10月17日の日記
2007年10月17日映画を幾つか見た。
「蟲師」
不思議な映画です。
自分は原作を二巻まで持っていて多少補完できましたが、原作を知らない人の大半はたぶんストーリーがよくわからないのでは。自分もよく分かりませんでした。
全くわからないというわけではなく、何となくわかります。
でも、ハッキリとはわからない。
原作を全部持っていたり頭の良い人にはわかるのでしょうか。
あくまで持論ですが、元の作品を別のメディアで描く場合、それは一つの独立した作品でなければならないと思うのです。
この映画は原作のエピソードから幾つか抜いて繋いで脚色していますが、それが映画として成立させるために必要なことなら問題ないと思います。
問題なのはわかりにくいということです。
基本的に明らかにファン向けという作品でない限り、原作を知らなくてもわかるし楽しめる、知っていればより楽しめる、というつくりが理想的なのではないかと思います。
そう言う点で、用語の解説など、多少配慮に欠けるのではないか、と思います。
また、観客に考えさせ、各々答えを出させるためのヒントももう少し欲しかったような気がします。今回の終わり方だと、ただぼんやりとして、結局なんだったんだという、観客独自の考えに至ることが出来ずに終わってしまいそうな気がしました。
もちろんここの線引きは非常に難しいことで、口で言うほど簡単ではないのですが。
そういう意味では、下手に説明するより流れに任せてしまおう、と言う選択もありますが。
決してつまらない映画ではありません。
映像美、幻想的な世界観と出来事などは惹きつけられますし、役者さんも良いです。
なぜか繰り返し観たくなります。自分はわからない部分を考えようと、ピンポイントで幾つか見直しました。
けど、一回目を見終わった後の、釈然としない、おいおい、終わるのかよ、という感じは、決してプラスの評価には出来ないと思います。
「ドラムライン」
途中でやめました。演奏とかはたぶん素晴らしいと思います。
「太陽がいっぱい」
機転と知恵と努力で上手く事を運ぶんだけど、結局運には勝てない。端から決まっていた勝負が東奔西走の挙げ句にあっけなく明かされる。人生ってそんなもの。
「市民ケーン」
新聞王ケーンが死の間際に「バラの蕾」と呟いて息を引き取った。
一体「バラの蕾」とは何を意味するのか。ケーン死亡のニュース映画を面白くするためにその言葉の真実を記者が追い、ケーンと関わりのあった様々な人に会って話を聞く。
ケーンの生涯を描いた作品。
彼の子供の頃から始まり、倒産寸前の新聞会社を一躍トップ紙として再生させ、名声と金と伴侶を得るなど、社会的な成功が次々と描かれる。一方で、次第に孤独の影が色を濃くしていく。
「バラの蕾」とはなんなのか、彼の生涯を追いながらだんだんと増していく興味、疑問。なかなか与えられないヒントに歯痒さを覚えつつ、ケーンの満たされない心の闇に引き込まれていく。
そして最後の最後に映されたもの。
ハッキリとはわからないが、しかしそうだとしたら、なんと悲しいことか。
つまり、そこから狂いが生じていたのだ。
年を経て、どうしようもなくなった時、それまでの「正常」だった日々、「満たされていた」頃が蘇り、思いを馳せた。
何とも遣る瀬無く切なくなると同時に、愛おしい作品。
「人狼JIN-ROH」
押井守原作・脚本。監督は沖浦啓之さんという方。
童話赤ずきんに見立てて警察組織内部の権力争いと、その下で動く人間模様を描く作品。
とある映画批評のサイトさんで凄く素晴らしいレビューがあって、それを読んだらたちまちモヤモヤしていたものが氷解してゆきました。この映画はその批評に尽きると思います。
摘んで書くと、政治映画というのは「組織の思惑」と「個人の気持ち」によって起こる葛藤がテーマとなることがありますが、この映画はその中に、組織に依存することによって安らぎを得る弱い個人があることを指摘している、という感じの文章があります。
非情な組織に操られていた、と言うわけではなく、自ら納得して殉ずる。
そういう部分も含めた「組織と個人」という観点から各人物を見ていくと、色々となるほどと思えてきます。
主人公がまだ、すんでのところでぎりぎり人だった時の話、なのかな。
この作品は自分は凄く好きです。
見ている最中は、ハードな銃撃描写はもちろん、赤ずきんになぞらえた組織と個人、人と人、男女の悲恋として楽しみました。
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世の中には Fucking good music が溢れてるんだな。
まだ知らない音やメロディがあちらこちらに。
思いがけず出会うと嬉しくて興奮します。
最近出会った中では「たむらぱん」も好きです。
「責めないデイ」が凄い。
こんなに音が溢れているのに、このメロディ。
http://jp.myspace.com/tamurapan
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見計らったかのように話が来たりすることが時々ある。
このタイミングはしかし、世の中どういうツクリなんだろうな。
「蟲師」
不思議な映画です。
自分は原作を二巻まで持っていて多少補完できましたが、原作を知らない人の大半はたぶんストーリーがよくわからないのでは。自分もよく分かりませんでした。
全くわからないというわけではなく、何となくわかります。
でも、ハッキリとはわからない。
原作を全部持っていたり頭の良い人にはわかるのでしょうか。
あくまで持論ですが、元の作品を別のメディアで描く場合、それは一つの独立した作品でなければならないと思うのです。
この映画は原作のエピソードから幾つか抜いて繋いで脚色していますが、それが映画として成立させるために必要なことなら問題ないと思います。
問題なのはわかりにくいということです。
基本的に明らかにファン向けという作品でない限り、原作を知らなくてもわかるし楽しめる、知っていればより楽しめる、というつくりが理想的なのではないかと思います。
そう言う点で、用語の解説など、多少配慮に欠けるのではないか、と思います。
また、観客に考えさせ、各々答えを出させるためのヒントももう少し欲しかったような気がします。今回の終わり方だと、ただぼんやりとして、結局なんだったんだという、観客独自の考えに至ることが出来ずに終わってしまいそうな気がしました。
もちろんここの線引きは非常に難しいことで、口で言うほど簡単ではないのですが。
そういう意味では、下手に説明するより流れに任せてしまおう、と言う選択もありますが。
決してつまらない映画ではありません。
映像美、幻想的な世界観と出来事などは惹きつけられますし、役者さんも良いです。
なぜか繰り返し観たくなります。自分はわからない部分を考えようと、ピンポイントで幾つか見直しました。
けど、一回目を見終わった後の、釈然としない、おいおい、終わるのかよ、という感じは、決してプラスの評価には出来ないと思います。
「ドラムライン」
途中でやめました。演奏とかはたぶん素晴らしいと思います。
「太陽がいっぱい」
機転と知恵と努力で上手く事を運ぶんだけど、結局運には勝てない。端から決まっていた勝負が東奔西走の挙げ句にあっけなく明かされる。人生ってそんなもの。
「市民ケーン」
新聞王ケーンが死の間際に「バラの蕾」と呟いて息を引き取った。
一体「バラの蕾」とは何を意味するのか。ケーン死亡のニュース映画を面白くするためにその言葉の真実を記者が追い、ケーンと関わりのあった様々な人に会って話を聞く。
ケーンの生涯を描いた作品。
彼の子供の頃から始まり、倒産寸前の新聞会社を一躍トップ紙として再生させ、名声と金と伴侶を得るなど、社会的な成功が次々と描かれる。一方で、次第に孤独の影が色を濃くしていく。
「バラの蕾」とはなんなのか、彼の生涯を追いながらだんだんと増していく興味、疑問。なかなか与えられないヒントに歯痒さを覚えつつ、ケーンの満たされない心の闇に引き込まれていく。
そして最後の最後に映されたもの。
ハッキリとはわからないが、しかしそうだとしたら、なんと悲しいことか。
つまり、そこから狂いが生じていたのだ。
年を経て、どうしようもなくなった時、それまでの「正常」だった日々、「満たされていた」頃が蘇り、思いを馳せた。
何とも遣る瀬無く切なくなると同時に、愛おしい作品。
「人狼JIN-ROH」
押井守原作・脚本。監督は沖浦啓之さんという方。
童話赤ずきんに見立てて警察組織内部の権力争いと、その下で動く人間模様を描く作品。
とある映画批評のサイトさんで凄く素晴らしいレビューがあって、それを読んだらたちまちモヤモヤしていたものが氷解してゆきました。この映画はその批評に尽きると思います。
摘んで書くと、政治映画というのは「組織の思惑」と「個人の気持ち」によって起こる葛藤がテーマとなることがありますが、この映画はその中に、組織に依存することによって安らぎを得る弱い個人があることを指摘している、という感じの文章があります。
非情な組織に操られていた、と言うわけではなく、自ら納得して殉ずる。
そういう部分も含めた「組織と個人」という観点から各人物を見ていくと、色々となるほどと思えてきます。
主人公がまだ、すんでのところでぎりぎり人だった時の話、なのかな。
この作品は自分は凄く好きです。
見ている最中は、ハードな銃撃描写はもちろん、赤ずきんになぞらえた組織と個人、人と人、男女の悲恋として楽しみました。
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世の中には Fucking good music が溢れてるんだな。
まだ知らない音やメロディがあちらこちらに。
思いがけず出会うと嬉しくて興奮します。
最近出会った中では「たむらぱん」も好きです。
「責めないデイ」が凄い。
こんなに音が溢れているのに、このメロディ。
http://jp.myspace.com/tamurapan
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見計らったかのように話が来たりすることが時々ある。
このタイミングはしかし、世の中どういうツクリなんだろうな。
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