和製ホラーブーム。

2005年2月17日
ホラーとか大好物。
怖い話が大好きなのです。
だからテレビで心霊番組やっていたら喜びます。
しかしあれ、心霊写真とか、霊媒師が霊と対話するだとか、そういう胡散臭すぎるようなのはダメ。
基本的にお話としての怪談が好きなのです。
まあ、お話としての怪談も、胡散臭くないかと言えばそうではないけど、お話になった時点であれはエンターテインメントなんです。
ホラーなんかは映像がしょぼくても、ある程度話の筋書きが面白ければ(怖ければ)、そこは想像力や恐怖に訴えかける部分で補って満足できます。
ハリウッドで乱造される下手なアクション映画よりは、自分としてはこっちの方が十分に楽しめるわけです。

んでテレビでやってた「呪怨」見たんですよ。
最初の部分はまあそんなでもなかったんですけど、さすがに評判を呼んだだけあって、後半に行くと怖くなってきましたね。
ああいう終わり方っていうのも結構好きですよ。
いやはや。

しかし、子供の頃は本当に怖がりで、怖い番組は好きで見るんだけど、見終わった後は怖くて暗闇の中に身を置けなかったもんです。
時を経て今どうかというと、全然そんな事はない。
暗闇の中に平気でどしどし踏み込んでいく。
夜道なんかお手の物です。

最近では夜道というと、通り魔だとか、北○鮮の工作員だとか、幽霊よりもむしろ人間の方が怖いくらいです。
かつては闇夜を独り占めした黄泉の方も、今ではずいぶん肩身の狭い思いをしていることでしょう。
自分なんかは悪くすると、幽霊が出てきて脅しにかかられても、気の違った小市民と勘違いして、脇目で睨みながらよそよそしく避けて通るくらいで済ませてしまいそうです。
これでは怨霊のメンツもあったものではありません。

でも確かに、念で呪い殺すとか、そういうのはありそうな気もするけど、でも幽霊自ら腕力で人を殺すとかいうのは納得いきません。
死んだ人の体を乗っ取るといっても、死んだら組織は腐っていきますし、筋肉だってとても動くもんではないでしょう。
自分が夜道で幽霊を怖く思わなくなったのも、おそらくはそういった医学的・科学的な知識が、浅はかながら段々と身に付いてきたと言う事と無縁ではないような気がする。
人の知識や科学は光となり、街灯となり、闇を照らされた今では、彼らの歩ける薄闇はほとんど無くなってしまったのかも知れません。

最近の和製ホラー映画ブーム、怖い怖いと評判で、アメリカを始め、世界各地で好評のようです。でもその映画に出てくる大抵のお化けは人を殺したりして、少なくとも良いことはしません。
おぞましい事をさせて、それを怖い怖い言いながらスクリーンで見る。
一時の恐怖を楽しみ、映画館を出た後は彼女彼氏と仲良くデートです。
笑いながらぺちゃくちゃ、あのユーレイ怖かったねー、です。
(柳ユーレイではありません)。

人間はすっかり幽霊を飼いならしました。
揺れる柳を見て幽霊だと言っていた時代は終わったのです。
あの頃の未知な物に対する恐怖やイマジネーションは、
現代の現実主義の前に敗れました。
人間の進歩は喜ぶべき事だろうし、止め様もない、仕方のないことです。
人を人とも、幽霊を幽霊とも思わない現代日本で起こったホラーブーム。
しかしそれで良かったのかもしれません。
行き場を無くした死霊たちですが、昨今のブームによって、スクリーンの中に雇用が生まれているのですから。

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