DVD 東映 2006/08/04 ¥3,990

(ネタバレ注意)

「ローレライ」「戦国自衛隊1549」「亡国のイージス」と、
終戦60周年に合わせて制作された戦争物、軍事物の大取りとして満を持しての大和。

個人的にはまあまあでした。
悪くはない。
でも、物凄く良かったわけでもない。
それなりに楽しめました。

ただ、物語大きな流れが、ナレーションによる解説によって進むのが気になります。
そこの部分を登場人物によるものにするだけで、随分と違ったように思うのですが。
特定の人物の視点にしたくはなかったのでしょうか。
「男たちの」大和、だから?
あるいは、客観的な事実として入れたかったのか。

戦争の悲惨さを伝えるのに重要である個人個人の背景は、
無茶苦茶な感動はないが、じんわりくるものがある。
戦闘部分では容赦なく撃ち抜かれる兵士達の鮮血が壁や床に飛び散る。
仲間の飛沫に顔を汚し、怯えながらも弾丸を補充する姿や、
銃創に口を歪めつつ、勇猛に振る舞う戦士達が胸にくる。

戦争が薄れて久しく、「俺だったら上手くやる」みたいな、
戦争をゲーム感覚で考えるような若い人間には、
こういう風に、ほとんど運でしか生き残れない実際の戦場を観ることは、
少なからず影響を与えると思う。
出来れば原爆投下の場面もしっかりと入れてほしかった。
個人的な要望ですが。
戦争はダメだ、ということをよりリアルに掴んだ後、
出来れば戦争前後の知識も養っていただきたい(俺もあんまり知らないけど)。
そこはほんとは、学校で教わらなきゃいけないはずなんだけどね。

セリフで印象に残ったのは、曖昧ですが、死にに行く意味を問われて、
「負けて目覚める。それより他に日本の取るべき道はない。目覚める日本の礎となって散る。本望じゃないか」
という感じのものと、
ミスした者が名乗りを上げず、連帯責任になりそうになったところで挙手した者に、仲間が後から言う言葉、
「責任を取るのは、本人か全員かじゃ」

高校野球の不祥事でよく聞かれる連帯責任だけど、
なるほど、受ける側にそういう意識がなければ、連帯責任としての意味は、あまり無いのかも知れない。

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