DVD ポニーキャニオン 2005/07/29

(いったんネタバレでーす)(タモリ風味)

東野圭吾氏の小説が原作。
監督は「ユリイカ」などで評価を得ている青山真治氏。
役者が凄い。
役所広司、柄本明、豊川悦司、薬師丸ひろ子、杉田かおる他。
杉田かおるの演技は、実は初めて見るかも。

内容は、サスペンスミステリー?
湖畔の別荘で勉強合宿のために集まった三組の親子と、家庭教師。
そこにやってきた主人公の愛人が殺される。
犯行を自白する妻、受験への影響を恐れて隠蔽しようとする親たち。
主人公は反対しながらも荷担するが……。
と言う展開。

全体的に薄気味悪い部分がちょこちょこあるし、最後なんかは背筋がぞくっとするけれど、それでも割とあっさり観ることが出来た。
なんというか、一般的な謎解き物とはやや趣向が違う。
誰が何のためにやったのか、という部分が焦点になってくる。
そこの部分は見る人を飽きさせないための、引っ張る綱と言うか、そんな感じ。
背景には、お受験(あるいはお受験に代表される教育方針)、親子関係、個人としての子供。
あと何か引っかかる部分があるんだけど、とりあえずそんなところだと思う。

最後の方で柄本の妻だったか杉田かおるだったかが言った言葉に集約されていると思う。
それの極端な結果、一例として、今回の一件を描いていると思う。
自分にはまだちょっと実感、共感の湧きにくい事ではありますが、
収束の仕方ではある程度納得できます。上手い具合に収まったかな、と。
しかし、親のあり方、それは甘さだけではないからね。
というのも、結局子供も一個人なわけです。
理解できない、と言っていましたが、それはつまり、全く独立した思考を持っている、ということです。
小学生でも中学生でも、実際こちらが思っている以上にいろいろなことを考えていますし、そうなってくると、一人の人間として責任が問われてくるわけです。
その認識をどう与えるか、というのが、難しいところではありますが。

役者さんはもうみんな素晴らしい方々なので観ていてよだれが出るくらい良かったです。
特に、映画宣伝では役所さんが凄かったのですが、役所さんと並んで柄本さんの存在感が突出していました。
二人の会話のシーンは、とても良かった。良い意味でゾクゾクする。

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