泣きたいだろ。

2004年6月27日
深夜番組でイラク戦争を中心にして色んな年代が話し合うのがやっていて。

番組冒頭は、政治判断やデモ活動など、戦争をわりと外から見ている視点での話し合いが続いたんだけど、途中、橋田信介さんの話になってきたところで一変。
橋田さんと行動を共にしたことがある人や、戦場で写真を取ったカメラマンが出演。戦地で実際に目にした「リアル」な情報や、写真や映像についてのエピソードなどが語られ、スタジオは水をうったような静寂に。
大局的、遠い場所から見ていたものが、次第に「戦場」と言う、細やかな、詳細な、無残で残酷で理不尽でやりきれない内部へと入っていくにしたがって、みんなの心の中に多かれ少なかれ、質の違いがあっても、見方の違いがあっても、影響を与えたと思う。

戦争を語る上で、この二つの視点はどうしても出てくる。
切り離せないし、裁量が難しいところだ。
どちらか片方ではないし、どちらか片方なのだ。

遠くから眺める視点と、現地の、実際の詳細を含めた視点。

両親を虐殺された少女が負傷して、病院で治療をして、体が癒え始め、記憶も何とか昔のことになってきた頃、陽気な天気の中、ベランダに出た瞬間、撃ち殺されて。
頭を撃ちぬかれて、頭蓋骨が吹き飛んで。
誰だって、そんなことをきかされて、何も思わないわけはないでしょ?
彼女が持っていたオルゴール、写真家が貰って、日本での個展で、それをデザインした人の家族に偶然あったり。
子供が楽しむためにデザインした時計のオルゴールが、彼女の最後を見ることになったなんてって、その人はショックだったってさあ……。

スタジオで、悲しく響いたオルゴールが何とも言えなく涙を誘った。

戦争はしょうがないという考えをさあ、俺も昔は持ってたよ。
いろいろなことを総合的に判断して、そこに行き着くのは仕方がないことだって。
でもさあ、やっぱりそこから一歩踏み出さないといけないよな。
その「しょうがない」を踏まえたうえで、さらにもっと、違う考え、違う方法が無いかって。
そうでなきゃ……。
こんなことを認めて言い訳が無い。

ブッシュを殺さないと。

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