても、随分と怖い打線という印象は昨年と変わりません。故障などもあったと思いますが、他には一体何が問題だったのでしょうか。
まず数字としては、チーム打率が6球団中唯一の5分台で最下位でした。打点も得点も5位、6位と低調でした。盗塁数も5位、犠打は4位でした。変わりに二塁打が2位、本塁打が4位広島と40本差の140で3位。四球が2位でした。
メンバーを見ればわかるように、基本的に走力のある選手達ではありません。先発で足を期待できるのは荒木、井端くらいでしょう。また一方で、犠打を絡めるような面子でもありません。やはり基本的にはヒット、長打を中心に得点をしていく構成でしょう。こういったメンバーの場合あまりベンチの指示がどうこうと言うよりも、出ている選手に任せるような采配になりがちです(実際どうだったかはわかりません)。
かつてのダイエーホークスのような城島、井口、小久保、松中、バルデスのような超強力打線は、試合に際しては細かい指示はいらないとは思いますし、細かい野球をやらせることは逆効果の場合もあります。黙って見ていても結果をある程度出してくれると思うのです。タイプ的には同じような昨年のドラゴンズの打線が機能しなかったのは、なぜでしょうか。
一つには故障などで荒木や井端など、選手の離脱があったということがあります。二つめにはウッズ、中村紀洋など思った成績を上げられなかったと言うことでしょう。二年目で期待されたイビョンギュも結局昨年とあまり変わらず低調な成績でした。3つめに、これが意外と重要なのではないかと自分は感じているのですが、若手の突き上げがない、ということが要因としてあるのではないでしょうか。
上のメンバーで言ってみれば、実は全ての選手が昨年の時点で30代だったのです。昨年ドラゴンズの順位を予想した時点でも平均年齢が上がった旨を軽く記しましたが、それほど問題があるとは思っていませんでした。しかし昔から優勝するには若手とベテランの融合が重要と言うことは言われてきていることですし、実際優勝してきたチームというのは若手や働き盛りの中堅に著しい伸長があった傾向があります。
その点昨年のドラゴンズは若手の付け入る隙がほとんど無かったように思います。多少不調でも実績のある選手は簡単には外せませんから、例年になく若手や中堅の出場は限られました。
しかし、いざ問題のある主力を見限ろうにも、彼らに替わる選手があまりいません。今までは余裕のあるポジションに入ったり、主力の控えとして下支えをしてきた選手達は、あくまでサブプレーヤーとしての限定的な働きはまずまずでも、主力となりきるほどの力はありませんでした。
どのチームでも、主力に怪我が出たり不振があったりすれば苦しいものです。問題はそれを控えの選手でどの程度カバーできるかです。ドラゴンズは、その点で若手を伸ばし切れていませんでした。和田、中村、イビョンギュ。そう言った即戦力を獲得することはチーム力向上のため、優勝争いをするために必要なことでしたが、逆に言えば自前の若手をその空いたポジションに入れることが出来なかった点は反省材料でしょう。
将来を見据えた選手の育成を出来ていなかった、ということです。チームの中核となり、チームを引っ張るのは、やはり自前の若い選手なのです。この点は昨年のドラゴンズを見ていて非常に勉強になりました。
ベテラン主体のチームというのは安定した戦いが出来ます。一方で加速力に欠くところがあります。若手主体のチームというのは加速力、突破力はあるのですが、不安定です。
若手、中堅、ベテラン、生え抜き、移籍組、主力、控え、あらゆる相互作用が化学反応を生み、優勝の原動力となります。
今年のドラゴンズは、中村紀洋、タイロン・ウッズという強打の主力を欠くことになりますが、これは必ずしもマイナスなことばかりではありません。チームが新しく生まれ変わる一つのきっかけになるからです。
1.遊・荒木
2.二・井端
3.三・森野
4.一・ブランコ
5.左・和田
6.中・藤井
7.右・イビョンギュ
8.捕・谷繁
9.投手
今年のオーダーを予想してみたのですが、正直わかりません。
主力は年齢も上がってきて怪我と無縁というわけには行かないと思いますし、昨年までの成績などからも、おそらく控えの選手との交代も多くなると思います。
オープン戦を見てみて、新外国人のブランコは、ツボにはまれば砲弾のような破壊力のある打球をかっ飛ばしますが、最初のうちは率の面で多少苦戦するのではないかと思います。
イビョンギュは過去二年間期待を裏切っていますし、契約もおそらく今年が最終年でしょうから、早いうちから結果を出さなければスタメンを剥奪される可能性は充分あります。
谷繁も、小田や小山などの若手と併用されるでしょう。荒木、井端も体調面に心配がありますし、デラロサなどとの併用になるのでしょう。
成績として安心できるのはおそらく森野だけなのでしょう。和田は毎年安定して成績を残していますが、年齢は今年37になるので安心は出来ません。
センターに藤井を入れました。彼は昨年ファームでも結果を出しているようですし、今のところオープン戦でもよく打っています。彼が定着するかはわかりませんが、その他にも堂上兄弟や平田、中村公治、谷哲也、西川、新井、岩崎恭平など、若手には面白い素材が一杯います。
今年は是非、主力の状態に応じて(そうでなくとも)積極的に、将来のドラゴンズを担う若手を起用して欲しいと思います。彼らが試合の中で伸びていくようならば、おそらく昨年にはなかった若手の突き上げによる推進力で、上位を争うことが出来るのではないでしょうか。
いきなりポジションを奪うというのは無理でしょう。しかし、それでも井上や英智などのようにバッティングや守備など、得意分野で力を発揮することは出来ます。そう言った戦力全てを動員するやり繰り野球は、落合監督は苦手ではないはずです。就任当時もそう言う野球で優勝しました。
今年のドラゴンズは非常に荒削りと言えます。昨年までの完成した形とは見劣りする面もあるでしょう。ですが、それは発展の余地を残していると言うことです。完成された物は安定していてそれはそれで素晴らしいのですが、反面詰まらなくもあります。一方で未完成の物は今後新たな可能性を思い描かせてくれるという点で非常に魅力的です。
近年常勝軍団として常に上位争いをしていたドラゴンズですが、単純に戦力だけを見ると今年は少し苦しい戦いを強いられることになりそうです。しかし昔新しかった家も月日と共に古くなりますし、補強して、それでも保たなければ壊して立て直すしかありません。
今まで築いた常勝の形を一旦崩し、将来強いチームとして上位に長く君臨するために、今年は変革を求められる年になるのでしょう。落合監督も、今までは既成のの選手を主体として起用してきました。新しく、自らの手で中核となる選手を育てることが出来るのかが注目されます。
今年のドラゴンズはそういった意味で非常に未知なのです。選手の育成に手間取れば下位に沈むでしょう。一方で、上位に食い込む余地もあります。可能性の幅が広いのです。そういった意味で台風の目となるチームと自分は考えます。
ただし、単純に戦力を見てみた場合、おそらくAクラスの当落線上にいるのではないかと予想しています。
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