亡国のイージス

2006年6月21日 映画
DVD ジェネオン エンタテインメント 2005/12/22 ¥3,990

(ややネタバレあるよ)

日本の下手なアクション映画よりは、出来は随分といい方だと思う。
しかしどうしても個人的にはいまいち迫力や緊迫感に欠けているように感じました。
ノウハウは、ハリウッドに比べたら全然だしね。

だから銃撃戦はそこそこ楽しめたけど、それよりも役者さんの演技の方に目がいってしまいました。
中井貴一さんのあの無表情、氷のような目や、僅かな弛みもない口元など、糊で固めたようなあの表情は素晴らしい。

岸辺一徳さんの語りの調子が好きすぎてにやけてしまう。

原田芳雄さんの半分自棄な総理大臣が愛おしい。
「なんで俺の時なんだ」に、心の中で爆笑。
(別に、そういう総理大臣が好き、と言うわけではなくて)

名前が出てこないけど、脇で頑張っていた役者さん達も良かった。

さて、内容。
自分は頭は良くないので、まくし立てられる情報量について行けないのですが。
戦後、日本の文化、歴史、思想などが次々と消えていき、
一体この国に、何の守るべき物があるのだろうか。
という趣旨の声明と、それに共鳴する半島の工作員によって、イージス艦が占拠され、
強奪したアメリカ製の化学兵器によって交渉が繰り広げられる。
という感じ。
テキトウですいません。

登場人物達の動機がいまいち理解できませんでした。
俺の頭が弱いのでしょうか。
理解できたとしても、日本側テロリストたちの動機などが、薄かったようにも……。
原作付きなのでそちらを読めば深く理解できるのかもしれませんが、
これは映画だし、映画単品で理解できるのが望ましい。
だから、一つの映画作品としてみるならば、不十分だと感じました。
(実は原作の上巻をもっていますが、買って数年。まだ全然読んでません)

国、国民とは何だろう。
文化とは、思想とは。
諸行無常。イデオロギー。そして生命。
移り変わっていくし、その時々に応じた物が出来上がっていく。
今はないと思っていても、実はあるのかもしれない。
そしてそれが今の日本なのかもしれない。
あるいは、やはり昔から受け継がれる思想、考え方の源があって、
今に応じた表現をされているのかもしれない。

全くなくなったかと言えば違和感を感じるし、
しかし普遍的というか、多くの人間にあるのかと言えば不安になる。
新しく変化した今の状態が、
良い物なのか、悪い物なのか、自信を持って発言できないのも事実だ。

ただ確実にそこにあるのは、生命。

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