2月10日の日記

2009年2月10日 野球
 最近身辺で変化が着々と起こっている感じがします。
 吉と出るか凶と出るか……コントロールは出来ないが、流れを把握して、掴めるときに掴む、掴めないときは我慢して次に備える、ということは自分でも出来るわけです。全てが自分の思う通りに行くわけがない。それを知っていれば充分という気がします。もちろん、ただ流れに身を任せるだけと言うことではありません。努力をして、うまくいかなかったとしても、そう言うこともあると構える。成功率を上げるために頑張って、それでうまくいけば儲け物。ダメだったらば仕方がない。次に活かす。そう言う覚悟、腹の括り方をしていれば、ある程度のことは動じなくなるのかな、と。

 さて、プロ野球、各球団の戦力分析。一つ更新するのに2~4時間くらいかかるし、気力も消耗するので堪らん。まあでも好きだからいいさ。選手とか覚えられるしさ。

・広島東洋カープ

 昨年、エースと主砲が抜けたと言うこともあり、自分はカープについて懸念を示していた。特に投手に対してその思いは強かったし、野手にしてもプレースタイルに変化がなければ、新しく広い球場に生まれ変わる今年は特に厳しくなるだろう、と言う見方で、6位と予想した。
 だが結果的にはカープは5球団と互角に戦い、終盤スワローズに競り勝って4位の座に納まった。そのプレースタイルや戦力は、大きく様変わりしていた。

 まず投手から見ていきたい。
 昨シーズンのカープは防御率で言えば5位という成績に終わっている。自分は昨年、カープは先発中継ぎ、共に不足していると考えていた。しかし、成績を見てみると、セーブ数は巨人と同率で1位。ホールド、ホールドポイントに関しては3位と言うように、リリーフに関しては例年に比べかなり整備された印象だ。完投数も比較的多い。
 一方、四死球に関しては横浜に次いでワースト2位。敬遠は一番多かった。また、自責点と失点の差が一番開いていた。つまり、失策によって傷口が広がっているのだ。これは、守備率がワースト1位という点で裏付けられている。基本的に、四球や失策など、無駄な出塁を許して自滅しているという風に考えられる。

・先発投手について。
 昨年エースである黒田が抜けた。彼以外を見渡してみると、正直まともにローテーションが組めるかすら危ういと自分は感じていた。しかし不思議なもので、このチームというのは和製の4番や先発完投型のエースが抜けると、入れ替わるように次のチームの核となる選手が出て来るのである。同時期にいればもっと上位争いできただろうにと思うのだが、なぜかあまり重ならない。
 今年先発ローテが当確なのはルイス、大竹、前田の三人だろう。高橋健がいればここに入っていたが彼は大リーグに行ってしまった。ただ、彼の場合過去の実績から、シーズンの半分から、頑張っても3/4程だと思われるのだが。
 三人は当確なのだが、残りの2~3枠がはっきりとしない。自分の予想では、実績重視だと青木高、長谷川、篠田、このあたりが有力だろう。数字だけの判断になってしまうが、若手の注目株で言うと齋藤、大島あたり。大穴としては河内、宮崎、あるいは新人の小松と言ったあたりだろうか。

先発・当確
→ルイス、前田、大竹

先発・次点(未知数)
→青木高、長谷川、篠田

先発・注目(未知数)
→齋藤、大島

先発・大穴
→河内、宮崎、小松

 こうしてみると、数は多い。
 当確組は怪我さえなければ、一定の水準で年間通して投げてくれるだろうと自分は考えている。特に前田はカープのエースに、ひいては日本を代表する投手になれるのではと期待している。昨年期待された大竹は、チーム事情もあろうが、もう一皮むけずに、エースになりきれなかった。彼の不足を補ったのがルイスだ。非常に素晴らしい活躍をした。
 クライマックスシリーズ、あるいは優勝争いに加わるには、彼らに続く人材が欲しい。ブラウン監督は先発投手のローテを確か短くしていた気がするので、固定するならば5人ほどが目安だろうか。だとすれば4人目が決まれば後一人は何とか調子の良い人間を当ててやり繰りできるだろう。そうすれば、先の3人がしっかりしているだけに、かなり強力になる。もちろん、怪我さえなければだが。
 青木は一年目に勝ち運に見放された影響か、今年もパッとしなかった。長谷川は過去の実績から毎年期待されているが、それを裏切り続けている。篠田は昨年ルーキーながら一定の成績を残した。飛躍が期待される。この三人は何かきっかけがあれば伸びそうな気がしているが、うまくいかなければ、最後の一枠を三人で代わる代わる入ることになりそうだ。
 一方、先発に左腕が不足しているので、大島、齋藤の若手左腕には期待したい。大島はリリーフなのか先発なのかはわからないが、どちらにしてもチームの中での貴重な左腕であることは間違いない。齋藤はまずまずの結果を出しているようだし、もしかしたら彼が今年4人目の枠に収まるかもしれない。
 穴の河内は、もはや先発ローテという期待は難しいのだろうと思う。どのポジションであれ、活躍してくれたら儲け物だろう。

 このチームも本来的なエースと呼べる投手は今の所いない。しかし、エース並みの活躍をしたルイスや、現在エースへの進化が期待されている大竹、そして次代のエースとなれる前田など、水準の高い3本柱を有している。それに比べて下位ローテ候補の人材はどうもボヤッとした選手が多いのが気になる。

・中継ぎについて。
 昨年一番驚いたのは、このポジションが充実してきたことだった。確かに昨年の春先に調べたときに以前よりも数が揃ってきた印象はあったが、ここまで順調に整備されるとは思っていなかった。

・抑え
→永川

・セットアッパー
→横山、梅津

・勝ちリリーフ
→シュルツ

 このあたりがまず当確だろう。永川は隔年での活躍が目立つように安定感に欠けるのが心配だが、ある程度はやってくれるのではないかと考える。横山と梅津は毎年比較的安定して数字を残しているので信頼度は高そう。登板過多による疲労だけが気になるところだ。シュルツもまずまずの成績だった。
 ここに新外国人のドーマンが加われば、かなり優秀なリリーフ陣となる。ただし、左腕不足が否めない。そこは青木勇を筆頭に、青木高、河内、大島などに寄る争いになるのではないか。
 うまく機能すれば5回終了以降、5点リードしていればほぼ確実に、3点リードでかなり高い確率の勝利が得られる物と思う。完投能力の高い先発も多いだけに、中盤の繋ぎリリーフが若干手薄である面も、多少はカバーされる。

 印象として、投手力はかなり整備されてきていると感じる。ただまだ投手王国と言えるほどの厚さはない。どのチームでも主力が抜ければ痛いものだが、主力が抜けた後に、主力の何%分を他の選手でカバーできるかという点が重要になる。
 今現在の広島の投手事情では、その主力と控えの落差がかなり大きいのではないか、と思えるのだ。つまり、はまればかなり優位に戦える、クライマックスシリーズ、あるいは、優勝すら争えるかもしれないほどの投手力を持っているが、それが一枚欠けると、途端に歯車が狂い出す可能性がある。
 先発枠に入れなかった投手などが、若干手薄なその中継ぎ陣に加わり、そこで飛躍することが出来れば、他球団にとってはかなり怖くなるだろう。

 以下、野手についてはまた気が向いたときに更新します。

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2月28日追記。

 だいぶ間が空きましたがとりあえず広島の野手に関して、考察をしてみたいと思います。

 昨年の開幕前には、2009年から新球場になるため、戦い方を変える必要があるのではないか、というような旨のことを書いたと思います。ブラウン監督も、過去2年思うような結果が出ていなかったこともあったと思いますが、契約最終年に当たって選手の起用を変えてきました。走力のある若手の選手を積極的に用い、スピード感ある野球に変貌しました。その甲斐あってか、チームは4位という近年のカープに於いては非常に希望の持てる成績で08年を終えました。

 では昨年のカープの打撃成績から今年の課題を考えてみたいと思います。
 まず、カープはチーム打率が.271という唯一の7分台で1位でした。出塁率も6球団中真ん中あたりでまずまずの成績です。が、一方打点は506で最下位。得点も最下位中日と2点差の537で5位でした。
 これは、出塁はする物の、決定打に欠けていたと言うことを意味しています。打線の迫力不足であったり、戦術面で不足していたのかもしれません。迫力不足という点では、6球団中一番少ない敬遠四球の数字が物語っているかもしれません。
 また、意外にも盗塁の数がそれほど多くないのです。同じく機動力野球を目指した昨年のスワローズですが、盗塁数は148でダントツの1位でした。広島もかなりの数していたようなイメージがあったのですが、69で3位と、それほどでもありませんでした。またスワローズが51の失敗であったのに対して、カープは49で2番目に多く失敗していました。犠打は121で4位ですし、出塁しても次の塁を奪えなかった(奪わなかった)ということで、この点も得点がそれほど伸びなかった原因の一つと思われます。

 それと、広島市民球場の狭さがそうさせるのか、二塁打、三塁打も6球団中最下位でした。変わりに本塁打が100で4位と、そこを補っていました。機動力を中心にしながら盗塁も長打も打てないとなると得点は厳しいですし、チーム防御率自体は5位なので、中盤までに打ち崩されてしまうと苦しいでしょう。ただしセットアッパーや抑えがしっかりしていた分、勝ち試合を確実に物にしたという感じでしょうか。
 今年はおそらく二塁打・三塁打と、本塁打の成績は逆転するのだと思います。
 
 課題としては、出塁した選手をいかにして本塁に帰すかという、得点方法でしょう。栗原という4番はいますがそれ以外に強打者が見あたらず、また昨年打率.306、76打点、15本塁打という優秀な成績を残したアレックスとは契約しなかったようなので、現時点で打線の迫力不足は否めません。球場が広くなりますから、小兵が本塁打をするということも少なくなってくるはずです。
 機動力を使って効率よく得点をし、それを投手力で守りきるというスタイルを目指すことになるのだと思います。
 球場が変わり、本格的に戦い方に変化を求められるであろう今年、昨年一軍で経験を積んだ若手がそれを糧に盗塁や率など、どの程度成績の改善を出来るのかが重要になってきます。また、戦術面に於いて、より一層細かいプレーの徹底が必要になって来るものと思われます。
 それらが出来るようになったとき、このチームは他球団にとってかなりの脅威となるのではないでしょうか。そして今年一年は、それらを図る試金石となるのでしょう。

1.左・天谷
2.二・東出
3.三・シーボル
4.一・栗原
5.右・嶋
6.中・赤松
7.捕・石原
8.遊・小窪(外野・岩本)
9.投手

 打線の組み合わせについてはこんな形で書いてみました。はっきりとポジションを獲得しているのは、数字的には東出と栗原だけです。中軸を含め、全体的にやはり多少迫力の点で物足りなさを感じます。近年不調が続いていた嶋が、昨年は復調の兆しを見せたので、引き続き好調を維持できれば貴重なクリーンアップとして3番、もしくは5番に座るでしょう。そうなればチームにとってはかなりプラスです。もし無理ならば外野は赤松、天谷、嶋、前田、井生、ルーキーの岩本などが調子や組み合わせによって入れ替わり立ち替わり起用されるでしょう。
 サードにはシーボルが主に起用されるものと思われますが、成績や年齢などがネックであり、よほど好調を維持しない限り、若手も同時に起用されると思われます。松本、喜多、田中などがサードの座を狙うことになるのではないでしょうか。あるいは石井琢朗がここに入るのでしょう。
 ショートも今ひとつ固定できなポジションですが、昨年ルーキーの小窪がまずまずの成績を残したので、彼の起用が多くなるものと思われます。梵や石井琢朗などと争うのでしょう。
 キャッチャーは主に石原で堅いでしょう。

 広くなった球場と言うことでフェンスを狙った破壊力のある戦いは難しくなり、野手の間を狙った打撃と、そつのない走塁、そして守備力が求められます。アレックスを切った理由はわかりませんが、その点も関係しているのかもしれません。
 しかしそれにしてもやはり得点力という点に於いて物足りなさをどうしても感じてしまうのです。ランナーを帰すバッターが不足しています。投手陣の層が厚ければ良いのですが、現状はそうとは言えません。
 赤松、天谷、小窪、あるいはルーキーの岩本(または松山)など若手が成長することによって、その迫力不足、打点能力を補えるかが鍵になりそうです。
 広島は比較的外国人選手の獲得がうまいチームですし、元来自前で和製の主軸(スタープレーヤー)を育ててきたチームですから、今後もどちらかの方法でそこをカバーすることが出来るかもしれません。

 今年のカープの順位を予想することは難しいのですが、たぶん上位には行けないのではないかと考えています。全てがうまくいけばもちろん上位争いも出来るのでしょう。それくらいの戦力はありますし、優勝するチームとはそう言うものです。ですが冷静に現在の戦力を分析して、そういった物事の好転を省いて考えてみます。
 もし主要な投手に故障者が出ず、野手に多少の上積みがあれば3位争いは出来るでしょう。しかし野手にしろ投手にしろ、層が薄いので、歯が欠けると苦しくなると思います。現実的にはBクラスを抜けられないのではないか、という気がするのです。
 むしろ今年は来年以降、チームがどう行った方向へ強化を進めるのかを導く年になるのではないかと思います。それは、新球場に移行したことによって、現在の戦力と方法で、足りている部分と足りていない部分を見極めるということです。
 投手力と守備力を主体にした守り勝つチームにするのか、あるいは多少守備を犠牲にしてでも得点能力を上げるのか、走塁意識や、犠打による進塁をどうするのか、ということです。そう言った種々の出来不出来、期待と結果を判断し、翌年以降への方針を取捨選択していくことが、今年のカープには特に必要だと思われます。
 ただし、ブラウン監督は今年クライマックスシリーズ進出が無ければ来年以降契約の更新を打ち切られる可能性が高いため、結果を求める立場にいることが気がかりです。横浜の大矢監督も同じような立場だと思いますが、チームの今後のために我慢するところは我慢する、という決断が出来るかどうかです。

 とは言え、今年自分は巨人を除く5球団は例年に比べ団子ではないかと考えていますので(今の所の考えですが……)、ちょっとした隙に順位を上げることも出来るはず。ベテランの引っ張りと、若手の奮起に期待したいですね。

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