アカルイミライ、曖昧な未来、映画映画。
2003年6月22日映画「アカルイミライ」を観た。
といってももう2週間近くも前の話なのでちょっと薄っすら気味ですが。
黒沢清監督作品は、題名は聞いた事があっても観た事は一度もないので、どういったテイストなのかは知らずに挑んだ。
どうやらパンフレットなどを読んでいると、黒沢さんの作品は基本的に『わかりにくい』らしい。
それはこの映画を観た自分も十分に感じたことだった。
それでもパンフによれば、アカルイミライはまだわかりやすい内容のようだけど。
とにかくわかりにくい。
特にオダギリジョーと浅野忠信演じる登場人物の心情が、まったくといっていいほどわからない。
何でそういう行動をとったのか、何でそういう心情なのか?
作品を見ていると、衣装の奇抜さもあるんだと思うけど、彼ら二人は世間から隔絶した、特殊な人間のように思えてくるのだ。
そして、彼らが投げかけるメッセージもわかりにくい。
「待て」と、「行け」。
作中に重要な要素となる「クラゲ」。
それを東京の水に慣れさせるように育てていた意味。
他にも、今、町をふらついている若者のような、記号とも取れる彼らの登場する意味。
ひとつ思うのだけど、この作品には具体的な答えというか、明確な「なるほど」と思わせるような答えは出てこない。少なくとも自分が見た範囲では出てきたように思えなかったが、つまりはその不確かさが重要なのではないかと。
月並みだけど、答えは見た人の数だけあるように思う。いや、答えという言い方は正確ではないか。
受け取り方というか。
「曖昧な未来」という映画も観た。
この映画は「アカルイミライ」の撮影現場を撮影した映像を元に、監督本人やスタッフにインタビューをしたドキュメンタリー映画だ。
自分が観に行ったときは最後の上映だったこともあって、観客が4〜5人しかいなかったけど、面白かった。
最後の上映って言っても、1日で1回、3日で3回しか流してないんだけど。
この映画では監督の物作りに関する考え方、この映画に対する意図のようなものが語られていたりして、ほんとにおもしろかった。
ある意味「アカルイミライ」より面白かったかも。
この映画で言っていたけど、「理不尽さ」「わけのわからなさ」というのを監督は考えていると思う。
世の中にはそういったものがある。
それは人一人一人が持ち合わせていて、多面性だし、それが世代だったり人を隔てているのだと思う。
というか、正直なところ、「アカルイミライ」は1回見ただけじゃほんとにわからないですよ。映画を見ている途中に必死に考えてたけど、駄目。
やっぱりパンフ見ながらじゃないと正確なことは書けないな。
監督が言うには、映画は心理より肉体らしいけどね。
映像なんだし、そこに映っている人物の肉体。
文章でなら心理を表せるけど、映像で心理が出てくるならそれは嘘だ、と。
それもまあ、曖昧さ、わけのわからなさに拍車を掛ける結果になっているんだと思います。
でも実際の世の中、本当にわかりやすいことなんてあんまりないですからね。
「blue」という映画も観た。
彼氏が出来るまでは、一番の友達が恋人でした。
というような感じのキャッチフレーズの元、女子高生の行き過ぎた友情を描いた(ォィ)映画です。
いや、まあ、単純に「レズビアン」かというとそういうのじゃなくて、なんていうんだろうなぁ。もっと爽やかというか、それこそ題名に近いような、とても大切な友情に芽生える、一種の恋に似たような感覚なんだよな。
凄い親しい友人に感じるような感情というか。
これは女がやってるから問題ないんだけど、男がやってたらいっぺんに怪しい映画になるだろうな。
そこら辺ある意味女の特権だよなぁと思う。
女が手を繋いでても問題ないけど、男同士が手を繋いでたら一気に怪しいもんな。
いや、繋ぎたいと思わないですけどね。
さて、内容の方はというと。
進学を控えた女子高生が、同じクラスの少女と親しくなる。以前から違う雰囲気を感じていたけど、付き合ううちに、彼女の好む音楽・本などから彼女に憧れのような感情を抱く。
特に目標も無く、特別な特技も無い自分とは違う……。
そんな彼女に惹かれるのだった。
実は映画の途中から記憶が途切れてありません。
はい。寝てました。
途中から寝てました。
たぶん後半のどっかからです。
いえ、決してつまらなかったのではありません。
その日はちょうど友人2人と遊んだ日だったんです。
たぶん疲れてたんだと思います。
あと、何故か左腕が非常にかゆくて、イライラしてたら寝ちゃってました。
わけがわかりません。
本当はこの映画、あんまり観る気はなかったんです。
「ボーリング・フォー・コロンバイン」というドキュメンタリー映画が観たかったんですが、上映される週は、仕事の都合で行けなかったんですね。だからせめてパンフだけでも欲しかったんで、映画館に行って頼もうと思ったわけです。
で、「アカルイミライ」の前の予告ムービーで気になっていたし、その日は「blue」の上映最終日だったので、ついでに観ちゃったわけなんですが。
ほんと。
目が覚めたときの恥ずかしさといったら無いですよ。
皆さん。映画館では寝ないようにしましょう。
特に、最終上映のはね。
「ボウリング・フォー・コロンバイン」
これは結構有名じゃないでしょうか。
あちらこちらの映画祭で喝采を浴びて、テレビでも取り上げられてましたし。
イラク戦争を猛烈に反対していたマイケル・ムーアが監督してます。
アメリカの銃社会を題材にしたドキュメンタリー映画ですが、去年から気になってたんですよ。
で、「アカルイミライ」の予告ムービーを見て凄く面白そうだったので、観たかったんですけどねぇ……。
ほんとに残念です。DVD出ないかな。
パンフの方は、後日映画館の方が家まで持ってきてくれました。地元の同じ人がいたらしくて。
なんか大好評でパンフ売り切れだったらしいし。
なんか映画館でも、観客の「面白そうだな」っていう雰囲気が伝わってきたしね。
この映画館はなんかマイナーな映画を、短期間だけど上映していたりするらしいので、これからもしかしたらちょくちょくお世話になるかもしれません。
今目をつけてるのは、「モーヴァン」という映画。
主人公の恋人が遺書と小説を残して突然自殺。
主人公は著作者の名前を自分に打ち直して、出版社に送るが……。
という内容。
なんか予告編ではつまらなさそうな感じもしたけど、気になるので観に行きたいです。
あと、もうひとつ気になるのが、「孤高」。
モノクロで無声、しかもストーリー性皆無の映画。
映画祭で評価を得た……のかどうかはわからないけど、もし得たとしたらたぶん「最高の睡眠導入剤」としてだろうなぁ……。
と思わせるような感じの映画。いや、映画じゃないな。あれは。
あんなの俺は見れないな。
いつ腹が鳴るかドキドキしてたぶんそれどころじゃないだろうし。
というか、こんな感じで、映画に触れる機会が多かったです。
なかなか無いですな。
あ、あと、「LAST SCENE」も気になる。
こっちはちゃんとした感動映画。
「リング」の監督さんが撮ってます。
いっぱい書きすぎたので、この辺にしておきます。
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