みんなのいえ

2005年4月18日 映画
「キャシャーン」と「みんなのいえ」をレンタルして観てみました。
(ネタバレとか普通にあります)

「みんなのいえ」は三谷さんの映画監督作品としては二作目ですね。

・売れっ子の脚本家とその妻が家を建てようとして、設計を知り合いの先鋭的なデザイナーに頼み、建築は妻のお父さんに頼むことになる。
・しかし父親は昔気質の職人で、若いデザイナーとことあるごとに衝突する。
・その間で右往左往する夫婦。
・問題と衝突を繰り返し、対立したままどんどん完成していってしまう家。
・ギクシャクする現場。
・右往左往する夫婦。
・さてどうなる?

と言う流れ。

前作「ラヂオの時間」を評して、「尻尾まで餡の詰まった鯛焼き」というのがありましたが、今作もそんな感じです。
前作は短時間でぽんぽん小気味良く進む作品だったのに対して、今回のは家を建てるというスパンの長いストーリーでまとまりよく構成されている作品なので、小さなギャグの応酬と言うわけではありません。
だから、何となくそういう点では大判焼きのイメージが浮かびました。すごい観念的ですけど。

さて、全体的な作品としての評価は、とても面白かったです。
派手さはありませんが、良作。
キャシャーンを一緒に借りたから尚更そう思えたのかもしれませんが、全体的にまとまり良く、安定感のある作品です。
野球のピッチャーで例えるなら、「キャシャーン」は剛速球だけどノーコン。速球で三者連続三振など、ワクワクするような見せ場は作りますが、四球を連発したり投球が単調になったりして自滅する感じです。
「みんなのいえ」は、打たせて取る派手さの無いピッチャーですが、コントロール良くカウントを稼いでいって、見事相手を討ち取ります。

主演の田中直樹と八木亜希子はとても良かった。
この映画の、このキャラクターにぴったりはまっていたと、個人的に思います。
田中邦衛さんと唐沢寿明さんも良かった。
田中さんの風を語った時の台詞回しには爆笑した。
唐沢さんも、どこかエキセントリックで、やや癇癪もちな先鋭デザイナーをこなしていた。
豪華なゲストがチョイ役でぽんぽん出てくるあたり、見ていて思わずニヤリとしてしまう。

物凄くテンポが良かったり、緊張を保ったストーリーではなく、全体的のホンワカした感じの雰囲気で進みますし、ストーリーもある種王道的なつくりなので、そこを退屈に思ってしまう人もいると思います。
つまらない映画ではない、でももう一匙何かが足りない、と言う感じではないのでしょうか。
個人的には良かったです。
 

コメント