ネタバレ有り。
綿矢りさ「蹴りたい背中」。
少し前に読み終わっていました。
今から書いてある文章は、著者の発言等を全く知らない人間の感想です。
文章はとてもリアルと言うか、自分の過去を思い出して舌打ちしたくなるような気分さえしてくる、とても自然体と言うか、そんな風がするし、読みやすい。
しかし、その全く日常風景、共感性の高い文章の中で、にな川に対する主人公の独特の感情だけがわからなかった。そこだけ凄く浮き立って、全く異質なものとして映った。
たぶんこれは綿矢りさの、人に対して向ける数ある感情の中の一つで、「多少わかるように努力はしたけど、特別、明確にわかるよう説明する気は無いので、想像するなりしてください」といったスタンス、姿勢で書いたんじゃないかな、と、個人的に思った。
あくまで予想です。
あと、にな川が最後オリちゃんに近づいて拒絶されて、「近くに行ったのに今までで一番遠く感じた」と言ったのと、主人公が友人と床を共にしている時、友人が「早くみんなに話したいなぁー」と言ったのを聞いて、友人の世界が自分のところには無いというのを実感した状況が似ていた。
二人とも遠くから眺めていた「近くのモノ」が、近くに接したことで「遠くのモノ」だと実感する辺りがね。
まあしかし、結構この終わり方っていうのも怖いなぁ。
前途暗雲漂う、みたいな感じですけど。
羅生門みたいな、暗喩なのかな。直接的なようにも思えるし。でも、どうなっていくかなんのは、わからないけどね。だいたい最後、朝焼けで終わるんだから、なんとも判断しがたい。
やっぱそれこそ、どうなるかわからんな。
全体を通して、自分の洞察力・理解力が低いので、言いたいこと、得る物が、見えなかった。
でもこれが芥川賞を取ったのだから、それなりに何かあるのだろう。
自分はこれを読んで、やはりどこか含みを持たせたような、完璧に明快ではない作品でもいいのか、と思った次第です。
人の考えで補完されるような。少し気が楽になった。
読みやすいし、楽しいと言えば楽しい。
綿矢りさは、ユーモアのセンスがあるね。
あと、少し怖いね。この人は。
知っているから書けるっていうのもあるし。
何か、怖いなぁ。
綿矢りさ「蹴りたい背中」。
少し前に読み終わっていました。
今から書いてある文章は、著者の発言等を全く知らない人間の感想です。
文章はとてもリアルと言うか、自分の過去を思い出して舌打ちしたくなるような気分さえしてくる、とても自然体と言うか、そんな風がするし、読みやすい。
しかし、その全く日常風景、共感性の高い文章の中で、にな川に対する主人公の独特の感情だけがわからなかった。そこだけ凄く浮き立って、全く異質なものとして映った。
たぶんこれは綿矢りさの、人に対して向ける数ある感情の中の一つで、「多少わかるように努力はしたけど、特別、明確にわかるよう説明する気は無いので、想像するなりしてください」といったスタンス、姿勢で書いたんじゃないかな、と、個人的に思った。
あくまで予想です。
あと、にな川が最後オリちゃんに近づいて拒絶されて、「近くに行ったのに今までで一番遠く感じた」と言ったのと、主人公が友人と床を共にしている時、友人が「早くみんなに話したいなぁー」と言ったのを聞いて、友人の世界が自分のところには無いというのを実感した状況が似ていた。
二人とも遠くから眺めていた「近くのモノ」が、近くに接したことで「遠くのモノ」だと実感する辺りがね。
まあしかし、結構この終わり方っていうのも怖いなぁ。
前途暗雲漂う、みたいな感じですけど。
羅生門みたいな、暗喩なのかな。直接的なようにも思えるし。でも、どうなっていくかなんのは、わからないけどね。だいたい最後、朝焼けで終わるんだから、なんとも判断しがたい。
やっぱそれこそ、どうなるかわからんな。
全体を通して、自分の洞察力・理解力が低いので、言いたいこと、得る物が、見えなかった。
でもこれが芥川賞を取ったのだから、それなりに何かあるのだろう。
自分はこれを読んで、やはりどこか含みを持たせたような、完璧に明快ではない作品でもいいのか、と思った次第です。
人の考えで補完されるような。少し気が楽になった。
読みやすいし、楽しいと言えば楽しい。
綿矢りさは、ユーモアのセンスがあるね。
あと、少し怖いね。この人は。
知っているから書けるっていうのもあるし。
何か、怖いなぁ。
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