8月19日の日記

2007年8月19日 映画
8月19日の日記
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(映画感想、全体的にネタバレ風味)

「マイケル・ムーア in アホでマヌケな大統領選」
2004年アメリカ大統領選直前にマイケル・ムーアがとある大学に招かれて講演をすることになった。
しかしその事が大問題となる。なぜならそのユタ州の町は保守的な人間の集まる超保守的な町だったからだ。
ブッシュ批判で知られるリベラルなマイケル・ムーアがやってくることなど、到底許せないことなのだ。
大学内で講演中止を求める運動が起こる一方、マイケル・ムーアの招待を肯定する学生達とに二分され、活発に議論される。
やがて地域やメディアを巻き込んだ一大騒動へと変貌を遂げ、訴訟沙汰にまでなってしまう。
果たして講演の行方と、大統領選はどうなるのか……?

この映画はドキュメンタリーで、大学を中心とした騒動を映し出している。
マイケル・ムーアは最後の講演に出て来るだけで、あとはずっと肯定派と反対派の争いを追っている。
ドキュメンタリーと言っても、編集されているし、一つの作品である以上そこには制作者の意図があり、それに沿って作られている。
つまり完全にありのままというわけではない。演出もある。
この作品に出て来る人の言葉を借りれば、フィルムを通してしか見ていないわけだ。
その点で、作品を見ている最中も、見終わった後も、慎重に判断をしなければいけない。
しかしながら、実際に起こった出来事をフィルムに収めている以上、
そこには確実に真実や、一側面が映っている。
そこから得られることも大いにあると思う。

この作品には色々な意見を持った人が登場するが、大切なのはそういった人達の意見をきちんと聞くことで、偏見ではねつけるのはよくない。
というだけなら簡単なんだろうけど、それが難しい。人はどうしても「バカの壁」を持ってしまう。
この映画の保守派の頑なに閉ざされ反発する姿はまさにそうだ。
どこの国の人間もそうだが、あらゆる情報を見極めて、本当に大切なことは何かということを判断していかなければいけない。
プロパガンダはすぐそこで手を振っている。

「ホリデイ」
自分にしては珍しくガチの恋愛物を観た。
というのもジャック・ブラックが出ていたので。「スクール・オブ・ロック」での怪演で気になってしまった。
あと、メグ・ライアンが出ているとそれだけでちょっと面白そうと思ってしまう。
パッケージデザインも好きです。

イギリスとアメリカの傷心女性二人が気分転換に長期の休暇を取ってお互いの家を交換ステイする。
新しい環境で新しい出会いとしがらみに挟まれながら変化する男女四人の物語。

まあ、自分はあんまり(経験もないし)恋愛物で感動しない性質で、共感云々もあまりないのですが、全体的にハッピーで、陰と言うよりは陽で、元気が出る映画でした。
主人公達が自分たちの負の部分を克服していく終わり方も後味が良いし、
気分が落ち込んだ時に、多少は薬になると思います。

「善き人のためのソナタ」

1984年、東ドイツが舞台。
反体制の疑いをかけられた劇作家とその周辺、その監視を命じられた国家保安省の男を中心として、社会主義体制の醜い構造や人間ドラマを描く。

この映画は見終わった後、余韻が長く続いた。
素晴らしいと思う。二時間強の上映時間だけど、それほど長くは感じなかった。
色々と考えさせられる映画。

これは自分の勝手な解釈ですが、監視員の男はとても誠実な人間なのだと思う。それゆえに体制に厳格で忠実で、それゆえに醜悪な体制に追い詰められる劇作家達を守りたいと考えたのではないか。
監視員を演じた俳優がとてもいいんだ。素晴らしい。
最後、手紙開封作業のシーンから本屋の中での終わりのセリフまでの姿、佇まい、表情が最高に素晴らしい。

最後の最後に集約されるというか、あれを見たらそれまでのことが甦って、涙が自然と出てきます。
いやあ、もう一度また今度観たいかも。

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