ISBN:4102071016 文庫 高橋 義孝 新潮社 1985/06 ¥340
(ネタバレっぽいの書いて有りますよ。)
フランツ・カフカ著の有名な作品で、文学(芸術)・思想に大きな影響を与えたらしいです。
自分が初めてこれを知ったのは高校の頃の国語の時間で、日本人の作品にこの「変身」の引用があったのを、先生が説明してくれた時でした。
内容は、この時は全然知らなかった。
その、「変身」するということ以外。
主人公と思わしきグレーゴル・ザムザが、朝起きると自分が巨大な虫になっているのに気付くところから話は始まる。
(何の虫かは特定されていない)
この話が有名になっている所以は、この部分が大きい。
しかも、何で虫になってしまったのか説明が無いし、グレーゴル自身、虫になったことを特別不思議がるような場面もほぼ皆無だ。
そういった発想の突飛さから内容の不条理さまで驚かされるというかなんというか。
虫になったと想像するだけでも気持ち悪いのに、文章力でそれが引き立って、読んでてちょっと肌に粟が立ったりもしました。
家族は怖気、厭いながらも彼の世話をするんですが、扱いがぞんざいなところもあります。
でも普通、家にどでかい虫がいると思うだけで嫌なわけで、この家族が施している世話が最大限の扱いだと思います。言葉も通じないので、虫が一体どんな行動をするのかとか考えただけで怖いですからね。
特に健気にしてくれる妹のグレーテをいとおしく思っちゃいます。
グレーゴルの心情の変化など、自他を含めた周囲の様々な描写にとてもリアリティがあり、読んでいて非常に興味深かった。
やはり、ずっとその姿をしていて、そういう生き物の動きをしていなければならない生活をしていると、自然と思考なども姿に近寄っていって、人間的なモノが消えていくのは仕方が無いのかなとも思った。
中島敦の山月記とかもそうだけど、その部分に関しては何となく有無を言わさないものがある。
グレーゴルの場合はそこまで極端に症状が進行していかなくて、人間としての心情も持ち合わせてはいるけど、やはり変化はあると思うし。
文章自体は、訳の問題等あるとは思いますが、わりと読みやすかったと思います。
2〜3時間あれば読めちゃいます。
個人的にはこれとはともて面白かったです。
笑っていいのかわからないけど、思わず、不覚にも噴き出してしまう部分とかあったりして(新趣向の這い歩きに気をとられて、の部分とか)、結構楽しめましたよ。
最後は一粒だけ涙がこぼれてしまいました。
色々な意味で読めてよかった。
カフカの他のタイトルもまた読んでみたいですね。
それでは。明日虫になるのは君かもよッ!! アッハハハハ☆(アニメの次回予告みたいに)
(ネタバレっぽいの書いて有りますよ。)
フランツ・カフカ著の有名な作品で、文学(芸術)・思想に大きな影響を与えたらしいです。
自分が初めてこれを知ったのは高校の頃の国語の時間で、日本人の作品にこの「変身」の引用があったのを、先生が説明してくれた時でした。
内容は、この時は全然知らなかった。
その、「変身」するということ以外。
主人公と思わしきグレーゴル・ザムザが、朝起きると自分が巨大な虫になっているのに気付くところから話は始まる。
(何の虫かは特定されていない)
この話が有名になっている所以は、この部分が大きい。
しかも、何で虫になってしまったのか説明が無いし、グレーゴル自身、虫になったことを特別不思議がるような場面もほぼ皆無だ。
そういった発想の突飛さから内容の不条理さまで驚かされるというかなんというか。
虫になったと想像するだけでも気持ち悪いのに、文章力でそれが引き立って、読んでてちょっと肌に粟が立ったりもしました。
家族は怖気、厭いながらも彼の世話をするんですが、扱いがぞんざいなところもあります。
でも普通、家にどでかい虫がいると思うだけで嫌なわけで、この家族が施している世話が最大限の扱いだと思います。言葉も通じないので、虫が一体どんな行動をするのかとか考えただけで怖いですからね。
特に健気にしてくれる妹のグレーテをいとおしく思っちゃいます。
グレーゴルの心情の変化など、自他を含めた周囲の様々な描写にとてもリアリティがあり、読んでいて非常に興味深かった。
やはり、ずっとその姿をしていて、そういう生き物の動きをしていなければならない生活をしていると、自然と思考なども姿に近寄っていって、人間的なモノが消えていくのは仕方が無いのかなとも思った。
中島敦の山月記とかもそうだけど、その部分に関しては何となく有無を言わさないものがある。
グレーゴルの場合はそこまで極端に症状が進行していかなくて、人間としての心情も持ち合わせてはいるけど、やはり変化はあると思うし。
文章自体は、訳の問題等あるとは思いますが、わりと読みやすかったと思います。
2〜3時間あれば読めちゃいます。
個人的にはこれとはともて面白かったです。
笑っていいのかわからないけど、思わず、不覚にも噴き出してしまう部分とかあったりして(新趣向の這い歩きに気をとられて、の部分とか)、結構楽しめましたよ。
最後は一粒だけ涙がこぼれてしまいました。
色々な意味で読めてよかった。
カフカの他のタイトルもまた読んでみたいですね。
それでは。明日虫になるのは君かもよッ!! アッハハハハ☆(アニメの次回予告みたいに)
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